舗装工事で舗装を注文する方法とは?以前に生コンの注文の方法をまとめてましたが、今回はアスファルトの注文の仕方についてです。
私も若い頃にダンプに載ってプラントに引き取りに何回か行きました。出来たてのアスファルトをダンプに載せるときにドサッって乗せられるのは衝撃的でした。
さて、まずは舗装には種類があるのでそこから説明していきたいと思います。
舗装工事の材料の注文方法とは?表層について説明
まずこちらの断面を見てみましょう。
- 舗装厚さは50ミリ(5センチ)ですね。
砕石にタックコートをして再生密粒5センチで施工したとします。一般的な歩道やアプローチなどの舗装断面図です。舗装を注文する前に、図面にはこのように表記があります。 再生密粒と記載があります。こちらは表層部分の名称で何の舗装になっているかを表記されています。
実際には現場ではアスファルトの場合に使われている材料で聞いたことがある人もいるかと思いますが
- 細粒
- 密粒
- 開粒
などの呼称のアスファルトが良く頼まれています。その材料はのちほど説明していきましょう
タックコートとは?
簡単にタックコートを説明するとコーキングやボンドのプライマーと同じような役目ですね。
散布しないとアスファルト層間の接着強度が弱くなります。その結果、層が車の振動等でズレが生じたりします。その為、タックコートは、一般的にPK4(タックコート用)と呼ばれるアスファルト乳剤を使い事前に散布していきます。
散布量は0.3~0.6リットル/m2が標準です。
そうすると車が走行するときに層間でズレが生じ、アスファルト層の早期損傷につながってしまうのです。
舗装合材のm3数とトン(t)数量計算の方法
では、こちらの駐車場2台分の必要な合材の量を例としてまず計算してみましょう。
5.0m×5.0mなので全部で施工する面積は25m2になります。そこでこちらのm3数を確認してみましょう。
駐車場施工に必要なアスファルト合材≒25m2×0.05m≒1.25m3になります。
舗装の注文はトン(t)単位での注文になります。一般的に舗装に用いられるアスファルトは『密粒度アスファルト混合物』と呼ばれるものです。比重は2.35とされています
1.25m3×2.35t/m3で2.93tになりますね。
ただし、舗装は転圧します。ローラーやプレートなどで叩きます。叩けばさらに沈下して思ったより下がるので頼んだ舗装の量で足りなくなるので『転圧減量』と言われ転圧と一緒にその凹み沈む分がおおよそ8%とされているため、転圧減量として1.08を計算式に掛け合わせます。
2.93t×1.08 ≒3.17tになります。
こちらで注文するようになりますが・・・・舗装プラントにもよりますが、引き取りの最低量が決まっています。大抵0.5tからの注文オーダーなので現場の状況みて余らないように注文するのがポイントです。
※路盤が不陸多い場合は係数も少し多めに見るのもいいかもしれません。
アスファルト合材はどこに注文するのか?
舗装合材プラント東京
前田道路株式会社の東京支店について紹介いたします。…
舗装プラントは生コンプラントとは少し違います。道路会社とより密接な感じです。
このように大手の前田道路・大成ロテックなどのプラントを保有している会社もあります。
さてこのようなところから一般の方が舗装合材を販売してもらえるかというと・・・結論的にいうと無理です。
アスファルトの特徴として
- まず重要なのはダンプで運ぶ必要がある。
- 出来立ては熱い!基準として敷きならし時のアスファルト混合物の温度は、一般に110℃を下回らないようにと品質基準もあります。まず素人では運ぶことに無理があります
- 舗装は実はべたべたして扱うのが難しい。タールで手がベタベタです。よくあるのですがダンプをレンタルして直接積み込んで、施工したはいいがダンプはアスファルトでベタベタになり。レンタル会社から多額の清掃料を請求されることもあります
現場でアスファルトを頼む場合には、プラント直接か生コンと同じようにデリバリー(商社)を仲介して頼む事がほとんどです。
はじめの取引の場合にはプラントにもよりますが、その場での支払いになる現金払いでの扱いで対応してくれる場合もありますが、難しい場合も多いです。
では、注文はどうするのか?
生コンの場合には
- 生コン強度
- スランプ
- セメントの種類
などの配合を指定しての注文になります。
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アスファルト合材の注文方法:基層・表層でも違う
では、こちらの断面の舗装厚さ100ミリで見てみますとRM-40(砕石路盤)があります。
再生粗粒での表記があります。こちらが基盤になります
粗粒度アスファルト混合物(20)をまず注文して一層目に敷き慣らし転圧します。
(20)は砕石の粒が最大20ミリって事になります。
プラントへの注文としては?
- 基盤材を注文:仕様書によっては(20)が(13)になってる場合もあるので注意:
- 粗粒度アスファルト混合物(20)と仕様書に準じて依頼
- 粗粒度アスファルト混合物(20)と仕様書に準じて依頼
- 次に何t(トン)欲しいのか?
- プラント取り(ダンプでプラントに取りに行く)か現場配送で依頼するかです。
ただし現場配送の場合には何tダンプで搬入出来るかを伝えておかないと、車が入れないとかの問題もあります。
現場でアスファルトを降ろす場合には
- 人力で荷下ろし
- ダンプアップによる荷下ろし
- バックホーによる機械取り
- フィニシャーよるダンプ取り
こちらのような機械取りで行う事が一般的ですが、掛かる時間が変わってきますので、舗装は温度管理が品質確保のポイントなので現場での出荷から荷下ろし完了までの掛かる時間を確認するのは必ず必要です。
舗装をダンプで運ぶ際の注意点
舗装はダンプで運びます。ただ運ぶ際にも注意が必要です。
自分のダンプで行くなら相当の覚悟必要です。アスファルトを載せると汚れが取りにくいのがあります。
①必ず、荷台は掃除してアスファルトに泥とか混ざらないようにします。
②荷台にアスファルトを載せると掃除が大変です。その為、合材付着防止剤を荷台に塗布します。
③プラントでの積み込みはダンプの荷台めがけてアスファルトが上から落ちてきます。ダンプの荷台でキャッチしたら少し前に車を出して均等に積み込み
④運搬しているときに風や雨が振られたり荷下ろしに時間が掛かる場合もあるので保温シートは必須です。
そのシートをブルーシートなどで覆うと熱で溶けたりして、大変なことになります。昔やったのは仮囲に掛かってた防炎シートを勝手にバラシて使って代替えにもしてました。
表層の種類:アスファルトの注文方法
では、粗粒の上の再生密粒と書いてありますが、冒頭に記載したように表層の部分ですよね
実際には現場ではアスファルトの場合に使われている材料は
- 細粒
- 密粒
- 開粒
舗装は種類が多いのですが、現場では上記のように短縮して呼び名が決められてる
本来はこんな感じになります
密粒度アスファルト混合物(20、13) | 一般的な舗装で使います | もっと詳しく知りたいならこちらを |
細粒度アスファルト混合物(13) | すりつけなど仕上げで使います | もっと詳しく知りたいならこちらを |
開粒度アスファルト混合物(13) | 透水性を求めるならこちら | もっと詳しく知りたいならこちらを |
アスファルト舗装の再生・改質の意味は?
図面の表記では、このように再生や改質などの「言葉」も出てきます。こちらも仕様書を確認しておくと答えがありあります。
再生・・・ | 改質・・・ |
再生骨材を使用しているアスファルト合材 | 改質アスファルトは、耐久性に優れた舗装材 |
さらに詳しくはこちら | さらに詳しくはこちら |
つまり舗装の材料を選んで、プラント・デリバリーに注文するようになりますね。
舗合材は他にもいろいろな舗装があります
カラ-合材 | 道路で自転車の通路部分だけ色が違ってる |
振動軽減舗装 | こちらで確認してみてください |
などなど | 新らしい強度・耐久性・環境配慮の舗装は様々です |
土木施工管理よりアスファルトを極めるならこちらの資格
アスファルト工事は土木の中でもかなり専門的です。通常の躯体・都市土木・トンネルなどを専門的にしているとアスファルト工事に携わることもない場合も正直ありますね。
そんなアスファルト工事の資格のおススメはこちらです。舗装施工管理は民間資格ですが道路の知識問題ばかりです。正直難しい資格になります。
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資格取得したら転職もスキルアップも可能ですね。
DIY自分で舗装を行うには
ホームセンターでも簡易アスファルトが売っていますが、名前の通り簡易なので補修と修繕に使うことが多いです。
常温合材と呼ばれている商品になります。
常温合材は、道路の陥没などでも応急処置でつかいます。ただ、やはり車のハンドル切ったりするとタイヤでえぐれたりします。
歩行する小さな面積であれば使用することは可能です。だいたい目安としてはm2あたり3袋から4袋になるので値段からしてもお高めです。
このような材料を買うよりかは、正直業者さんに見積もりを取って施工してもらった方がアスファルトは施工してもらうのがベストです。
何せホームセンターでは合材のプラントから出荷されるものと似て非なるものです。冒頭でも説明したようにアスファルトは加熱されて転圧することでその効果が出るものなので(個人的な意見です。)