「左官職人として現場で働きたいけど求人はあるのかな?」「左官職人は一人親方として独立できるのかな?」など、左官職人に関する雇用に疑問や不安を抱えているのではないでしょうか?
そこで今回は、左官職人として働くための基礎知識を分かりやすく解説するとともに、最近の就職・転職状況の不安や疑問にお答えしていきたいと思います。
また今回はこのブログを見て連絡してきた、「練馬の新人保険屋さんの千尋(ちひろ)さん」が「建設業の実態教えて欲しい」ということなので、これから一緒に建設業界の実態を見ていきたいと思います。
左官職人とは?

まず、左官のお仕事はどんなことをするのか解説していきます。
左官とは、自然素材である「塗り壁」を使って家に吸湿性・放湿性・断熱性・防火性などの機能をもたらし、建築物を仕上げていくお仕事をしていきます。
左官=職人さんというイメージを持たれている方も多いように、まさに職人気質の多い業種といわれています。
ただ、未経験でも就職することができるだけでく、現場経験を積んでいけば3年ほどで独立することができる業種でもあります。
左官職人の主な仕事
左官職人の主な仕事手順は下記の通りです。
- 材料を練り混ぜて施工場所へ運ぶ
- 下地(土、セメント、モルタル)を塗る
- 中塗りでムラを直す
- 上塗りをして表面仕上げをする
これらの工程で最も重要とされるのが「下地の塗り方」です。
下地の塗り方が適切でなかった場合、壁が剥がれてしまったり、壁にひび割れが起きてしまうことがあります。
そのため、下地塗りは左官のお仕事のなかでも重要な工程であり、職人としての腕を問われる工程でもあるのです。
また、左官が扱う壁は数多くあり、一部をのぞいても、
- しっくい壁
- 防火用土蔵造り
- モルタル
- プラスター
- 合成樹脂系の素材
など多種多様な材料を扱うよう求められます。
工法においても、薄塗り工法などの高い技術を求められる現場も増えています。
左官が扱う道具
左官職人が扱う主な道具は下記の通りです。
- こて
- はけ
- ローラー
- 吹き付け機械
- ミキサー
- モルタルポンプ
- ウィンチ・ホイスト
- ベルトコンベアー等
扱う素材や工法が多種多様化してきたことにより扱う道具もこのように多様化してきました。
現場で鏝(コテ)を使うならどれがおすすめ?鏝の種類から選び方まで徹底解説!
ただ、左官のお仕事は基本的に手作業で仕上げていくことが多いので、職人の技術によって独特の味わいや雰囲気がでてきます。
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そのため、機械で一律に仕上げるのとは違い、左官が織り成す美しくも高い技術で仕上げる壁に注目が高まっています。
類似する仕事
左官のような工程で行う仕事として挙げられるのは、
- 塗装職人
- タイル張り職人
- 防水工事職人
これらのお仕事は、企業によっては取り扱い業種として左官と一緒に扱われていることが多くあります。
左官は別名「多能工」と呼ばれるように、左官のお仕事は様々な建築技術に応用できるお仕事を行っていきます。
その為、企業によっては外壁塗装とタイル張りを共に行っている場所もあったり、全く別業種の仕事を担っている企業もあります。
このように左官という技術は、様々な建築業界におけるあらゆる仕事を担うことができる業種なのです。
では、実際に左官職人になるポイントと必要な資格などを次にまとめていきたいと思います。
左官職人として就職するには?

特に左官として就職する際は学歴や資格は必要としません。
多くの方は左官の仕事を扱う会社に就職したり、就職前後に職業訓練校で学んで現場経験を積んでいくなどをして左官となります。
左官として就職したあとは、左官見習い、左官技能者、現場主任、職長へとステップアップしていきます。
安全衛生の指導管理職となる、現場主任や職長になるためには「職長・安全衛生責任者」などを左官で必要な資格とは別に求められる資格が必要となります。
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左官職人が取得しておくといい資格
- 左官技能士
- 1級建築施工管理技士/2級建築施工管理士
特に「左官技能士」の資格は厚生労働省が定める国家資格となっており、取得しておくと左官職人として必要な知識や技術を認められるようになります。
また、施工管理技士の資格を取得しておくと、大きな現場管理を任されるようになったり、独立して親方として働くことも可能になります。
1級・2級左官技能士の取得
左官技能士とは、一定も基準により国として各技能者の技術を認定・評価するための国家資格です。
試験内容は学科試験と実技試験が行われ、それぞれ学科で65点以上、実技で60点以上の合格基準を満たす必要があります。
受験資格は下記の通りです。
級 | 実務経験期間 |
---|---|
特級 | 1級合格後5年以上 |
1級 | 7年以上 |
2級 | 2年以上 |
3級 | (※) |
単一等級 | 3年以上 |
左官職種の検定の実施時期については、前期のみとなりますのでご注意ください。詳細については以下の通りとなっております。…
この資格を取得すると「建設キャリアアップシステム」での評価基準をグンとあげることができます。
建設キャリアアップシステムでの評価が上がると、処遇改善も見込め、さらに大きな建設現場の管理も任されるようになるのでより大きな企業へ転職することも可能になります。
これらの資格に関わる建設キャリアアップシステムの内容についてはこちらからご覧ください。
この記事では、建設キャリアアップシステムにおけるタイル張り工事に従事するための能力評価基準をそれぞれのレベルに必要な基準を解説していきます。自身のキャリア形成で将来的に「大きな仕事に就きたい」「今の仕事環境では不安だ」などと考えて[…]
左官職人が転職するなら?
左官職人は比較的個人作業の多い仕事なので、チームで動くということが少ない特徴があります。
また、未経験でも入職できるチャンスがある仕事でもあるので他業種から転職することも可能です。
是非、左官職人という仕事に興味があるときは紹介しているサイトを参考にしてみてください。
左官職人に必要なスキル・スキル

左官に向いている条件に当てはまる人は下記の通りです。
- 技術を高めたいという向上心を持つ人
- 最後まであきらめない粘り強い気持ちがある人
- 自分の持つセンスを発揮したい人
- 観察力に長けている人
- 歴史が好きな人
左官というお仕事は先述したように複数人で行っていく作業もありますが、基本的には一人で作業することが多い業種です。
その為、チームプレーよりかは個人プレーを求められることが多いので一人でもくもくと作業ができる人も向いているといわれています。
左官職人として活躍できる場所は?
主な職場は、マンションや戸建て住宅といった住宅街での建築やリフォームに携わることが多い仕事です。
ただ、大手ゼネコンなどの下請けとして工事現場で働くこともあります。その場合は、完全分業制なので、他の業種の職人と連携を計りながら進めていくような工事になります。
左官職人の雇用状況
左官職人のそもそもの特徴が左官一人一人の腕を武器に工事を請け負います。
そのため、大規模な工事でない限りはひとりで工事の一部を請け負い、作業を行うことが多いとされています。
左官の半数は雇用者ですが、一人親方で作業する方も多く、家業を継ぐなど個人事業主として働いている方も多くいます。
左官職人の給与や労働時間について
- 平均的な技能者の年齢は、全国42.4歳
- (出典:令和2年賃金構造基本統計調査)
- 年収の目安としては全国433.7万円
- (出典:令和2年賃金構造基本統計調査)
給与は日給・月給制であることが多いのですが、仕事の出来高に応じて支払われる「出来高制」であることがあります。
この場合は、左官としての技能に応じて給与が決まり、技能が高いほど高給になっています。
ただ、日給や月給制の場合も、技能やその仕上がりによって給与に差が出ることもあります。
そのため、通常のサラリーマンのような年功序列の給与形態とは違い、技能のよし悪しで給与が決まることを知っておくとよいでしょう。
労働時間は週休2日制1日8時間労働が基本的とされていますが、工期の進行状況、天候などによって休日出勤を強いられたり、残業をしなければならない場合もあります。
左官職人が置かれる現在の状況
全国的な就業者数=73.630人(出典:平成27年国勢調査)
有効求人倍率:5.3倍
全国的な就業者数は決して少ないとは言えませんが、年々就業者数が減っている現状があります。
そのため、有効求人倍率が5.3倍、つまり求人している企業はあるものの就業を検討する人材が少ないという問題が浮き彫りになってきています。
もう一つの理由で、左官職人の平均年齢が高くなっており、職人の高齢化に伴い年々引退している方が増えています。
さらに、若い働き手を確保するにも「危険・汚い・きつい」という左官のイメージがあることから就職に前向きでない若者が多くいることで、なかなか就職率が上がりにくくなっています。
そのため、左官業界は日本の伝統技術として確立してきた地位が危ぶまれており、また年々減りつづけている左官職人をどう確保すべきなのかが課題となっています。
建設業における人材の確認
建設業の人材不足に関して国土交通省の建設産業の現状と課題から見ていきますと
- 日本の人口は学校で習ったように1億3000万人とか言われますよね。
- その中で建設業での技能労働者(職人さん)ですが、平成28年だと300万人です。47都道府県で単純に割り算すると簡単に63,829人です。
建設技能者の数を見てみましょう | |
平成9年 | 455万人 |
平成22年 | 331万人 |
平成28年 | 326万人 |
多いか少ないかで言うと勿論少ないです
- 国土交通省の~令和2年3月末現在の建設業許可業者の現況~の資料では令和2年3月末現在の建設業許可業者数は472,473業者になります
- つまり、零細企業や個人事業主などで営む会社を考えないで計算すると300万人(技能者)/47万社≒1つの会社で6.4人程度しかいない計算です。
確実に人材が足りない・・・・・
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次に左官職人が今後どうなるのか?も合わせてまとめていきたいと思います。
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