この記事では、ショベルローダーの資格取得方法について解説していきたいと思います。
また、見た目がそっくりなホイルローダーとの違いについても合わせて解説していきたいと思います。
ショベルローダーとホイルローダーってなんでしょうか?同じローダーです。と、このように資格の取得方法を混同して覚えている方が多いのではないかと思います。
実は、ホイルローダーとショベルローダーと見た目はそっくりですが、実は資格講習が違うのです。
そこで、今回はショベルローダーの資格を取得する方法とホイルローダーとの違いについて解説していきたいと思います。
この重機は山積みの砕石に突入して行きたくさん砂利をすくえると感動ものなので、是非取得してみることをおすすめします。
ショベルローダーとホイルローダーの違い
まず、資格の種類に違いがあることが特長です。
ショベルローダは、「ショベルローダー等運転技能講習」という講習を受講して資格を取得する必要があります。
対して、ホイルローダーを運転するには、車両系建設機械(整地運搬積込)の資格が必要です。
車輛系建設機械(整地・運搬・積込)に関する資格の内容はこちらにまとめているので合わせて読んでみてください。
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ショベルローダーとホイルローダー性能の違いについて
次に、ショベルローダーとホイールローダーの性能面での違いについて解説していきます。
前提として、共通にいえることは、
- 公道を走る場合には、ショベルローダーもホイールローダーも、大型特殊自動車として登録されたものに関しては大型特殊免許が必要になる
- 土砂などをすくったり、牧草を運んだりすることができる
ということです。
これらの共通性能を踏まえて、それぞれの違いについて解説していきます。
ショベルローダーバケットの違い
ショベルとホイールの違いとして、この横からの写真を見比べてみると分かるかと思いますが、前輪ての間に隙間あることが分かります。
つまり、ホイールローダーは前輪部分と後輪部分が分裂して連結されているのでバケットの向きを移動させることができます。
このバケットの向きを移動させることができる機能を「チルト機能」と呼びます。
ショベルローダー車体の形状
ショベルローダーとは、ホイールローダーが四輪駆動であるのに対し、ショベルローダーは二輪駆動になっていることが特徴です。
そのため、ホイルローダは四輪駆動なので、パワーフルで少し道が悪くても軽々操縦することができるのも特長です。
ただ見た目にはなかなか判断しにくいです。
アタッチメントの有無
ホイールローダーは、アタッチメントを付け替えることができます。
「フォーク」というアタッチメントを取り付けることで、フォークリフトに近い仕事をこなすことができるのです。
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まとめ:ホイールローダーとショベルローダーの違い
- ショベルローダーの必要な資格はショベルローダー等運転技能講習で二輪駆動の機械になる。
- ホイルローダーの必要な資格は車両系建設機械(整地運搬積込)で四輪駆動の機械になる
以上のことから、ショベルローダーとホイールローダーには明確な違いがあることが分かります。
ショベルローダーの労災事故事例と送検事例
徳島・鳴門労働基準監督署は、虚偽の内容を記した労働者死傷病報告を提出したとして、産業廃棄物処理業の㈱サンパイ(徳島県徳島市)と同社代表取締役を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の容疑で徳島地検に書類送検した。平成30年5月、徳島県板野郡内にある同社工場において、技能実習生が1カ月以上の休業をする労働災害が発生していた。
被災した技能実習生は、鉄くず処理作業を行っていた際にショベルローダーと接触して重症の怪我を負っている。
同労基署は、同社に対して監督指導などを実施した際に、提出された報告書に疑問を感じて捜査に着手している。具体的にどのような虚偽報告がなされたかは明らかにしていない。
【令和元年5月20日送検】
労働新聞社引用
大型建設機械はトラックとは違い、操縦部分が前方に集中しているものが多くあります。
そのため、トラックなどと比べて死角が多いので誘導員を配置したり、建設機械周りの安全を確保する必要があります。
そのため、操縦する側は資格取得を義務としているので必ず資格を取得した人が操縦・安全管理を務める作業員を配置するようにしましょう。
では駆動輪の違いがわかったところで次のページで紹介するのは技能講習受講方法などをまとめていきたいと思います。
ショベルローダー技能講習資格取得方法
最大荷重1t以上のショベルローダーの運転作業に従事する方は、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了しなければならないことが義務づけられています。
1t未満の場合には特別教育が必要になります。
技能講習取得する講習時間は、保有している資格及び業務経験によって違うので必ずチェックして受講するようにしましょう。
技能講習一覧:他にも操作したい機械
9時間の技能講習で取得するには
受講資格は以下の資格が必要となります。
建設機械施工管理技士の資格について知りたい方は、リンク先にて解説していますので読んでみてください。
11時間の技能講習で取得するには
受講資格はいずれかの資格を保有している方が対象となります。
- 大型特殊免許(限定なし)所有者
- 普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許所有し
- 小型ショベルローダ等特別教育修了後、最大荷重が1t未満のショベルローダ等の業務経験が3ヶ月以上ある方。(特別教育修了証のコピー貼付、事業主経験証明必要、年次検査点検表添付)
15時間の技能講習で取得するには
受講資格は以下の通りになります。
- 小型ショベルローダ等特別教育修了後、最大荷重が1t未満のショベルローダ等の業務経験が6ヶ月以上ある方。(特別教育修了証のコピー貼付、事業主経験証明必要、年次検査点検表添付)
31時間の技能講習で取得するには
- 31時間普通、準中型、中型、大型、大型特殊(限定あり)免許所有者。
35時間の技能講習で取得するには
- 上記のいずれにも該当しない方
つまり、経験のない人でも資格を取ることができます。
資格取得したらやはり単価と給与はベースアップしたいところです。私も実際3回も転職してます。
補足:農業用コンバインには資格が必要なのか?
農業に必要な農業用トラクターやコンバインなどの農業車両を動かすためには、資格や免許は特にいらないのでしょうか?
気になったので一緒にまとめてみました。
トラクターやコンバインを使用する場所が私有地であり、且つ車両をそこから公道に動かす必要がないのであれば、運転免許は必要ありません。
ただ、公道を走らせるためには運転免許を取得しておく必要があります。
最高速度が15km/h以下、全長が4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.8m以下の農業機械であれば小型特殊自動車の対象になります。
その場合は、小型特殊免許もしくは普通運転免許が必要となります。
ただし、全長が4.7m以上、全幅が2mを超える場合は大型特殊自動車になります。
大型特殊自動車を運転するためには、大型特殊自動車運転免許が必要なります。
つまり、操縦自体に技能講習などの資格は必要ありませんが、公道を走る場合は運転免許が必要であるということです。
まとめ
今回は、ショベルローダーの技能講習とホイールローダーとの違いについて解説していきました。
まとめますと、
【ホイルローダー】
・ホイルローダーは四輪駆動のため、パワーフルで少し道が悪くても軽々
・ホイールローダーを現場で操作する際には車両系建設機械運転技能講習が必要
【ショベルローダー】
・ショベルローダーは二輪駆動なのが特徴
・ショベルローダー等運転技能講習を受ける必要がある
ですね。
ホイルローダとショベルローダは似ていますが、資格の種類は大きく違います。
また、機械自体の構造も似ているようで異なります。
建設業や製造産業で使う機械は資格で縛られていますが農業の資格は緩い部分があります。
それは建設機械の方が建設業等でのケガの発生等による危険性があるため、資格を通して適正な使い方を学ぶ必要があるんですね。