舗装工事の種類(アスファルト舗装)
舗装工事といっても様々な工法がありますが、今回は主流となっているアスファルト舗装工事について解説していきます。
そのアスファルト舗装工事の種類は以下の通りになります。
改質アスファルト混合物(改質Ⅰ型・Ⅱ型)
改質アスファルト混合物とは、ゴムや熱可塑性エラストマーを複数使用したり単独で使用するなど行い、それらをアスファルトに加えて舗装を行う工法です。
ポリマーの添加量によってⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型・Ⅲ型-W・Ⅲ型WF…と他にもありますが、交通量・道路の形状などに合わせて使い分けをします。
主に、市街地の道路や高速道路で使用される工法になります。
耐キャタアスコン
改質アスファルトにより強化した特殊なギャップ型アスファルト混合物の隙間にセメントを散布し、荷重・衝撃を強くした工法です。
主に、重機が走る資材置き場などに用いられます。
急速舗装改修修繕法(QRP工法)
加熱型アスファルトを使用することで、一回の敷き均しで舗装を行う工法です。
大幅な工事時間短縮が見込めるため、交通量の多い道路などで用いられることが多いです。
ロールドアスファルト
ギャップ粒度のアスファルト混合物にアスファルトで被覆した単粒砕石を散布し転圧する工法です。
スベリ止め、耐ひび割れなどの耐久性に優れているので積雪寒冷地域や山岳部で使用されることが多い工事です。
半たわみ性舗装
アスファルトのたわみ性とコンクリートの剛性を併せた工法です。
隙間の多いアスファルトの間に浸透用セメントミルクを散布することで、耐流動性・明色性、耐油性などの効果をもたらします。
主に、景観が求められるバスターミナルや料金所付近、ガソリンスタンドや工場などといった耐油性を求められる場所で使用される工法です。
スベリ止め舗装
ギャップ粒程度の割合が多いアスファルト混合物を使用して舗装を行う工法です。
坂道・踏切付近・交差点付近で使用されることが多い工法です。
透水性舗装とは?
透水性舗装とは、雨水が路面に滞水することなく、舗装内部に浸透し地中に還元する機能を持った舗装です。
水をそのまま地下に浸透させるため、豪雨時などに起こる下水や河川の氾濫の防止や、植生・地中生態の改善等の効果があります。透水性舗装は主に歩道、駐車場や公園等で利用します。
弱点は、降雨時に路盤が洗掘され強度が保てなくなる恐れがあることです。
そのため、幹線道路等の車道では基本的には使用しません。
排水性舗装とは?
排水性舗装とは、高機能舗装とも言われる工法の一つです。
粒度の粗い特殊な舗装材を表面に使用し、雨水が路面を流れることなく舗装内部に浸透し、路肩の排水施設に導くというものです。
透水性と排水性には次のような利点があります。
- 車両走行による騒音の低減
- 雨天時のハイドロプレーニング現象の抑制
- すべり摩擦の改善(走行安全性の向上)
- 走行車両による水しぶき(スモーキング)の緩和
- 沿道への水はねの緩和
- 雨天夜間時におけるヘッドライトによる路面反射の緩和
- 蓄熱性が小さく、ヒートアイランド現象を抑制する
他にも舗装工事には様々な工法がありますが、ざっくりと解説するとこのような工法になります。
舗装工事の役割・必要性
では、どうして舗装工事を行わなければならないのか解説していきます。
舗装工事を行う目的は、人や車が安全に通行できるように道路などの地盤を整える工事です。
舗装工事は下水管・水道管・電話線などの地下埋設するだけでなく、街の景観を保つ役割も果たします。
そういった利点を考えると、舗装工事を行うのには私たちの生活には欠かせない工事といえます。
補足:子供にもわかりやすい舗装の仕組みと工事方法紹介
株式会社NIPPOでは、子供向けに解説した舗装工事の施工方法を学べるサイトが設けられています。
とても分かりやすく解説しており、クイズ形式になっているため、しっかりと知識を定着させることができます。
是非、舗装工事の方法を知ったら、クイズに挑戦してみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回は、道路を舗装する方法とその作業ポイントを解説していきました。
まとめますと、
- 舗装工事で主流となっているのは、アスファルト舗装工事
- 舗装工事には資格は特に必要ないが、土木施工管理技士・車両系建設機械の資格は取得しておくべき
- 舗装工事は、路床工事→路盤工事(下層)→路盤工事(上層)→基層工事→表層工事といった順に行っていく
ですね。
道路舗装の工事は、工程数が多く、様々な知識や経験を必要とする工事です。
土木職人としては是非マスターしたい工事でもあるので、是非舗装工事を行うときは実践してみてください。
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