この記事では、ボーリングマシンの運転に必要な特別教育の内容と、ボーリングマシンを運転するうえで必要な柱状図の見方について解説していきます。
ボーリングマシンの運転・助手作業をするのに必要な資格や特別教育を受けなければならないことを知っていますか?
実は、ボーリングマシンを運転するにはこの受講が必須です。
ボーリングマシンを運転するのに必要なのは運転だけではなく、ボーリング調査の方法も把握する必要があります。そこで、ボーリング運転者に必須のスキル「柱状図の見方」についても運転特別教育と合わせて解説していきます。
このブログを見て連絡してきた、練馬の新人保険屋さんの千尋(ちひろ)さん。
建設業の実態教えて欲しいと言われてブログを一緒にやることになりました。
ボーリングマシン特別教育 受講とその内容

まず、ボーリングマシン運転者とは、トンネルや井戸などを円柱状に穴をあける作業(ボーリング)をボーリングマシンを使って運転する人を指します。
ボーリングマシンを運転するには、安全衛生法に定められた特別教育を受講するよう定められています。
ボーリングマシンを運転するには、ただボーリング作業をすればいいわけではなく、その現場の状況に合わせて「ボーリング調査」を実施するスキルも求められる仕事です。
ボーリングマシンを運転するなら知っておきたいこと
先述したようにボーリングマシンを運転するだけでは運転者として務まりません。
ボーリングマシン運転者は、その現場ごとに地質を調査し作業をするスキル、ボーリング調査ができることが重要となってきます。
ボーリング調査とは?
そもそも、ボーリング調査とは何かについて解説していきます。
ボーリング調査とは、地面に穴を掘り進みながら地盤の性質(強さ)を調べる調査方法です。
一般的には、1m掘り進む毎に標準貫入試験という地盤の強さを調べる試験を行います。
この試験を行うことにより、地盤の強さを表す値であるN値を測定すると同時に、土そのものを採取することができます。
採取された土の性質をよりくわしく調べたい場合は、JIS規格などで定められた方法で室内土質試験を実施する場合もあります。
松山地下開発株式会社『ボーリング調査とは?スウェーデン式サンディング試験の違いは?』
敷地のボーリング調査の目的

建物などの構造物を作るとき、構造物のすぐ下に軟らかい地層があった場合、構造物の重みに地盤が耐えきれず、構造物が沈んだり歪みが発生したりしてしまいます。
そのような事態にならないよう、構造物を作る前にボーリング調査などの地質調査を行うことで、あらかじめ建物の重みに耐えられる地盤(支持層)を見つけておくことができます。
松山地下開発株式会社『ボーリング調査とは?スウェーデン式サンディング試験の違いは?』
ボーリング調査は主に中~大規模の建築構造物を建設するときに用いられます。
このように安全に建築するためには、ボーリング調査は欠かせない大事な仕事というわけです。
柱状図の見方 土質で一番重要な知識

次に、ボーリング調査で必要な「柱状図」の見方について解説していきます。
こちらの図を見ながら解説していきます。
以下は、用語の解説になります。
① 標尺(m):基準となる長さを 1m 単位の主目盛と 10cm 単位の補助目盛で表示しています。
東京都 土木技術支援・人材育成センター
② 層厚(m):各層の厚さを示しています。
③ 深度(m):地表面からの深さを表しています。
④ 柱状図:土の種類を記号で表現したものです。
⑤ 土質区分:土の種類を名称で表現したものです。
(柱状図の図柄と土質区分名称については、土質分類記号と補助記号を参照してください。)
⑥ 色調:調査が行われた時の土の色を表現したものです。
⑦ 開始深度(m):N 値の測定を開始した深さを表しています。
⑧ 打撃回数:N 値と呼ばれるもので、63.5kg のおもりを 75cm の高さから落下させた時の回数で表します。一般に地盤の強さを表す指標とされるものです。
⑨ 貫入量(cm):⑧の打撃回数で貫入した深さを表すものです。通常、試験はロッドが 30cm 貫入するまで行います。ただし、地盤によって、数回で 30cm 以上貫入する場合もあれば、50 回以上の打撃を行っても 30cm 未満の場合もあります。
⑩ N 値:打撃回数をグラフ化したものです。最大値は 50 回で、50 回を超えるものを→で表示しています。
また、隣に地質ごとに色分けされた表があり、一目でどんな地質でどのくらいの硬さなのかが硬さ順に上から並べられています。
記号ごとに地質が分かれているので一目で把握することができるようになっています。
このようにボーリング調査では様々な側面から地質を調査することで安全な基礎を作るもとになっているということが分かります。
次に、この特別教育の講習内容を詳しくまとめていきたいと思いますので、是非チェックしてみてください。
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