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登録基幹技能者とは?建設キャリアアップシステムのまとめと認定職種

2021年7月9日CCUS,建設キャリアアップ(外国人雇用)

この記事では、登録基幹技能者とはどういった資格なのか、登録基幹技能者になる方法と登録基幹技能者の認定職種について解説していきます。

職人として働くにであれば、目指してみたい「登録基幹技能者」。

実は、登録基幹技能者になるには様々な条件をクリアしたうえでなることができる資格なのです。

では、登録基幹技能者になるにはどうしたらいいのでしょうか。

今回は、ご自身が携わる職種が登録基幹技能者になれるのかな、など考えながら読んでみてください。

前提:建設キャリアアップシステムのおさらい

まず、本文に入る前に、建設キャリアアップシステムについての記事はこちらに書かれているので、まず建設キャリアアップシステムについておさらいしておきましょう。

登録基幹技能者とは?

登録基幹技能者は、熟達した作業能力、現場を効率的にまとめるマネジメント能力及び豊富な知識を備え、国土交通大臣の登録を受けた講習(42の専門工事業団体において講習を実施)を修了した技能者。
工事の品質・コスト等への貢献とともに、技能者の目標像としての活躍が期待されている

国土交通省『建設業における賃金等の状況について』

と、解説されているように職人の中のプロフェッショナルな技能者です。

どんな仕事をするの?

上級職長として、

  • 元請業者と施工方法等の提案・調整
  • 他の職長と前工程・後工程に配慮した連絡調整
  • 技能者の適切な配置・作業方法・手順等の構成
  • 施工に係る指示・指導

といった仕事を担います。(引用:国土交通省『建設業における賃金等の状況について』)

登録基幹技能者になるメリット

登録基幹技能者になると、企業に対して以下のようなメリットがあります。

経営事項審査での加点評価
総合評価落札方式での評価
元請(日建連会員企業)の
「優良技能者認定制度」による手当の支給

主任技術者の要件への認定

国土交通省『建設業における賃金等の状況について』

技能者個人としては、

  • 賃金のアップ
  • 技能者として技術と経験が認められる
  • 建設キャリアアップシステムにおいてゴールドカード(最高位レベル4)となる

といったメリットを受けられることになります。

経営事項審査での加点評価(経審とはなんでしょうか?)

「登録基幹技能者」を取得すれば会社も助かります。
少し難しい話になりますが

経営事項審査には、公共事業を実施するときに登録基幹技能者の配置状況を問われる内容があります。

公共事業を実施する場合に、登録基幹技能者の配置条件が満たしていたら、経営事項審査で加点となります。

加点されると元請業者として良い評価をもらえるので、発注者が信頼して仕事を依頼してくれるようになります。

総合評価落札方式での評価

「総合評価落札方式」とは、工事発注者に向けて価格以外の新しい技術や提案の項目を評価します。

この総合的に評価した項目で落札者を決定する方式です。

主に公共事業を請け負う時に活用されるもので、公共事業を請け負う際に登録基幹技能者を配置していると、評価を得られ、請負を要請されやすくなるということです。

経営審査事項及び総合落札方式により、公共事業での評価・活用している都道府県は以下の通りです。

登録基幹技能者の公共工事の総合評価方式における評価・活用について、国土交通省では、全ての地方整備局等において導入済また、以下の19道府県において導入済(平成29年4月1日現在)
北海道、秋田県、茨城県、神奈川県、新潟県、富山県、長野県、
静岡県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、島根県、徳島県、
高知県、長崎県、熊本県、大分県、沖縄県
政令指定都市では、札幌市、仙台市、相模原市、静岡市、熊本市で
導入済

国土交通省『建設業における賃金等の状況について』

元請(日建連会員企業)の「優良技能者認定制度」による手当の支給

有料技能者認定制度とは、技能者の技能と経験に応じて報酬が確保されるよう、優秀な技能者に対して手当を支給するというものです。

この制度を導入している企業では、登録基幹技能者に対して手当を支給しています。

制度を導入している元請企業は以下の通りです。

安藤・間、大林組、奥村組、鹿島建設、共立建設、熊谷組、鴻池組、五洋建
設、清水建設、大成建設、大鉄工業、大日本土木、竹中工務店、戸田建設、飛
島建設、ナカノフドー建設、西松建設、日本国土開発、ピーエス三菱、三井住
友建設、 村本建設、矢作建設工業(平成29年6月現在)

国土交通省『建設業における賃金等の状況について』

主任技術者の要件への認定

登録基幹技能者として認められるには、認定されている職種の講習を受けることが条件となっています。

この認定職種に従事すると主任技術者として認められるようになり、職場での地位の保証・賃金アップといったメリットを受けられます。

登録基幹技能者になるには?

登録基幹技能者になるのは、いくつかの条件のもとでなることができます。

  • 実務経験10年以上
  • 職長経験3年以上
  • 最上級技能資格者資格の保有

以上の条件を満たしている方が各職種の登録基幹技能者講習・修了試験を受けることで、登録基幹技能者として認められます。

有資格者数は全職種を合わせて約6万人ほどいます(平成29年度時点)。

登録基幹技能者認定職種について

では、先述した「主任技術者の要件」に当たる認定職種について解説していきます。

登録基幹技能者認定の職種一覧

登録基幹技能者講習建設業の種類講習実施団体
登録電気工事基幹技能者講習電気工事業、電気通信工事業一般社団法人日本電気工事協会
登録橋梁基幹技能者講習鋼構造物工事業、とび・土工工事業一般社団法人日本橋梁建設協会
登録造園基幹技能者講習造園工事業一般社団法人日本造園建設協会
一般社団法人日本造園組合連合会
登録コンクリート圧送基幹技能者講習とび・土工工事業一般社団法人全国コンクリート圧送事業団体連合会
登録防水基幹技能者講習防水工事業一般社団法人日本造園組合連合会
登録トンネル基幹技能者講習とび・土工工事業一般社団法人日本トンネル専門工事業協会
登録建設塗装基幹技能者講習塗装工事業一般社団法人日本塗装工業会
登録左官基幹技能者講習左官工事業一般社団法人日本左官業組合連合会
登録機械土工基幹技能者講習とび・土工工事業一般社団法人日本機械土工協会
登録海上起重基幹技能者講習しゆんせつ工事業一般社団法人日本海上起重技術協会
登録PC基幹技能者講習とび・土工工事業、鉄筋工事業一般社団法人プレストレスト・コンクリート工事業協会
登録鉄筋基幹技能者講習 鉄筋工事業公益社団法人全国鉄筋工事業協会
登録圧接基幹技能者講習鉄筋工事業全国圧接業協同組合連合会
登録型枠基幹技能者講習大工工事業一般社団法人日本型枠工事業協会
登録配管基幹技能者講習管工事業一般社団法人日本空調衛生工事業協会
一般社団法人日本配管工事業団体連合会
全国管工事業協同組合連合会
登録鳶・土工基幹技能者講習 とび・土工工事業一般社団法人日本建設躯体工事業団体連合会
一般社団法人日本鳶工業連合会
登録切断穿孔基幹技能者講習 とび・土工工事業ダイヤモンド工事業協同組合
登録土工基幹技能者土工事業一般社団法人日本機械土工協会
登録内装仕上工事基幹技能者講習 内装仕上工事業一般社団法人全国建設室内工事業協会
日本建設インテリア事業協同組合連合会
日本室内装飾事業協同組合連合会
登録サッシ・カーテンウォ-ル基幹技能者講習 建具工事業一般社団法人日本サッシ協会
一般社団法人建築開口部協会
登録エクステリア基幹技能者講習タイル・れんが・ブロック工事業、
とび・土工工事業、石工事業
公益社団法人日本エクステリア建設業協会
登録建築板金基幹技能者講習板金工事業、屋根工事業一般社団法人日本建築板金協会
登録外壁仕上基幹技能者講習塗装工事業、左官工事業、防水工事業日本外壁仕上業協同組合連合会
登録ダクト基幹技能者講習管工事業一般社団法人日本空調衛生工事業協会
一般社団法人全国ダクト工業団体連合会
登録保温保冷基幹技能者講習熱絶縁工事業一般社団法人日本保温保冷工業協会
登録グラウト基幹技能者講習とび・土工工事業一般社団法人日本グラウト協会
登録冷凍空調基幹技能者講習管工事業一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会
登録運動施設基幹技能者講習とび・土工工事業、舗装工事業、造園工事業一般社団法人日本運動施設建設業協会
登録基礎工基幹技能者講習とび・土工工事業一般社団法人全国基礎工事業団体連合会
一般社団法人日本基礎建設協会
登録タイル張り基幹技能者講習タイル・れんが・ブロック工事業一般社団法人日本タイル煉瓦工事工業会
登録標識・路面標示基幹技能者講習とび・土工工事業、塗装工事業一般社団法人全国道路標識・標示業協会
登録消火設備基幹技能者講習消防施設工事業消防施設工事協会
登録建築大工基幹技能者講習大工工事業一般社団法人JBN・全国工務店協会
全国建設労働組合総連合
一般社団法人全国住宅産業地域活性化協議会
一般社団法人全国中小建築工事業団体連合会
一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会
一般社団法人日本木造住宅産業協会
一般社団法人日本ログハウス協会
一般社団法人プレハブ建築協会
登録硝子工事基幹技能者講習ガラス工事業全国板硝子工事協同組合連合会
全国板硝子商工協同組合連合会
登録ALC基幹技能者ALC工事業一般社団法人ALC協会
登録ウレタン断熱基幹技能者ウレタン断熱工事業日本ウレタン断熱協会
登録発破・破砕基幹技能者発破・破砕工事業日本発破・破砕協会

受講職種に合わせて、実施している団体が主催する講習を受けることでその職種の登録基幹技能者になることができます。

受講をする場合は、実施団体のサイトで詳しく知ることができるので受講する前に必ずチェックしておくようにしましょう。

登録基幹技能者になることで、先述したように主任技術者としても認定されることができます。

そして、令和3年度から登録基幹技能者認定職種に「ウレタン断熱」と「発破・破砕工事」の職種が追加されることになりました。

登録基幹者認定職種になったウレタン断熱工事と発破工事

こちらの内容は、下の記事から詳しく読むことができるので、参考に目を通しておくと良いでしょう。

追加認定の目的

新たに登録される2団体は建設キャリアアップシステム(CCUS)の推進に向け、会員内の状況を把握した上で事業者登録や技能者登録を支援し、資格者の処遇改善や担い手確保につなげる。

 発破・破砕では約6万4000人の技能者のうち職長が5人に1人、ウレタン断熱では4500~5000人の技能者のうち職長が2、3人に1人と推計し、登録基幹技能者の育成目標を立てた。いずれも初年度は100人の育成を計画している。

日刊建設工業新聞

という目的のもと、今回追加認定された模様です。

いずれも担い手不足を解消したいことと、処遇改善を目的とした今回の追加認定の動きは、建設業界に大きな働きを見せるのではないかと思います。

登録基幹技能者認定職種ウレタン断熱工事とは?

「ウレタン断熱工事」とは、発砲ウレタンと言われる断熱材を吹き付ける作業を指します。

どのような構造でも使用することができるので柔軟性に優れた素材だと注目されています。

一方で、吹付作業時に汚れてしまうことや、ウレタンが発火しないよう火気厳禁にするなど使用するうえで注意しなければならないことがあるのも事実です。

また、ウレタン断熱工事がしっかり行われていないと、建物に湿気や熱がこもってしまうなど、建物の快適性を左右するので、技能者の腕が試される重要な作業ともいえます。

こうしたことから、ウレタン断熱工事の作業に担い手を増やすためにも認定職種にするなどといった動きがあるのだと思います。

登録基幹技能者認定職種発破工事とは?

「発破・破砕工事」とは、岩盤掘削工事などに使われる工事です。

特に、トンネル工事・ダム現場・造成工事など多くの現場で使われる工事です。

発破・破砕作業をする際は、必ず発破技士などといった専門の技士が行わなければならないという義務があります。

そのため、作業ができる技能者は限られており、危険を伴う作業であることから資格の担い手を増やすためにも認定職種に追加されたのだろうと思います。

まとめ

今回は、建設キャリアアップシステムの最高位に認定される「登録基幹技能者」について解説していきました。

まとめますと、

  • 登録基幹技能者とは、その職種のプロフェッショナルとして認められる職人のなかの職人
  • 主な仕事は、上級職人として現場マネジメントや発注者と技能者らとの連携を担う
  • 登録基幹技能者になるには、受講条件を満たしたうえで講習を受ける必要がある
  • 登録基幹技能者を配置している企業は、経営審査事項の公共事業で加点評価を受けたり、発注者に落札されやすくなる
  • 登録基幹技能者になると、技能者は賃金がアップしたり、主任技術者として認定される、建設キャリアアップシステムで最高位(レベル4)のゴールドカードをもらえる
  • 令和3年度から新たに「ウレタン断熱工事」と「発破・破砕工事」が認定職種となるため、こうした職種でも登録基幹技能者になることができる

ですね。

登録基幹技能者になることは実務経験や職長経験も経験しなければいけません。

そのため、登録基幹技能者になることは大変な道のりにはなりますが、従事している仕事を極めると賃金がアップしたり処遇を改善することができるなどメリットが多くあります。

是非、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。