木造建築物の組立て等作業主任者ってどんな資格?仕事内容から資格に取得方法まで徹底解説!

2021年7月13日安全教育,特別教育・技能講習,資格講習特別教育・技能講習

この記事では、木造建築の現場監督するのに必要な「木造建築物の組立て等作業主任者」という資格について解説していきたいと思います。

大工さんや宮大工など、木造建築に関わる現場では必須の資格になります。

木造建築といえば最近では、隈研吾さんが設計した木造の国立競技場が結構話題になりましたよね。

最近の建築業界は、木質化建築構造物がブームとなっています。

さてとそれでは、今後、ますます注目される木造建築現場で必要な木造建築物の組立て等作業者という資格について解説していきたいと思います。

木造建築物の組立て等作業主任者とは?

木造建築物の組立て等作業主任者(もくぞうけんちくぶつのくみたてとうさぎょうしゅにんしゃ)は、労働安全衛生法に定められた作業主任者(国家資格)のひとつであり、木造建築物の組立て等作業主任者技能講習を修了した者の中から事業者により選任される。

また、主任者となるための技能講習を修了した者すなわち資格取得者のこと、あるいは資格そのものを指すこともある。

引用:ウィキペディア

つまり、木造建築物の組立て等作業主任者技能講習を受けた方が作業主任者(作業リーダー)になれる資格、ということです。

この技能講習については後ほど解説していきたいと思います。

木造建築物の組立て等作業主任者が活躍できる「木質化ブーム」

先述したように、東京オリンピックの会場である隈研吾さんが設計した国立競技場以外にも、ここ最近の建築業界では様々な木造建築の設計に注目している企業が数多くあります。

木材の高騰が今後予想されるかも

竹中工務店の高層建築建築物の木造化計画

建築業界大手である竹中工務店では、高層建築物の木造化計画を推進する動きが注目されています。

この計画では、

  • ゼロエネルギービル・カーボンニュートラル都市の実現
  • 従来の森林サイクルの概念を含んだ、インフラ整備を通じて実現する森林資源と地域社会の持続可能な好循環「森林グランドサイクル」の実現
  • 耐火集成材「燃エンウッド」の利用
  • (燃エンウッド…燃え代層、燃え止まり層からなる耐火被覆層で1000℃の火災環境でも燃えないで、建物を支え続ける耐火集成材)

など、昨今のSDGs/ESG投資に対する企業活動の注目、中階層木造建築が世界的に注目されていることから参入している企業に対抗するべく、こうした計画が推進されているようです。

大林組、日本初の高層純木造耐火建築物の建設に着手

いろいろな背策はわかるけど、、横文字のカタカナの用語ばかり増えて、日本語でもう少しわかりやすくならないのかな?

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、大林組グループの持続的な成長に向けた次世代型研修施設として、日本初かつ世界的にも類を見ない、構造部材(柱・梁・床・壁)すべてを木材とした、高層純木造耐火建築物の建設に着手しました。

引用:大林組、日本初の高層純木造耐火建築物の建設に着手

大林組では、独自開発された構造部材を使い、高層木造建築工事に着手したとの発表がありました。

主な内容は以下の通りです。

  • 木質化された空間がもたらすリラクゼーション効果や調湿効果を提供
  • 風、光、香りなど自然を取り込むデザインや技術が、利用者の健康と快適性を高め、研修効果の向上を図る
  • 自社開発したスマートビルマネジメントシステム「WellnessBOX」と利用者のバイタルデータとを関連付け、バイタルデータに基づく快適な研修・宿泊環境を提供する計画を推進
  • 省CO2だけでなくCO2固定化の観点から純木造とし、かつ現場での施工の容易性を確保しつつ、新たに柱と梁を一体化する「金物を使わない剛接合仕口ユニット」を開発

といった施工方法で工事に着手するということです。

木材なのでどのように固定するのか?昔の大工みたいにホゾを切って継ぎ手をするのとは違うんですよ。

「金物を使わない剛接合仕口ユニット」とは?

接合部にGIR工法(※1)や貫(ぬき)のめり込み強度を高めた新開発の超厚物合板などの技術を組み合わせることで高剛性、高耐性、高靭性を併せ持ち、さらにあらかじめ工場でユニット化することにより高い施工性も実現する工法です。

※GIR工法…接合ロッドと接着剤を併用し木材を接合する方法

引用:大林組、日本初の高層純木造耐火建築物の建設に着手

重量鳶の仕事になるが、玉掛も難しそうだぁ・・クランプ吊り出来るのかなぁ

昨今、中高層の建築物を完全木造にするには、梁や柱部分の接合部を高耐久・高耐力にしなければならないという課題があり、中高層の建築物を完全木造にすることは困難とされていきました。

しかし、この大林組が自社開発した「金物を使わない剛接合仕口ユニット」では、接合部分も木材を利用することを可能としました。

今後、このように木造建築の開発が進み、他社でも純木造建築が続々と着手されるようになればますます木造建築現場の注目度が高まることでしょう。

そうした動きに合わせて、今回紹解説していく「木造建築物の組立て等作業主任者」という資格もますます需要が高まっていく資格になる可能性があるので是非取得しておくとよいのではないかと思います。

木造建築物の組立て等作業主任者の仕事

では、実際木造建築物の組立て等作業主任者のお仕事はどういったことをするのでしょうか。

木造組立作業主任者はどんな仕事を行うかと言いますと

木造建築物の組み立て、取り付け

木造建築物の組立て等作業主任者は、当然その資格から木造建築物の組立て、取り付けといった作業を行います。

また、そうした作業だけではなく作業に必要な工具・器具の点検、使用状況にチェック・安全に施工するための作業監督など多岐に渡ります。

この作業主任者には解体は資格内容に含まれる?

大まかにいえば、この資格を取得しておくことで解体工事にも従事することができますが、特に作業主任者の選任に関して明記がないので、解体を行う場合には、下記の資格と許可を確認してください

解体工事を行う場合は事業者(会社)が、「解体工事登録」もしくは「建築営業許可」が必要となります。

解体工事登録を受けるには、以下の指定した資格を保有している人を選任することで受けられるようになります。

  • 1級/2級建築士
  • 1級/2級建築機械施工技士
  • 1級/2級土木施工管理技士
  • 1級/2級建築施工管理技士
  • 1級/2級とび・とび工
  • 解体施工技士

また、他にも重機を扱う資格や作業主任者資格を保有していることで解体工事を実施することができるようになります。

しかし、上記の指定された資格には木造建築物の組立て等作業主任者は含まれていません。

つまり、事業者が登録する際の資格ではないですが、実際に解体工事に従事する場合は資格として保有しておく必要があるということです。

そのため、木造建築物の組立て等作業主任者の資格を取得しておくと、事業者が解体工事登録もしくは建築営業許可をうけていれば、解体工事の作業も請け負うことができます。

木造建築で施工するには、下記の資格や道具の知識をちゃんと把握しておくと職長・作業主任者として活躍出来ます

補足:木造建築現場で使用する道具

ここで、木造建築現場で使用する主な道具について解説していきます。

「マキタ」と「hikkoki」の充電式電動工具

木造建築現場では、狭い場所での作業をすることが多く、体に負担がかかる体勢で作業をすることが多い現場です。

そのため、コード付きの電動工具では作業がしづらいということから最近注目されている充電式の電動工具を紹介しています。

最近の充電式はコードタイプとあまりパワーの差が無くなってきているものも多くあり、使い勝手の良い製品がありますので、是非チェックしてみてください。

携帯丸ノコ

後程紹介しますが、こうした電動のこぎりはキックバックを起こしたり、多くの事故が多発している危険な電動工具でもあります。

そのため、各企業ではこうしたキックバックを防ぐ安全装置が開発され、キックバックを起こしやすい状況を未然に防いでくれます。

是非、最新の携帯丸ノコを紹介しているのでどんな道具があるのかチェックしてみてください。

スライド丸ノコ

先述したように、電動丸ノコはキックバックといったケガをしてしまう現象が度々あります。

そこで、様々な企業では静音設計された製品が多くあり、作業効率や快適性を高めた工具が多くあります。

もちろん、充電式のものもありますので是非どんな工具があるのかチェックしてみてください。

フルハーネス

木造建築物は時によってはとても高いところで作業をしなければならないときがあります。

高い場所に昇って作業をする場合は、フルハーネスを付けて作業をします。

急な落下事故が起こった場合も、安全ロックがついたものがあるなど最近のフルハーネスは日々進化しているものが多くあります。

木造建築物の組立て等作業主任者を必要とする条件

木造建築物の組立て等作業主任者を必要とする条件は以下の通りです。

選任しないとならない条件をちゃんと把握しておくのがポイントです

  • 軒高5メートル以上の木造建築物の構造部材の組立て
  • 軒高5メートル以上の木造建築物の屋根下地、外壁下地の取付けの作業

つまり、軒高が5メートル以上の木造建築現場においては、木造建築物の組立て等作業主任者を事業者が選任しなければならないということです。

木造建築物の組立て等作業主任者になるメリット

木造建築物の組立て等作業主任者になるメリットは一体どのようなことがあるのでしょうか。

建築キャリアアップシステムの評価が上がる

事業者は建築キャリアアップシステムの登録をしているところであれば、以下の建築キャリアアップシステムの評価が上がります。

こうした技能者認定ランクが上がると、給与・処遇が改善されるだけでなく、後々職人の中のトップである登録基幹技能者になることができます。

建築業に携わるのであれば、是非ランクをアップして自分の市場価値を上げるようにしていくと良いかと思います。

就職の幅が広がる

先述したように、昨今の建築業界は木質化のブームが台頭しています。

今までは、木造建築=住宅といったイメージが強かったものが、施工費用が莫大な中高層の建築物も木質化する動きが高まってきています。

そのため、こうした木造建築の専門的な知識を必要としている企業がますます増えてくると思うので、就職・転職できる幅が広がるのではないかと思います。

現場監督・指導者になれる

木造建築物の組立て等作業主任者の資格を取得すると現場管理責任者(作業指揮)に従事することができます。

厳密にいえば、現場監督になるには施工管理技士という資格も建築規模によっては必要になってくるのですが、木造建築物の組立て等作業主任者の資格だけでも現場監督になることができます。

木造建築物の組立て等作業主任者講習概要

では、木造建築物の組立て等作業主任者の資格講習の概要を解説していきます。

受講する講習名は「木造建築物の組立て等作業主任者技能講習」となります。

受講資格

受講資格は以下の通りです。

満18歳以上であることを条件に以下の1・2のどちらかの条件を満たしている方は受講することができます。

  1. 木造建築物の構造部材の組立て等の作業に3年以上従事した経験を有する者
  2. 大学、高等専門学校、高等学校において土木又は建築に関する学科を専攻し卒業した者で、その後2年以上構造部材の組立て等の作業に従事した経験を有する者(※2.の対象者は卒業証書(写)又は卒業証明書を添付すること)

受講内容

講習は2日間に渡って開かれます。

スケジュールに関しては、受講するときに必ず確認するようにしましょう。

受講内容は、以下の通りです。

  1.  木造建築物の構造部材の組み立て、屋根下地の取付等に関する知識(7時間)
  2. 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識(3時間)
  3.  作業者に対する教育等に関する知識(1時間30分)
  4. 関係法令(1時間30分)
  5. 修了考査

資格習得

最後の「修了考査」という修了試験で合格すると資格を取得することができます。

、作業従事者として働くことができるのは事業者が選任した場合に木造建築物の組立て等作業主任者として働くことができます。

まとめ

今回は、木造建築物の組立て等作業主任者と今後の建築業界を合わせて解説していきました。

まとめますと、

  • 木造建築物の組立て等作業主任者とは、労働安全衛生法に定められた作業主任者(国家資格)のひとつであり、木造建築物の組立て等作業主任者技能講習を修了した者の中から事業者により選任される
  • 最近の建築業界は木質化がブーム
  • 今後このブームが続くのであれば、木造建築物の組立て等作業主任者などの資格の需要が伸びるのでは?
  • 木造建築物の組立て等作業主任者の資格を取得しておくとキャリアアップシステムでの評価が上がるなどメリットがある

ですね。

他の業界でも、カーボンニュートラルやSDGsといった再生可能エネルギー投資がぐんぐん伸びてきています。

そうした波に乗るためにも、建築業界もこうした動きにシフトチェンジしつつあるのではないでしょうか。

また、今回紹介した木造建築物の組立て等作業主任者は土木・とび職に関わる方であれば受講しておきたい資格といえます。

ただ、実務経験が伴いますが、是非受講資格がある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。