足場倒壊!東急東横線に学ぶ足場点検と事故の内容とは?壁繋ぎの重要性と賠償責任の怖さ・事故を検証

足場点検の重要性について (根がらみ以外の点検内容とは)

 
千尋さん保険屋
足場の点検って誰がやるの?
 
ネコマル
元請けと作業主任者です。

過去の災害事例として、建物の外壁等の強度に対し、ケミカルアンカーの強度が弱く足場が倒壊した事例が報告もあります。(アンカーボルトの強度不足が原因となった災害事例。)

壁と壁つなぎの接続方法、各部材の強度が十分確保されていることを確認することが重要です。

壁つなぎ金物の圧縮・引っ張り強度:4.41kN/本(仮設工業会)

RC造の建物の場合

アンカーボルトによる壁つなぎをしっかりと取る

S 造の建物の場合の設置

鉄骨に専用クランプを使用して 設置し、外壁の施工状況に応じ て、アンカーボルト等に切り替えて設置

※アンカーボルトへの切り替えに ついては外壁の形状等、設計条 件を慎重に見極めて判断する。

ハウスメーカーや木造住宅は、外壁版に合わせた専用壁つなぎ等の金物を使用しているかをチェック!

足場作業は天候によって作業中止?作業中止基準

 
ネコマル
足場には天候の基準もあります
 
千尋さん保険屋
あるんですね

高さが2m以上の箇所で作業を行なう場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、作業を禁止する。

・強風…10分間の平均風速が毎秒10メートル以上
・暴風…瞬間風速が毎秒30メートルを超える風
・大雨…1回の降雨量が50ミリメートル以上
・大雪…1回の降雪量が25センチメートル以上
・中震以上の地震…震度階数4以上


施されていることや部材の取付位置、ゆるみ、変形、脱落等、部材の取付状況を点検し、必要な対策を実施しています。

シートや防音パネル等、風荷重が大きくなる要因となる養生材を早めに撤去等し、風を逃がすなどの対策を行う必要があります

足場等の組立て・変更時等の点検実施者については、足場の組立て等作業主任者、元方安全衛生管理者等が行いますが、足場の点検について、労働安全衛生法第19条の2に基づく足場の組立て等作業主任者能力向上教育を受講している等十分な知識・経験を有する者を指名してから点検するのがポイントです。

足場組立作業に関する特別教育について解説しているので、是非合わせてチェックしておくとより安全対策を講じれるのではないかと思います。

追記:松井建設の賠償責任関して

2021年5月14日に、松井建設の「2021年3月期決算」が発表になり、特に事故調査の報告はなかったですね


足場倒壊事故に係る費用の計上並びに再発防止等に関するお知らせ」と言うタイトルで下記の情報が配信されました。

まずはこのような責任です

今回の事故の経営責任について、役員報酬返上の処置がとられるようです。

  • 代表取締役執行役員社長 月額報酬の 30%を返上 1か月
  • 取締役執行役員副社長 月額報酬の 20%を返上 1か月
  • 取締役専務執行役員 月額報酬の 20%を返上 1か月
  • 取締役常務執行役員 月額報酬の 15%を返上 1か月
  • 取締役執行役員 月額報酬の 10%を返上 1か月

本件事故に起因する現状復旧その他費用については、東急電鉄株式会社様からの費用請求分も
含め、2021 年3月期第4四半期に計上しました。

と記載されている内容もあります

内容的に細かく見ていきますと、「特別損失」の「減損損失」の項目で費用が記載されております。残念ながら具体的には、いくらとは読み取れせん。もっと明確にしてほしいですね

その金額的には1億3千万程度の負担となっていますね。