この記事では、足場や鉄骨などの組立に必ず使用される「ラチェットレンチ」について解説していきたいと思います。
また、人気のラチェットをいくつかピックアップして紹介していきたいと思います。
普段から足場や鉄骨を組み立てる作業に関わっている方であれば、その工具が一体どういったものなのか分かるかと思います。
ですが、あまり組立に関わらない作業を行っている方にとっては「どういった工具なんだろう?」と、なかなか名前だけでは良く分かませんよね。
そこで、ラチェットを普段から使用している方でも、そうでない方でも、本来どのように使用する工具なのか分かりやすく解説していきたいと思います。
また先日 番線カッターを紹介しましたが気になる方はこちらを確認してください。
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また、おすすめのラチェットをしいくつか紹介しているので是非合わせてチェックしてみてください。足場でもビケの場合はこちらの記事もチェックしてみてください
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鳶職人が使うラチェットレンチとは?
ボルト・ナットの締め付けや取り外しに使われます。ソケット部にギアを設けてますので連続的に回すことができます。ソケットとハンドルが一体になっているのでソケット落下の危険がないので高所作業時に最適です。
通販モノタロウ『ラチェットレンチの種類と特長』
つまり、ボルトやナットを締め付けたり、取り外したりする際にスパナではいちいちポジションを入れ替えて作業をしなければならないという手間があるのに対し、ラチェットレンチでは、連続して作業を進めることができるので効率よく行うことができます。
特に足場や鉄骨などの組立作業は、多くのボルトやナットを締め付けたり取り外したりしなければならないので、少しでも作業スピードをアップするためにこのような工具を必要とするのです。
呼び方としては、通常ラチェットレンチと呼ばれていますが、中にはその形状から「メガネ」などと呼ぶ人もいます。
ラジェット?ラチェット正式名称は?
また、他にも「ラジエット」と呼んだり、ガチャガチャ作業をすることから「ガチャ」と呼ぶ人もいます。
今回は、「ラチェットレンチ」や「ラチェット」と統一して進めていきます。
次に、ラチェットレンチの種類や使い方など解説していきます。
ラチェットレンチの種類
ででは、ラチェットの種類について解説していきます。
片口ラチェットレンチ
表と裏の爪サイズが違うので、表裏をひっくり返すだけで締め付けと取り外しを同じ工具で行うことができるものです。
これは、整備とかの工具で良く見かけますね。
両口ラチェットレンチ
ソケット横部分に爪のサイズを切り替えるスイッチのようなものがある工具です。
正転と逆転を切り替えることができるので、回す作業効率がアップします。
また、表と裏の爪サイズが異なるので、サイズの異なるボルトやナットにもそれぞれ対応することができます。
個人的には、この両口ラチェットレンチが使い勝手がいいのでおすすめです。
ラッチエットをハンマーみたいに、叩いて使う人がいます。ソケットのギアが壊れてしまうんですよね。
ロングソケットラチェットレンチ
ソケット部分が長く設計されているので、深い部分にあるボルトやナットも楽に締め付けることができる工具です。
ALC締め込みなど便利なアイテムです。
板ラチェットレンチ(ベントタイプ)
工具の端と端にそれぞれサイズの違うソケットがついている工具です。
工具の傾斜が15°それぞれひねってあるので、いびつな部分でも作業を行うことができます。
鳶で狭いところのクランプのナットを回すには便利です。
板ラチェットレンチ(ユニバーサルタイプ)
ソケット部分と柄の部分が分離されているので、柄の角度は15°以上かかっても締め付け部から外れることなく締め付けることができます。
外構屋などで門扉など締め付ける狭い場所でも楽勝!
ラチェットレンチの選び方 鳶が使うラチェット サイズ
ラチェットレンチをどれにするか迷っているのであれば、以下のポイントを押さえて選んでみましょう。
用途や場面に合わせて選ぶ
どのような作業環境で使用するのかによってラチェットの種類が変わります。
例えば、凹凸の激しい足場や鉄骨を組み立てるときは、先述したラチェットの中の「ロングソケット」タイプのものを選びます。
このように、用途や作業場面に合わせて選ぶと失敗はしにくいかなと思います。
ボルト・ナットのサイズに合わせて選ぶ
ボルトやナットのサイズがそれぞれあるように、ラチェットもそれに合わせて様々なサイズの工具があります。
このサイズを「二面幅寸法」と呼びます。
「二面幅」とは、6角や4角の対応する片の幅を指します。
この二面間の距離に合わせてサイズを選ぶようにするのが、ラチェットの選び方です。
「見ただけではサイズとかよく分からない」という方は、ボルトにサイズでどのラチェットを購入すればいいのか分かる資料があるので参考にしてみてください。
間違えやすい:ラチェット サイズ
足場や型枠大工さんがよく使うサイズは17×21のラチェットです。
よく間違えられやすいのが、「19×21」のサイズです。フォームタイ締め付けしようとしたらブカブカだっとかあります。
足場などのボルトによく使われるサイズが17×21の部分に当たるのでこのサイズが好まれるのですが、結局は締め付けるボルトやナットサイズに合わせて選ぶのが良いでしょう。
シノがついているものを選ぶ:番線を上手に縛る方法とは?
シノとは、足場組立で使用する番線を締める工具です。
シノはシノで、別の工具があるのですがラチェットにシノがついているので、いちいち工具を持ち替える必要がないので作業効率がアップします。
シノで番線を固定する作業は鳶としては基本です。手首の返し方が上手に縛る方法です。これはコツがあるんですよ。
つぎは、おススメのラチェットレンチを紹介していきたいと思います
鳶職人が選ぶべき 足場 ラチェットレンチ おすすめ
ラチェットレンチの有名なメーカーを5つほど紹介するとしたら、以下のメーカーが有名だといえます。
- TOP工業株式会社
- 深川製作所
- 株式会社マーベル
- 株式会社兼古製作所
- 東邦工機株式会社
今回は、有名なメーカー製品も含めておすすめのラチェットを紹介していきたいと思います。
鳶職人さんには定番のTOP工業(株)「鳶仕様ラチェットレンチ」
柄の先端部分がシノになっているので足場職人が番線を締める際には一石二鳥の活躍をしてくれる工具です。
特に組立によく使われるサイズ、17×21のサイズも取り揃えているので、これ一本あれば効率よく作業を進めることができるのではないかと思います。
用途に合わせて形状が変更できる「スーパーツール両口ラチェット」
作業場面によってなかなかラチェットが入らなくて苦労することがあるかと思います。
しかし、このラチェットは柄の部分を曲げることができるのでハンドルのようにまわしながら締めることができます。
余分な力を入れずに作業をすることができるのも嬉しい点だといえます。
小さくて小回りが利く「曲がりシノ付き両口ラチェットレンチ」
柄がショートタイプになっているので狭い場所でも作業を進めることができます。
シノもストレートではなく、力のかかりやすい「曲がりシノ」となっているので硬い番線もしっかり締めることができます。
軽くて丈夫な素材を採用!「アルミショートラチェットレンチ」
工具の素材にアルミを採用しているので、工具の重み負担がない上、アルミなので錆などにも強いことが特長です。
屋外作業の多い足場職人にとってはいい点ではないかと思います。
スライドリングで持ち手楽々「スライドリング付両口ラチェット」
柄の部分に「スライドリング」がついているので、落下防止としての機能を果たしてくれます。
また、リングがスライドするので、作業時も邪魔にならないのでストレスフリーで進めることができます。
レトロな色合いが特長な「ホールディングラチェットレンチ」
ブロンズカラーになっているので持っているだけでも高級感のある感じがしますね。
滑り止め加工がされているので、手袋をはめても抜けることなく作業をすることができます。
曲がりシノがついているので、番線しめにも対応できるのもいい点ではないかと思います。
ラチェットは鳶・土工では必須ですがあくまで基本
このラチェットは足場組立の基本ですが、この先には作業主任者の受講を行い技能講習を多く取得して技能者として更にレベルアップすることが重要です。
この記事では、足場組立作業主任者という資格について解説していきたいと思います。また、その技能講習の内容と足場組立に関する特別教育の内容についても合わせて解説していきたいと思います。足場組立作業主任者ってどんな資格なんだろう[…]
まとめ
今回は、ラチェットレンチについて解説していきました。
まとめますと、
- ラチェットレンチとは、ボルトやナットの締め付け/取り外しを連続回転で行う工具
- ラチェットレンチを使うと、スパナよりも早く作業を進めることができるので作業効率がアップする
- シノがついているタイプが主流となっている
- 用途やボルトサイズによって工具の種類が違うことに注意する
- 足場や型枠大工が使用するサイズは、「17×21」となる
ですね。
今でこそ、電動タイプのラチェットレンチなど出回っていますが、自動による締め付けすぎが心配なために、まだまだこうした手動で行うタイプのものを好む方が多くいることも事実です。
長年の経験で様々な工具に出会ってきたかと思いますが、ここで今一度自分の工具を見つめなおしてメンテナンスするのも面白いかなと思います。
是非、日々使用する工具に目をむけてみてはいかがでしょうか。