この記事では、日本に点在している石材を特色ごとに解説していきます。
また、石材の比重も合わせて解説していきます。
皆さんは、「堆積岩」や「火成岩」なんて言葉を聞いたことがありますか?ここでは石材を玉掛するときの石の比重についてまとめてみました。
このブログを見て連絡してきた、練馬の新人保険屋さんの千尋(ちひろ)さん。
建設業の実態教えて欲しいと言われてブログを一緒にやることになりました
ただ、外構やエクステリアの造園工事では石積みや景石を設置する場合に利用することもあります。
また、日本には様々な石材があり、それを仕立てし石を流れとして見せる技術があります。
そこで、今回は外構造園で利用する石材と、それらの比重や利用方法について解説していきます。
また、石材の比重を知るとともに、玉掛けやクレーンでの吊り荷の荷重も合わせてわかるようにまとめてみました。
この記事で石材について学ぶことは、検閲キャリアアップシステムでの評価を上げることにもつながりますので、キャリアアップシステムについても合わせて参考にしながら、今回の記事を読んでみてください。
このブログは他にもこのようなことがまとめてあります。合わせて気になる記事を確認してみてください。全体を確認するにはこちら
エクステリアプランナー・現場監督は知るべき石材特性

そもそも、石にはいろいろな種類があります。
堆積岩や火成岩に変成岩などの名前を知っているだけでは、実際に現場で石材を利用するときに活用することが出来ません。
石材を利用するのであれば、地産の石材の特性や用途を知る必要があります。
そこで、どのような石の種類があり、特色があるかをまとめてみました。
安全な吊り荷重や作業半径などを知るにはこちらの記事も参考にしてください。
エクステリアの知識:堆積岩の造園石材施工と比重

砂利や粘土に始まり、生物の残骸や死骸などが長い年月を掛けて固まりながら火山が噴火したりした地球環境のなかで堆積を繰り返して石材となったものを堆積岩といいます。
ただその中でも堆積岩の種類はたくさんあります。
凝灰岩系の比重と有名な石材について
もう一つ、「凝灰岩(ぎょうかいがん)」とは堆積岩の一種で、火山から噴出された火山灰が堆積してできた岩石の事です。
特に凝灰岩の中で有名なのが、「大谷石(おおやいし)」と呼ばれる種類の石です。
凝灰岩系に入るこれらの石の産地については以下の通りです。
- 栃木県から大谷石(おおやいし)
- 神奈川県から鎌倉石→もう流通がほぼない。
- 福井県から笏谷石(しゃくだにいし)→もう流通が少ない。
そして大谷石は、下のように使われているのを見かけるのではないかと思います。
凝灰岩系石材の比重は1.8 ~ 2.6になります。
こちらの種類の石は長方形か正方形にちかいので
【幅】×【高さ】×【厚み】×【比重】=石の重さ
今、造園でも特に使うのは、大谷石(風化しやすいですが)、和庭の坪庭に一枚あしらって演出されたり和庭の定番品といして重宝されています。
平板サイズが主流ですが、解体などでは石の体積と比重を知っておかなければ過積載になってしまうので、石材の比重は覚えておくようにしましょう。
石灰岩は枯山水や塗装仕上げに使用
石灰岩とは、炭酸カルシウムの比率が50%以上の堆積岩を「石灰岩」と呼びます。
石灰岩の石材の比重は?2.5 ~ 2.7になります。
石灰岩の石材はトンパックやフレコンパックに詰められて納品されてきます。
トンパックは1トン分を吊り上げて袋詰めされてるので、入れすぎると、吊り手が切れちゃう危険性があります。
石材を運ぶトンバックには、1トン【容量】÷ 2.7【比重】 =0.37m3【体積】しか入れないように気を付けましょう。
よく土木現場でパンパンまで残土袋に入れてる人がいますが、大変危険なことなので絶対マネしないようにしましょう。
石灰岩の種類と産地は以下の通りです。
- 茨城県から寒水石(かんすいせき)
- 福島から阿武隈石(あぶくまいし)
- 沖縄から琉球石灰岩(りゅうきゅうせっかいがん)
京都では龍安寺の石庭があまりに有名です。
水を使わない枯山水のうち、草木をほとんど使わず、石や砂や苔だけで表現した庭が石庭と呼ばれています。
「さざれ石」は国歌に出てくる石で貴重
国歌に出てくる「さざれ石」は石灰岩で正式には「角礫状石灰岩」といわれます。
「角礫状石灰岩」とは、礫岩・堆積岩の一種で、礫(粒径2mm以上の砕屑物)を多く含む岩石のうち、特に角ばった礫ばかりを含む岩石を「角礫岩」といいます。
つまり、角張った礫(つぶて)ばかりを含む石灰岩のことを「角礫状石灰岩」と呼ばれます。
礫の隙間は通常、砂や泥で充填されています。
少し休憩:造園工事で欲しいブロアーはこちら!
ブロアは、掃除機とは違い空気を噴射します。
剪定で葉っぱをホウキで集めるのは面倒なので、ブロアの空気で一か所に、集めて掃除をします。
剪定作業時に掃除をする際に造園屋は必須の掃除道具として利用します。
ただでさえ面倒な作業なのでパワーのあるもので一気に作業を終わらせたいですよね。
そこで、外でも使える充電式且つパワーのあるブロアーを集めてみたので、合わせてチェックしてみてください。
外構仕上げに定番!火成岩の種類と比重

火山作用によってマグマが地中から噴出されるとき、地中や地表で凝結したものを「火成岩」と言います。
一方、「深成岩」とは、地中の深いところで熱と圧カを受けながら固まったものを指します。
共に外構仕上げで使用する石材なので覚えておくようにしましょう。
花崗岩は御影石定番品景石で使う木曽石
「花崗岩」とは、深成岩の一種である岩石です。
普通、灰白色で黒いごまのような点々があります。
固く美しいので、建築・土木用で利用されることが多い定番の石材です。
花崗岩は、御影石(みかげいし)と呼ばれたり、グラニットと呼ばれたりします。
外構でよく見かける石材ではないかなと思います。
花崗岩の石材の比重は、2.5 ~ 2.8になります。
石材の産地と名称については以下の通りです。
- 茨城県から稲田御影
- 三重県から伊勢御影
- 山梨県から甲州御影
- 岐阜県から恵那石(えないし)
- 岐阜県、長野県から木曽石
御影石によっては色や模様が違うものがありますが、中国やベトナムからも輸入されていて、外構白色のものは、みなさんもよく見かけるとおもいます。
木曽石はエクステリアや外構で花壇の石積みとして小さな石積みで人気の石材です。
玉石に近いので、積み方も野面積みで谷にして、石材をはめる技量とセンスが必要は扱いが難しい石材です。
踏石にも使える鞍馬石閃緑岩の有名な石材
「鞍馬石閃緑岩」とは、京都「鞍馬」で採られた、有色鉱物の多い粗めの「閃緑岩」のことです。
黒っぽい石材なので、よく踏石として活用することがあります。
水に濡れた色合いがすごいきれいな石材です。
石材の比重は、2.7 ~ 3.0になります。
- 茨城県の筑波石(つくばいし)
- 山梨県から甲州鞍馬(こうしゅうくらま)
- 京都府から鞍馬石(くらまいし)
台形(間知石)みたいな形が多いので石の目方を出すには
【底辺】×【高さ】÷2×【厚み】×【比重】=石の重さ
で算出するようにします。
諏訪鉄平乱張りー小松石と石積・安山岩の種類ー
安山岩とは、黒っぽい色をした火成岩の一種です。
安山岩の産地と名称については以下の通りです。
- 神奈川県の本小松石と根府川石(ねぶかわいし)
- 群馬県の赤城小松石
- 静岡県の伊豆石
- 秋田県の男鹿石(おじかいし)
- 福島県の白河石
- 長野県の諏訪鉄平石
つぎのページでは、小松石(根府川)・諏訪石・玄武岩などの石を引き続き説明していきたいと思いますので、合わせてチェックしてみてください。
石積について~小松石の場合~
雑割り石や間知石の形状で切り出しされている小松石とかは、伊豆の山に行くと切り出して積まれているのをみて、石を選定します。
ここで実際の現場と同様に石材を組み上げし、番号付けをして、現場に持ち込んだ際に施工のシュミレーションをして実際の現場でロスの内容にする場合もあります。
そして、石材の形を整えるのに楔(クサビ)で石を割る本物の技術を小松石の積みから伝統の技術が見れます。
安山岩の石の比重は、 2.2 ~ 2.9になります。
諏訪鉄平乱張りとは?
乱張りとは、踏み石を乱形のままパズルのように埋め込んでいる作業です。
つまり、職人さんは
鉄平石を、レールの端材に石材を載せて石割りで手で形を整えていく
すごい技術ですよね。
希少性が、高くなった黒墨石玄武岩の石材
「玄武岩」とは、二酸化ケイ素の割合が50%前後の岩石のことです。
玄武岩の中でも「黒墨石」は、美しい黒色の石材でインテリアなどで重宝されています。
石材の比重は?2.7 ~ 3.2になります。
主な産地は以下の通りです。
- 静岡県の六方石と富士山の黒墨石(山梨県)
庭の花壇に黒墨で小さ目の石積みをしたりしてましたが、形が特にいびつなので施工にはセンスがいります。
六方石は、列柱みたいにしアクセントとして人気のエクステリア商品です。
変成岩は高価な石材庭造りを作り込むなら必須

堆積岩や火成岩が、大きな地殻変動によって熟圧カを受けて変質したものを「変成岩」と言います。
青石は高級石材で造園に用いたい緑泥片岩
「緑泥片岩」とは、緑がかった「緑色石」含む鉱石を指します。
石の比重は、 2.5 ~ 2.9です。
産地は以下の通りです。
- 埼玉県の秩父青石
- 静岡県の天竜石
- 和歌山県の紀州青石
- 愛媛県の伊予青石
青石は、自然が作った濃い緑色に輝く石。縁側に一石設ける。ただ大きいので重たいです。
沓脱石の目方(石材なんでもっとデカイ場合もあります。
【長さ】1mから2m ×【奥行き】0.5〜0.9×【高さ】0.6〜0.8=体積1.44m3(MAX)
体積1.44m3(MAX)×【比重】2.9=約4.2t
クレーンもない時代には、三又を組んで据えたとなると日本人の技術力はハンパじゃないですね。
三波石の沓脱石など結晶片岩を使うと本物の庭
「結晶片岩」とは、地下深くで再結晶した鉱物がくっついたものを指します。
石材そのものが美しい鉱物を含むので、色合いなど庭が映えるとしてよく重宝されています。
石材の比重は、2.6 ~ 3.0になります。
産地とそれぞれの名称は以下の通りです。
- 群馬県の三波石(さんばせき)
- 北海道の日高石
- 伊予青石、秩父青石、阿波青石、紀州青石
石にそんな値段払うのはおかしいと言う人もいますが、ダイヤモンドなど宝石も石です。
自然が作った石を癒しや憩いの空間に仕上げるオンリーワンの作る空間が造園だと思います。
その中で自然の中で変化のある顔があるのが自然石の魅力ですね。
高級石材の定番品は大理石
大理石はご存じの方が多いと思いますが、「大理石」とは変成岩の一種なので石材となります。
正式には、「結晶質石灰岩」と呼ばれますがあくまで変成岩の一種です。
石材の比重は、2.5 ~ 2.9になります。
大理石はキッチンや外壁などの仕上げの高級仕上げ品、海外からの輸入建材材料になります。
わかりやすい石材の比重と体積のまとめ
石積み工事など何気なく施工の中で触っている石材工事ですが、石の比重はコンクリートより重たく形もいびつです。玉掛けに際しても慎重に行い目方を誤ると荷の落下などあります。作業手順や計画を組む際に実際の石の種類に対して比重も記載しているので参考にもらえればと思います。
また、石は雨で含水量で重さは増加し、土がついてるとそれ以上の重さになります。
最後まで読んでもらい、ありがとうございます。