この記事では、地下鉄やトンネルの構築方法=躯体構築の方法を実際の工事の手順とともに解説していきます。
土木施工管理技士になるなら、実際に地下鉄やトンネルといった構造物が出来上がる過程を知っておかないといけないなあ…
ですが、どのような過程で作られるか教科書だけではわからないところがありますよね。
そこで、地下鉄やトンネルの構築手順を通して、都市土木の開削工法がわかるように躯体構築を13の手順に分けて解説していきます。
前回は、躯体構築の初期施工に関して連壁・一次掘削・土止め支保工をまとめております。内容はこちら
また、躯体構築は地下鉄やトンネルでは開削工法で行われますが、その工事を請負するのは、サブコンの専門工事業者です。
その有名なサブコンも合わせてわかりやすく解説していきます。
このブログを見て連絡してきた、練馬の新人保険屋さんの千尋(ちひろ)さん。
建設業の実態教えて欲しいと言われてブログを一緒にやることになりました。
構築STEP5 床付け(掘削完了)土留支保工完了
深さに応じますが、中間杭がヨレないように水平の繋ぎ材や斜めのブレースを鍛治鳶と言われる専門職種で取り付けを行っていきます。
この鍛治鳶は、特に勢いがいい人たちばかりです。サングラスをつけて少しイカつい人たちばかりです。
最初監督は、この人たちにビビるかと思います。
さて構築手順に戻りますが、アーク溶接やガス溶断を行いながら、固定する為の段取りをして、重い鉄骨をクレーンで吊り上げて行きます。
このような作業を効率よくするためにも、下のようなインパクトレンチを使用します。
特にこのマキタのインパクトレンチは充電式なので高所作業環境においてもコードレスなので邪魔にならず、また充電式にも関わらずACアダプタと同様のパワーで作業することができる優れものです。
向井建設株式会社
創業110年を超える信頼と実績のある企業で、特にとび工事においては日本一を誇る技術を持っています。
資格を保有している技術者も多く、とび工事の専門性に長けていることが分かります。このような会社もありますね
床付けが終わったら、いよいよ躯体構築の準備になります。ボックスカルバートの施工をする方法とはどのような内容なのか?
構築STEP6 均しコンクリートの打設(捨てコン)と次の工事段取
やっと床付が見れましたが、掘削完了したら砕石を敷き均して、鉄筋組立のための均しコンクリート(捨てコン)を打ち込みます。
均しコンクリートは構造物の全ての高さの基準になってくるので監督は何回も墨出しのチェックの確認を行います
川野建設株式会社は、均しコンクリート(捨てコン)などの躯体構築のスペシャルなサブコン企業です。
都市部のインフラ整備を主としており、大規模な工事に数多く携わっている確かな技術力のある企業です。
川野建設株式会社は建設業のスペシャリスト集団として、都市開発・鉄道土木・高速道路・トンネルなどのインフラ事業を手がけ、未…
構築STEP7 床鉄筋の組み立て(床版や耐圧版)と圧接工事
設計図書に準じて、鉄筋を組んでいきます。
トンネルとかの床の鉄筋は厚みだけで1メートルを超えます。
鉄筋屋が太い鉄筋を組み上げ、圧接工が鉄筋をつなぎ合わせて行きます。
中間杭は補強鉄筋を入れて床に一緒に埋め込まれます。
杭が床から出っ張る分は後から切断します。
その状況は後から写真で説明します。
下の記事では、鉄筋くみ上げのゼネコン企業について紹介しているので合わせて読んでみてください。
平岩建設株式会社
平岩建設株式会社は、鉄筋組立・躯体構築を得意とする代表とするサブコン企業です。
大手ゼネコンのサブコンとして、数多くの建設現場に携わってきた実績がある企業です。
建設キャリアアップシステム鉄筋圧接工ゴールドカード取得と登録基幹技能者
この記事では、鉄筋圧接工としての専門的知識を高め、ゆくゆくは登録基幹技能者になるための方法を解説しています。
鉄筋圧接工として必要な知識も解説してあるので参考にしてみてください。
構築STEP8 床コンクリートの打設は土木工事の要
コンクリートの打ち込みは土木屋にとって一番の見せ所です。
バイブレーターを使って鉄筋の隙間から締め固めを行って行きます
土工にとっては一番重要な仕事で、打ち込みの量が多いと朝から晩まで昼夜で打ち込みを行います。
当然ながら真剣勝負なのでポンプ屋と喧嘩したり配線が鉄筋に絡まったりなどしないように、新人の土工はケーブル持ち(配線を持つ)しかさせてもらえないです。
土間屋(左官屋)が打ち込みに応じてきれいに均して仕上げていきます。
これが均一でないと型枠を立て込むときに大変になります。
さらに、土工は壁の鉄筋に跳ねたコンクリートをバケツとブラシできれいに落としてくのと、壁を作る面のレイタンス処理を高圧洗浄でおこないます。
つまり打設完了からも仕事があり、夜中までその仕事は続きます。
下の記事では、こうした施工方法に長けた企業を紹介しているのでどのように作業しているのか参考にしてみるともっと理解が深まるのではないかと思います。
株式会社ヤマコン
コンクリート圧送のサブコンとして事業を展開する企業です。
株式会社ヤマコンは山形県山形市に本社をおくコンクリート圧送、設備配管の会社。コンクリート圧送に関する情報を満載。…
小型現場から大規模な建設現場でも活躍しているコンクリート圧送のプロフェッショナル集団です。
コンクリート圧送に必要な資格は?特別教育や受講方法について解説!
トンネル工事の建設キャリアアップシステムゴールドカード取得と登録基幹技能者
この記事では、トンネル工事における専門的知識に長けた登録基幹技能者になる方法を解説しています。
今回躯体構築の方法を解説していますが、こうした資格の記事を合わせて読むことでどのように今回の記事が資格と関係があるかなど考えると、もっと理解が深まるのではないのかなと思います。
トンネルや地下鉄を構築する方法のまとめ
今回は、トンネルや地下鉄の構築方法(躯体構築方法)について解説していきました。
まとめますと、
- 掘削完了したら砕石を敷き均して、鉄筋組立のための均しコンクリート(捨てコン)を打ち込みます
- 鉄筋家が太い鉄筋を組み上げ、圧接工が鉄筋をつなぎ合わせて行きます
- 土間屋(左官屋)が打ち込みに応じてきれいに均して仕上げていきます
と、このような流れでトンネルや地下鉄が出来上がります。
日常の知らない中で昼夜トンネル工事は行われています。
それなのに、現場を知らない人なのかまとめ方が下手なのか分かりませんが土木の教科書とかでは漫画や図だけなので躯体構築のイメージがつかない場合があります。
実際に写真を見るとイメージが少しは湧くと思います。普段、利用している地下鉄やアンダーパスはこのような形で作られています。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。