この記事では、マンション修繕工事に関する作業内容を週ごとに分けて解説していきます。
前回の作業内容については、「実録!マンション大規模修繕3週目:仮設工事設置が進む」にて解説しているので、リンク先からご覧ください。
4週目では、前回から行われているマンション下地調査から防水劣化部分と塗装劣化している部分が見つかりました。
また、マンションの屋上へ登って調査したことで見えてきた、管理組合でも把握していなかった不具合部分が見えてきた週でもありました。
このブログを見て連絡してきた、練馬の新人保険屋さんの千尋(ちひろ)さん。
建設業の実態教えて欲しいと言われてブログを一緒にやることになりました。
屋上は常に雨や日光に浴びているので劣化が早いために、大規模修繕前には適切に屋上に登り綿密な調査が必要です。
ただ、管理組合としては屋上は転落や高所作業になるので現場監督と同行したりし、慣れていない人は十分な注意が必要です。
今回は、マンション工事における防水工事の必要性と下地調査から分かった劣化部分の内容について解説していきたいと思います。
このブログは他にもこのようなことがまとめてあります。合わせて気になる記事を確認してみてください。全体を確認するにはこちら
マンション大規模修繕工事:塗装下地調査・屋上防水

3週目から引き続き、下地調査が進んでおり、タイル・塗装部分の全面調査が完了しました。
この記事では、マンション修繕工事に関する作業内容を週ごとに分けて解説していきます。前回の作業内容については、「実録!マンション大規模修繕2週目:タイル下地調査」にて解説しているので、リンク先からご覧ください。今回の記事では[…]
図面にはまだ不具合となっている部分についてマーキング等されていませんが、不具合数値(数量まとめ)は先に現場監督から事前に伝えられています。
この数量のまとめをすることによって、追加で費用がかかるのか減額されるのかが明らかになります。
また、どこまで今回の大規模修繕で不具合の補修等必要があるかが把握できます。
結論から申し上げますと、
10年以上新築から経過したマンションの屋上の塗装には、細かなクラックや色褪せが見受けられました。
マンション大規模修繕:塗装の劣化状況調査

常に風雨や紫外線などにさらされる建物は塗装により躯体(コンクリート)を守っています。
塗装の劣化が進むことにより、建物の色ツヤがなくなるなど美観が損なわれるだけでなく、建物躯体へも影響を及ぼします。
写真では天井の「上げ裏」と言われる場所に、チョークで下地補修が必要な部分をマーキングしていきます。
このマーキングした部分を補修してから塗装の吹き付けが行われます。
今回の工事では、躯体への塗装だけでなく、建物の内壁への塗装やバルコニーや廊下の鉄部の手摺りに錆止めの塗装が今後施されています。
塗装の寿命は一般的に約5年と言われており、劣化の進行具合によって色ツヤがなくなったり、白い粉(チョーキング)が出たり現れる症状に変化していきます。大規模な修繕工事では、このチョーキングを調べて鉄部の玄関ドアの塗装などが検討されます。
タイルに重要な検査「引っ張り試験」とは?

下地調査では、タイル引張試験も行われます。
そもそも、タイルの接着力は、凹凸部にモルタルがしっかり充填されることで、タイルとの密着力が働くようになっています。
しかし、この凹凸部にモルタルが充填されず空隙が多いと、タイルの接着力が低下してしまうことでタイルが落下する可能性があります。
つまり、タイル引張試験とは、このモルタルの充填具合を確認する試験になります。
写真を見て分かるように、

試験の合格基準を下回り、剥がれたタイルの裏を見てみると、タイル裏面の凹凸部にモルタルが充填されていないことが分かります。
管理組合としても、このような工事実施の際には自主試験を立ち会う事が重要ですので、是非機会があれば立ち会ってみましょう。
マンション大規模修繕:バルコニー片付け
今回のマンション修繕工事にあたり、バルコニーの不用品について事前回収アンケート配布(大規模修繕のゴミと一緒に捨てるか否か)しましたが、各世帯からの回答は10件程度の返信が現場監督に寄せられました。
特に受け入れ出来ない品目は今のところ出ていないとのことだったので、問題なく不用品を回収することが可能になりました。
このように主体的に大規模修繕で一緒に出来ることを考えるといいですね。
今回は、11月8日・9日に現場監督が立ち合いのもと、現場詰所前で不用品受付を実施する旨を理事会を通して、住民に案内を通知しました。
中には、ゴミ回収と間違えて室内の不用品持ち込みの可能性があることも考慮して、不用品回収の際は大規模修繕工事業者(現場監督)が立会いしてもらうようにお願いしています。
下地調査完了の進捗状況は?

下地調査の結果と作業方針を確認し、西面タイルはすでに落下しそうな部分のみタイル撤去を南面より先行して撤去を行うよう進めていくようになりました。
タイルは平で1120枚近く浮いてるところがあります。2丁掛けとして67枚で1m2です。
1120枚なので16m2です。ものスゴイ数が浮いているのがわかりますね。
下地調査により不具合のタイルの範囲も明確になってきており、すでに剥離しそうなタイル数量が多い部分があります。
この撤去と張替えを考えると年内の南面足場撤去は難しいと報告を受けましたが、これにより工期が延長になりそうです。
まとめが出てきたら再度ご報告します。
防水工事へ次のSTEPの工程へ
下地調査が終わればタイル張替えや塗装等の防水へと本格的に工事が始まります。
今回は防水工事とはどのようなものなのか解説していきます。
マンションの維持管理で重要な防水に関して次に説明していきます。このマンションの防水は管理組合としてもキーポイントなので是非チェックしてみて下さい。
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