この記事では、現役の現場監督である筆者がおすすめするアシックスの安全靴を、建設業で働く方に向けて紹介していきたいと思います。
また、安全靴を選ぶ際のポイントや、安全靴を何のために履く必要があるのかも合わせて解説していきたいと思います。
安全靴といえば恐らく皆さんも
安全靴って鉄板が入ってるからダサいしあんまり履きたくないんだよなあ…と、安全靴を履くこと自体を渋っている方がいるのではないかと思います。
ですが、最近の安全靴は鉄板ではなく合成樹脂を使っているので、軽量化にも優れていたり、耐久性もアップしているものもあります。
そのため、安全靴=履き心地の悪いイメージを払拭した、デザイン性のある高機能な安全靴が続々と販売されています。
そこで、今回は特に機能性に優れたメーカー、「アシックス」から販売されている安全靴を紹介していきたいと思います。
前提:安全靴は履かなければならない?保護具の必要性

安全靴とはどういったことかを解説する前に、なぜ安全靴を履かなければならないのかを解説していきます。
なぜ安全靴を履かなければいけないのは、法律によって義務付けられているということが前提としてあります。
以前の安全靴は正直、ダサイくて重くて履きたくないような靴でしたが、この後紹介しますが今の安全靴は・・・スゴイ!
さて労働安全衛生法では、
事業者は、作業中の労働者に、通路等の構造又は当該作業の状況に応じて、安全靴その他適当な履物を定め、当該履物を使用させなければならない
と定められています。
そのため、安全靴を履かないまま作業させて事故がおこると、事業者は法律違反となり、最悪の場合は業務停止といった処分を下される可能性があるので、事業者は労働者に必ず安全靴を履かせるよう義務付けされています。
企業によっては支給されるところもありますが、自己負担で購入しなければならない事業所もあります。
ケガなどの事故から足を守る保護具の必要性
安全靴を履く目的は、法律によって定められているからだけでなく、自分自身の足を守る目的で履いておくべきだといえます。
現場によっては、重たい材料を運んだり、ケガのしやすい材料や工具があるところもあります。
そうした現場にある危険から身を守るためにも、履くようにしましょう。
安全靴とは?普通の靴と違う保護具の必要性
安全靴とは、日本産業規格(JIS)で定められた規格をクリアした靴を指し、その定義は
主として着用者のつま先を先しんによって防護し,滑り止めを備える靴
(引用:ウィキペディア)
と、定められています。
そのため、JISによって定められている材料・製法・構造などをクリアしているものでなければ安全靴として販売することができないとされています。
その、材料・製法・構造については以下の通りです。
保護性能による区分
- 安全靴(P):先しんが装着されており、甲被及び表底の材料がJIS T 8101(安全靴の基準)を満足するもの
- 保護靴(O):先しんが装着されており、甲被及び表底の材料がJIS T 8103(静電気帯電防止靴)の一定の材料及び材料性能を満足するもの
- 作業靴(W):先しんが装着されておらず、甲被及び表底の材料がJIS T 8103(静電気帯電防止靴)の一定の材料及び材料性能を満足するもの
甲皮による種類
- 革製:天然の牛革をクロム等でなめしたもの。革の厚さや性能についても基準がある
- 総ゴム製:耐油性のあるものとないものがある。ゴムの厚さや性能についても基準がある漏れ防止性の試験をクリアしなければならない
- それ以外:2010年のJIS規格改定により、プラスチック、ビニールレザー、人工皮革、布又は合成樹脂引布を甲皮に使用することが認められたが、これらを用いた靴は「安全靴」ではなく「作業靴」「保護靴」として規定される
作業区分による種類(記号)
- 重作業用(H):先芯の耐衝撃性能100J・耐圧迫性能15kN、表底のはく離抵抗300N以上あるもの
- 普通作業用(S):先芯の耐衝撃性能70J・耐圧迫性能10kN、表底のはく離抵抗300N以上あるもの
- 軽作業用(L):先芯の耐衝撃性能30J・耐圧迫性能4.5kN、表底のはく離抵抗250N以上あるもの
付加的性能(記号)
- 耐踏抜き性能(P):くぎの貫通時の力1,100N以上あるもの
- かかと部の衝撃エネルギー吸収性(E):衝撃エネルギー吸収性20J以上あるもの
- 耐滑性(F):靴底の動摩擦計数0.20以上あるもの
- 足甲プロテクタの耐衝撃性(M):足甲部への衝撃を緩和する性能を有するもの
これら種類と付加的性能については、安全靴あるいは箱に表示されている。
- 例1.安全靴 革製S・・・革製の普通作業用安全靴
- 例2.安全靴 革製SP・・耐踏抜き性能を持った、革製の普通作業用安全靴
表底の種類
表底は滑り止め効果のある形状をしており、ゴム、発泡ポリウレタンまたはそれらの重層組み合わせの構造とし、一定の物理的性能を持つことが定められている。
また、最薄部の厚さも定められている。
- 安全靴:耐油性ゴム、発泡ポリウレタン、それらの複合底であること
- 保護靴・作業靴:耐油性ゴム、発泡ポリウレタンに加え、プラスチック、発泡プラスチックの使用が認められている
(引用:ウィキペディア)
JSAA規格でも安全靴認定されている
最近では、軽作業に特化した先芯(つま先を保護する)の安全靴「プロクティブスニーカー」と呼ばれるものが国内外問わず出回るようになっていきました。
そのため、JIS規格には満たさないものの安全靴として使用・販売できるように、日本プロテクティブスニーカ協会(JPSA)は「JSAA」規格という、JIS規格と同等の基準を設けました。
基準としては、以下の通りです。
- 普通作業用(A種):先芯の耐衝撃性能・耐圧迫性能、踵部の衝撃吸収性能について、安全靴S種と同等
- 軽作業用(B種):先芯の耐衝撃性能・耐圧迫性能、踵部の衝撃吸収性能について、安全靴L種と同等
ただし、軽作業用では活用できる安全靴なので、建設業・製造業・鉱業など足への危険がある現場では使用できないことが多いです。
JSAA規格の安全靴を使えるかは、企業や現場のルールを確認するなどして使用するか決めるようにしましょう。
安全靴を選ぶときの保護具の必要性ポイント
安全靴を選ぶ際は、先述したJIS規格やJSAA規格と表記されたものを選ぶことを前提に、選ぶポイントを解説していきます。
現場のルールに沿った保護具の必要性
担当している作業、職種、現場・事業所によって定められている安全靴が違う場合があります。
特に定められていないところもあるかと思いますが、購入する前にしっかり確認しておくようにしましょう。
通気性・耐久性・耐油性・帯電性などの付加機能があるか
JIS・JSAA規格の中でも、それに付随したそれぞれの付加機能が設計されています。
通気性のあるもの、溶接作業では燃えにくい本革であるもの、などその作業に合った機能がついたものを選ぶとより安全性の面においてもプラスになるのではないかといえます。
重みや堅さといった履き心地はどうか
安全「靴」なので、一人ひとり履き心地を感じる度合いが違います。
そのため、実際に履けるのであれば、履き心地を試して、重みや動きやすさなどを体感して選ぶと失敗しにくいのではないかと思います。
アシックス安全靴にはかっこいい
アシックスはスポーツメーカーでも有名ですが、現在は安全靴の販売もしています。

建設現場では、地下足袋のように足首をきつく締める人もいます。
一方、作業の体制上、しゃがむことが多い作業では足首を緩めて作業されている方もいます。
作業体勢によって使う安全靴の種類や靴の種類も変わってくるため、安全靴を「なんとなくのサイズ感」で購入しても、作業によっては合わない場合もあります。
しかし、アシックスの安全靴は常に自分に合ったフィッティングが調整できる安全靴になっています。
その仕組みがBOAフィットシステムになります。
安全靴についたダイヤルを押し込み回すことで、自分に合ったフィッティングを追求できるようになっています。
アシックスのCPシリーズは100番台から700番台までの作業に応じた安全靴の種類があります。
CPシリーズの100番台は人口人工皮革とメッシュ素材の組み合わせになっており、建設現場や製造業では200番台がメッシュ素材素材の安全靴などは人気です。
さらに強い安全靴の耐久性がある300番台になると人工皮革がメインのかっこいい安全靴になります。
東京都:内装現場監督(35歳)
今までの安全靴よりカッコイイのが特徴ホームセンターに売ってたのを見てネットで調べたら限定色もあって今は愛用してます
東京都:躯体工事(45歳)
置き場での加工や平場のでの作業ではいつも愛用してます。足に馴染みやすいので本当に使いやすいです
次に、そんなアシックスからおすすめの安全靴を紹介していきます。次のページで人気の安全靴をチェックしてみてください。
アシックス安全靴OAフィットシステムを採用したハイカットモデル
アシックスの作業用シューズには、中足部を包み込んでフィットするBOA® PerformFit™ Wrapが採用され、ホールド性、ソールとの一体感、前足部の自由度が向上しています。
さらに、サイドマウントダイヤルにより、BOAレースがしっかりと締まり、フィット性が向上しています。足を屈曲させる際の甲へのあたりも軽減され、スムーズな屈曲性を実現しています。
このシューズはJSAA規格A種認定品であり、軽量なガラス繊維強化樹脂の先芯を使用しています。さらに、靴底の意匠とラバー配合を工夫し、優れたグリップ性を追求しています。BOA®フィットシステムは微調節可能な精密フィットを提供し、過酷な条件下でもパフォーマンスを発揮します。
靴底のかかと部には、衝撃緩衝材「GEL(ゲル)」を搭載し、クッション性を高めています。さらに、軽量性・クッション性に優れたFLYTEFORMの採用や、足のアーチを支えるSRB中敷の採用により、足への負担を軽減します。この作業用シューズは、油で劣化しにくい耐油性ラバーを使用しており、安全かつ快適な作業環境を提供します。
アシックス安全靴はかっこよく使いやすいモデルもある
機能性とデザイン性を兼ね備えたシューズが注目を集めています。足首まわりの後部をさげ、くるぶしを保護しつつ、脱ぎ履きしやすい構造は、様々なワーカーのスタイルにマッチし、快適な履き心地を実現しています。
さらに、かかと部にはアシックスのスポーツシューズにも採用されている衝撃緩衝材「GEL(ゲル)」を搭載し、歩行時のクッション性を高めています。
また、立体形状のSRB中敷を採用することで、足のアーチを支え、かかとの内側への倒れ込みを抑えることで、足への負担を軽減しています。
さらに、耐油性ラバーを使用することで劣化しにくく、耐久性も向上しています。これらの機能性に加え、Made in Vietnamであることや素材などの詳細も明記されており、幅広いユーザーに適したシューズと言えるでしょう。
まとめ
今回は、最新モデルの安全靴と、安全靴の規格と必要性について解説していきました。
今までダサイと思ってた安全靴のイメージが大きく変わった方もいるのではないかと思います。
アシックスの安全靴は「BOAシステム」という安全靴についたダイヤルを押し込み、回す設計により足首に合わせた自由な調整をすることが可能となっています。
そのため、今回紹介したアシックスの安全靴のような自分にあったフィッティングができる靴は、今までの安全靴の履きにくさを払拭してくれる、大きな変革だといえます。
運動靴でも使われているアシックスの商品だけでまとめてみましたが、バラエティに飛んでおり今後も建設現場ではこのように新しい安全靴が出てくると思いますので、引き続きまとめていきたいと思います。