この記事では、生コンの基本的な注文方法や費用などを解説していきます。
明日から現場で働くけど、生コンってどうやって注文するのかな?と、最初にわからなくなることではないかと思います。
そこで、たくさんの現場監督や職人が今年も現場に入ってくる時期に合わせて分かりやすく解説していきたいと思います。
今回は、生コンをある食べ物に例えて、宅配で注文するような感じで解説していきます。
生コン車の基本的な呼び方と値段と単価
では、生コンの基本的な情報を解説していきます。
混ぜ切ったものを分ける為、生コンと呼んだが始まり
生コンの呼び方
- 2t車=m3車(リューべシャ)
- 4t車=中型(ちゅうがた)
- 10t車=大型(おおがた)
と生コン車を読んでいます。
生コン手配の生コン車両サイズと積載量
生コン車両と積載量については以下の通りです。
トン数 | 積載量 | 全長 | 幅 | 全高 |
2トン車 | 0.8m3 | 5030mm | 1700mm | 2620mm |
4トン車 | 1.6m3 | 5090mm | 2180mm | 3100mm |
10トン車 | 4.0m3 | 7840mm | 2490mm | 3700m |
保有車両はプラントによって違う
・ミキサー車・・・ドラムにコンクリートの材料であるセメント、骨材、水などを直接入れ練り混ぜながら運ぶ車
・アジテーター車・・・工場であらかじめ練り混ぜた生コンクリートをドラムに入れ、固まらないように混ぜながら運ぶ車
プラント(生コンを取り扱っている会社)によって、保有している車両は違います。
大きい車両もあれば小さな車両を保有しているプラントなど様々です。
ミキサー車に生コン何m3積めるのか?
- 3t車(【車両】3t ÷【比重】2.3=1.3m3)
- 5t車(【車両】5t ÷【比重】2.3=2.17m3)
- 8t車(【車両】8t ÷【比重】2.3=3.47m3)
- 11t車(【車両】11t ÷【比重】2.3=4.8m3)
※比重は水セメント比や骨細によって変わります。
生コンオーダーはデリバリーを使う
生コンのプラントは、いろいろな場所にあります。
生コンを手配する場合、直接、現場の近くの生コン屋に電話をするというイメージがあるのではないかと思います。
しかし、取引がない場合は、現場近くだとしても手配すら至らず断られてしまうことが多々あります。
そこで「商社」と言われる生コンを注文代行のようにしてくれる会社を利用します。
出前館やウーバーイーツみたいなもんです。
建設会社はこのデリバリーを通して(契約)探す時間を減らす為にデリバリーに生コン注文してる会社はたくさんあります。
例えば、このようなデリバリー会社(商社)があります。
このような商社を通じてプラントから代行して持ってきてもらう、というのが生コン手配の流れになります。
生コン普通のレシピ【調合】方法の基礎
では、生コンを実際どのように注文していくのか見ていきましょう。
もしもし、生コンください。
いつ?場所は?強度は?トリは?
なに?強度?
トリ?
と、言われても最初は何のことを言われているのか分からないですよね。
しかも、生コンのデリバリーは忙しいので、さっさと注文を出来るようにしなければなりません。
では、「強度」や「トリ」とはいったい何のことなのでしょうか。
そこで生コンの調合方法から生コンに関する専門用語を解説していきます。
生コンの基本的材料
ここでは、お好み焼きを作っていくように基本的な生コンの作り方を見ていきます。
まず、生コンが作られる材料は以下のものを使用します。
お好み焼き基本材料 | 生コン作成基本材料 |
お好み焼き粉(普通) | セメント |
出し汁と卵セット | 水 |
キャベツ | 砕石 |
天カス | 砂 |
適度な混ぜ方 | 空気量 |
卵入れて水減らす | AE剤 |
これを更に上手く料理するのが現場監督です。
この基本的な材料がわからなければカスタマイズすることはできません。
現場監督が現場に合わせてカスタマイズして注文するのが電話するときに出てきた「強度」や「トリ」といった用語を使った生コンのカスタマイズです。
混和剤にて水の量を減らす
AE剤は卵と表現しましたが、生地を柔らかくするには混和剤として生コンを柔らかく仕上げ流し込みやすくします。
水とセメントの比率的に、水が少ないと強度は上がりますだから減水剤(減水剤,AE減水剤,高性能減水剤,高性能AE減水剤)ってものあります。
間違えない、混和材と混和剤の違い
混和材とは、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ微粉末とかの生コンの質をあげる添加材になります。
お好み焼きで言うと、サキイカとか桜エビなどの旨みを足す考えです。
生コンとセメントペーストとモルタルの違い
ここで、生コン・セメントペースト・モルタルの違いは一体なんなのか解説しておきます。
- 【セメントペースト】お好み焼き粉と出し汁を混ぜ合わせる
- 【モルタル】お好み焼き粉と出し汁と天カスを混ぜ合わせる
つまり、セメントペーストは水とセメントを混ぜた糊状のセメントでタイルの接着面などに使います。
モルタルは、セメントに水と細骨材(砂)を混ぜたものがモルタルとなります。
このモルタルに砂利(砕石)が入って固めたものをコンクリートと呼びます。
監督が知ってる生コン配合と調合の方法
では、こうした基本的な内容を踏まえて実際にどう調合して注文していくのか解説していきます。
まず、オプションとして調合するときの通称は以下の通りです。
水少なめの硬い生地 | スランプ値が小さい |
強力粉を使う | 呼び強度が高くなる |
粉と水の配合 | 水セメント比 |
キャベツの刻むサイズ | 粗骨材の寸法 |
つまり、詳しく解説すると
- スランプ値はお好み焼きの材料を練り上げたときに、どれだけ硬いか柔わらかさを判断する値
- 呼び強度は生地とネタが混ざりあって、基準以上の強さが出てる
- 水と粉の配合比率がピッタリ、水が多いとシャバシャバになる固まりが悪い、材料が分離
- キャベツは大きさが均一で、フルイの目に対して基準を守る
ということです。
呼び強度は図面に載っている
だれが決めるの?
- JIS分類上の呼称で、一般に生コン工場の保証強度となります、生コンは通常、図面や設計書に記載されている強度を呼び強度として注文します。
- 24-15-25Nの場合には、24が呼び強度、15がスランプ、25が粗骨材最大粒径)
つまり、オプションを加えるたびに、少しづつ費用が加算されます。
呼び強度と設計基準強度とは?
- 普通ポルトランドセメント「N」
- 早強ポルトランドセメント「H」
- 超早強ポルトランドセメント「UH」
- 中庸熱ポルトランドセメント「M」
- 低熱ポルトランドセメント「L」
- 耐硫酸塩ポルトランドセメント「SR」
- 高炉セメント(A種・B種・C種)
- フライアッシュセメント(A種・B種・C種)
- シリカセメント(A種・B種・C種)
と、セメントの種類に応じて強度や呼び強度が違ってきます。
設計基準強度をもとに、カスタマイズしたものを「呼び強度」、コンクリートの設計基準強度に対して、温度補正を加えて発注される数値のことになります。圧縮強度のことを示している
生コン注文のトリとは何?
生コンはから、現場で流し込みする際はそのまま、流し込み(シュートを使って)とか一輪車で取るかバケツでコツコツやるかですよね。それかポンプ車なります。
バケツや一輪車は時間がかかるので生コン屋は嫌がります。
時間かかるとミキサー車の中で固まることもあり、次の配送に回れないこともあります。
ただ、現場によっては「ネコ取り(一輪車で打つ)」でないとできない現場あります。
そこで、お互いの打設方法の主張に相違が内ないように「トリ=コンクリ打設方法」を事前に話すということです。
以上のことから、実際に注文する場合はこのように注文します。
設計基準強度から、24-15-25Nの場合には、24が呼び強度、15がスランプ、25が粗骨材最大粒径)した場合
もしもし、生コンください。
トリはどうしますか?
ネコ取りでお願いします。
場所は?強度は?
スランプ15の強度27で1m3お願いします。
かっこよく言うなら27-15と言いましょう。
あれ?呼び強度が24なのに注文は27なの?
そう生コンには温度補正というものがありますので、その温度補正とは何なのか?次のページでまとめていますので引き続きチェックしてみてください。
ここで注意!生コンの補正強度を考えないとならない
滋賀県生コンクリート工業組合の▶構造体強度補正値の適用期間カレンダーです…
わかりやすく、生コンは気温に左右されます。
だから強度の補正が必要になります。
気温によって構造計算で考えた設計強度より補正して品質を確保しないといけません。
構造体強度補正値mSnは、特記のない場合はmを28日、nを91日とし、セメントの種類およびコンクリートの打ち込みから材齢28日までの予想平均気温の範囲に応じて決めます。
一体なんのことなのでしょうか?
滋賀県生コンコンクリート工業組合のカレンダーがわかりやすかったので引用します。
打ち込みの日を連休前で考えた場合24-15-25Nの配合
- 5月1日打設は24に3を足して27(N/mm2)
- 8月10日打設は24に6を足して30(N/mm2)
- 12月25日打設は24に3を足して27(N/mm2)
こういう考えになります。
以上のことから、コンクリートの補正強度をしっかり算出したうえで作業をしなければ強度の弱いものになってしまう可能性があります。
しっかり算出して安全性を高めるようにしましょう。
生コン注文は自分(現場の好み)で変えれる
先述したように現場監督自身が生コンをカスタマイズ(現場ごとにオーダー)することが出来るのです。
粉の種類変更(旨み増し) | 早強とか中庸熱セメント |
キャベツ少なめ | 軽量コンクリート |
粉に強力粉を混ぜて作った | 舗装コンクリート |
粉を自然薯たっぷり水少なめ | 高強度コンクリート |
と、注文すると現場に合わせたコンクリートが出来上がります。
現場監督の腕も見せどころですね。
実際の生コン注文流れのフロー
では、改めて電話注文するときの流れを確認していきましょう。
生コン注文お願いします。
配合と取りは?
27-15で1m3 場所は〇〇でトリは2tポンプで10m3の土間になります。
道が狭いので2tの13時希望
2tは保有数少ないので3台折り返し
※①通常は一度確認しますって折り返しの連絡になります
折り返し時間は?
往復で40分になります。
。。。。待ちを考えてもできるか
わかりました。※②
出し切りでお願いします。
あとが控えてるので※③
あと、潰し試験取りと配合報告書もお願いします。※④
- ①プラントを探すのにデリバリーから折り返し連絡。注意打設において、狭小部や標識確認しないと違反になる。
- ②瞬時の答えを出さないと生コンは他の会社に取られる
- ③不足したら追加で、もう一台追加のおかわり出来ない場合がある
- ④つぶし、型枠支保工などではサポートを外す為の圧縮試験で必要な強度が出てるか確認が必要で、現場で生コンが基準通りの配合かを確認するため、現場で材料抜き取り検査と圧縮試験の生コン採取(供試体)試験も頼める
さらに、プラントが適切な材料を使って混ぜたよって証明書を配合報告書を出してももらうことができます。
配合報告書はモスバーガーのレタスは何産みたいな間隔で、細かな添加したレシピと使った材料が報告書に書いてあります
生コンの値段と費用と価格表
生コンは一概に1m3いくらとは言えず、使う材料や車によって全て値段が変わります。
現場でお残しして持ち帰りや条件によっても変わります。
少量の小口では、こんな感じのやりとりになります。m3数が多いと生コン途切れたら打設に空き時間が生じて、躯体工事が死活問題になるので綿密な打設計画が必要になります。
参考に生コンの単価はこちらから確認できます。
生コン注文のまとめ
生コン注文方法はわかりましたか?大口と小口では生コンの注文が違います。また、プレーンにオプションをつけていくようになる料金体系になります。
ただ、生コンはデリバリーで注文が終わるとFAXで出荷するプラントに当日打設時間より前に予測して出していいよって出荷連絡が必要。打設日はバタバタしてるので忘れやすいです。