この記事では、マンション修繕工事に関する作業内容を週ごとに分けて解説していきます。
前回の作業内容については、「実録!マンション大規模修繕4週目:防水劣化と塗装劣化」にて解説しているので、リンク先からご覧ください。
今回の記事では、作業内容ではなく、管理組合と施工業者との定例会議の議事録になります。
前回のブログで、下地調査の結果で発覚した修繕費用の追加徴収の問題が浮上してきました。
そこで、今回は下地調査の結果と共に、追加費用が発生しているのかについて解説していきたいと思います。
このブログを見て連絡してきた、練馬の新人保険屋さんの千尋(ちひろ)さん。
建設業の実態教えて欲しいと言われてブログを一緒にやることになりました
このブログは他にもこのようなことがまとめてあります。合わせて気になる記事を確認してみてください。全体を確認するにはこちら
マンション大規模修繕:下地調査実数の結果は

【塗装面補修】が必要な部分に関してはマンションの大規模修繕の場合に実数精算が適用されます。
実数精算とは、見積では見込み面積ですが、実際は多くかかる場合もあり数量が把握出来ないけど目安としてこれぐらいという中で最終的に精算するものです。
まず、この実数精算で算出された費用について解説していきます。
下地調査の結果:塗装工事の費用ー実数精算ー

外壁診断調査(下地調査完了後)が完了し、塗装における見積もりの正確な費用(実数精算)がまとまりました。
当初の塗装見積金額:941,100円と見積では費用計上されていました
ですが、実際に調査を行うと、予想外に塗装はあまり補修する部分が少なかったというのが調査結果でした。
この調査結果を基に、実数精算で計算してみたところ、金額:367,440円という結果になりました。
見積での当初予算 | 941,100- |
数調査での費用 | 367,440- |
変更の差額 | △573,660- |
塗装工事も業者見積もりに従うだけでなく、下地調査を基に実数で行うと
差額: ▲573.660円減額に可能になります。

大規模修繕会社によっては実費精算の事も言わずに追加費用だけ要求してくる会社もあるので、管理組合としてはこの実費精算はコストを抑えるうえで非常に重要な内容です。
素晴らしい!塗装に関しては問題なし
下地調査:タイル浮きー実数費用精算ー
タイル補修は見積金額:21,506,280円ではこの金額です。
※不良が多く当初からすごく高いです。
2000万のタイル補修費用に関しては、大規模修繕工事の1/3が掛かる計算で見積もりを算出しています。
見積もり時点でも、当マンションでは相当数のタイルの不具合が発生しているということです。
実際、大規模修繕の下地調査で把握した実数精算金額は
金額:30,346,683円
イチ、ジュ、ヒャク、、、、3000万!
見積での当初予算 | 21,506,280- |
実数調査での費用 | 30,346,683- |
変更の差額 | 8,840,403 |
差額 +8,840,403円って税抜きで!追加費用が掛かると言う内容です。

大幅な金額アップ…。
当管理組合は建築したゼネコンと販売会社に損害を把握し請求するために大規模修繕開始しましたが
見込み額より更にアップ!
ヤバい…
えっ?900万?アップってどう言うこと?何がなんでこんなにアップするのか?
では、見積もり金額より大幅にアップした問題を解説していきます。
大規模修繕費用コストアップ!
原因1:マンション建築会社:施工不良によるタイル剥落?

以前、実施した管理組合が自主検査で実施したロープ調査は浮き率が30%程度でしたが、やはり不安定な状態だったため、より正確に調べると数値は50%を超えていたことが分かりました
これは、建築工事をしたゼネコンの悪質な工事が原因かと思われます。
って事は、マンションの壁が6割も張替えとは、、バルコニー面ですがほぼタイルがないということになります。
残ってるタイルが不思議な光景に見えますよね。
当然ですが、悪質なゼネコンは一度も現場の視察に来ないうえ、販売元のデッペロッパーも当然現場には来ません。
しかし下地調査を行わないとタイル剥落の根拠がわからないですし、修繕工事も行うことができないので、正確な調査が行われます。
原因2:大規模修繕:工期延長の問題

下地調査を全面完了して工事出来高(進捗率)12%と報告がありました。まだ1割も工事が進んでいないということです
工事における下地調査で発覚した数量が大幅に多かった為に予定の工期での完了が難しいということが原因のようでした。
そこで「あまりにも不具合が多いので、修正工程表(予定表)を作成して改めて工事が完了できる工程を提案したい」と大規模修繕工事業者さんから提案がありました。
大規模修繕の工期が延長すると?
- 足場が設置される期間やトイレや事務所の仮設工事費用が更にアップする
- 現場監督が滞在する期間も増える
- 監督の人件費がアップして全体の諸経費や消費税もアップする(更に住民のストレスは増大するのは間違いない)
- 工期が伸びる=予定より時間がかかる
これだけでなく、本工事である大規模修繕工事の完了時期が遅れるという問題も浮上してくるので費用面でもスケジュール面でも痛手となります。
大規模修繕は資産を控除する役割もあります。そのなかなかで費用発生を伴う中でどこに重点的に見るか、その色彩計画について説明していきます。
金額報告と合わせて実施:タイル色彩計画確認

定例報告会では、
色彩計画と呼ばれるシーリング色決めタイル目地色を決めるような打ち合わせがあります。
特にタイルの目地色の確認は、管理組合(理事会)も施工業者と一緒に確認するようにしましょう。
シーリング等はタイルとタイルのつなぎの面で伸縮や膨張があった場合でもその目地で緩和する働きがあり、また防水効果もある働きがあります。
この、色合わせがちゃんとしないと新旧のタイルでムラが貼り終わった後に発生します。

まとめ:作業を行なってくれている人への気遣いは必要
今回は、定例報告会で発覚した問題点を解説していきました。
ゼネコンの施工不良は目に見えて明白ですが、現実確認もデッペロッパーやゼネコンの体質には呆れます。
コンプライアンスと言われてる中で常識的にあり得ないように感じが致します。
このような不具合が少しでもなくなるよう、体制を改善してもらいたいものですね。
まとめではなく、少し工事のこぼれ話になりますが、是非ご覧ください。
作業員詰所内で作業員の喫煙許可を頂きたいと監督より言われましたが、理事会としては排煙が近隣に迷惑にならなければ大丈夫ですよと伝えました。
だって働いて疲れてタバコぐらい吸わないと休憩では無いですよ。
監督から喫煙時は換気扇を使用し、ドアや窓は閉める。作業員詰所内で 喫煙させて頂く事を掲示板に貼らしてもらうとありました。
このようなお互いの少しずつの気遣いは必ず必要であるといえます。
一日も早い修繕と安全作業でケガの無いようにお願いします