一級建築施工管理技士を目指す皆様、こんにちは。本記事では、「シーリング・塗料」という建築材料に焦点を当て、学科試験(第一次検定)において頻繁に登場するキーワードについて詳しく解説いたします。このテーマは合格に欠かせない重要なポイントでありながら、受験生にとっては難関とも言える分野かもしれません。筆者自身も一級建築施工管理技士の資格を取得しましたが、この分野の理解に苦労した経験があります。本記事では、キーワードの攻略方法や類似問題への対策を中心に、合格へのサポートを提供いたします。皆様とともに難関を乗り越え、一歩ずつ合格への道を歩んでいきましょう!
1級建築施工管理技士過去問類似問題5問にチャレンジ
【第1問:シーリング材の用語】
シーリング材の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 「モジュラス」とは、シーリング材の引張応力のことで、一定の伸びを与えたときに生じる応力をいう。
- 「クレージング」とは、シーリング材の表面に発生する亀甲状の細かいひび割れをいう。
- 「低モジュラス(LM)」のシーリング材は、高モジュラスのものに比べて硬く、伸びにくい特性を持つ。
- 「ワーキングジョイント」において、目地底の動きを拘束しないためにボンドブレーカーを用いて2面接着とする。
【第2問:JIS分類と用途】
JIS A 5758に基づくシーリング材の分類に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- タイプG(Glazing)は、主にガラス周りの目地に用いられる。
- タイプF(Facade)は、主に建築物の外壁目地(コンクリートやALCパネル等)に用いられる。
- 耐久性区分(クラス)の数値が大きいほど、目地のムーブメントに対する追従性が低いことを示す。
- シリコーン系シーリング材は、耐候性、耐熱性、耐寒性に優れるため、ガラス周りなどに広く用いられる。
【第3問:シーリング材の構成と特徴】
シーリング材の種類と性質に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1成分形シーリング材は、あらかじめ施工に供する状態に調製されており、そのまま使用できる。
- 2成分形シーリング材は、施工直前に主剤と硬化剤を練り混ぜて使用する。
- 不定形シーリング材とは、施工時にペースト状であり、目地形状に合わせて充填するものをいう。
- ワーキングジョイントにおいて、目地底への接着を避ける理由は、シーリング材の耐久性を向上させ、剥離を防ぐためである。
【第4問:塗料の硬化機構と特徴】
塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 合成樹脂エマルションペイントは、水が蒸発し、樹脂粒子が融合して塗膜を形成する。
- 合成樹脂調合ペイントは、溶剤の蒸発と、空気中の酸素による酸化重合によって硬化する。
- 塩化ビニル樹脂エナメルは、合成樹脂エマルションペイントに比べて耐水性が弱い。
- フタル酸樹脂エナメルは、光沢が良く、耐候性や平滑性に優れている。
【第5問:塗料の種類と性質】
塗料の性質に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 合成樹脂エマルションペイントは、水性のため火災の危険が少なく、臭気も比較的少ない。
- 塩化ビニル樹脂エナメルは、常温で短時間に乾燥し、揮発乾燥型に分類される。
- 合成樹脂調合ペイントは、隠蔽力(下地を隠す力)や光沢が良いのが特徴である。
- フタル酸樹脂エナメルは、アルカリ性に強いため、コンクリートやモルタル面に直接塗るのに適している。
1級建築施工管理技士過去問【解答と解説】
- 第1問:3
- 解説:低モジュラス(LM)は、「柔らかく、伸びやすい」のが正解です。「硬く、伸びにくい」のは高モジュラスです。
- 第2問:3
- 解説:クラスの数値が大きいほど、許容されるムーブメント(動き)が大きく、追従性が高いことを示します。
- 第3問:4
- 解説:「耐久性を向上させ、剥離を防ぐ」ためというのは一見正解に見えますが、2面接着の目的は「シーリング材に無理な力がかからないようにし、破断(切れること)を防ぐ」ためです。
- 第4問:3
- 解説:塩化ビニル樹脂エナメルは、エマルションペイントよりも耐水性が強いのが特徴です。
- 第5問:4
- 解説:フタル酸樹脂塗料は、油成分が含まれているためアルカリ性に弱いです。そのため、アルカリ性の強いコンクリートやモルタル面に直接塗るのは適していません。
1級建築施工管理技士マンガで説明出題頻度の高いポイントと解説
1. 塗料(ペイント・エナメル)のポイント

塗料は「どうやって固まるか」と「どこが優れているか」がセットで出ます。
| 塗料名 | 覚え方キーワード(試験に出る!) |
|---|---|
| 合成樹脂エマルションペイント | 水が蒸発して粒子がくっつく(融合)。水性なので臭いが少ない。 |
| 合成樹脂調合ペイント | 溶剤蒸発 + 「酸化重合」で固まる。光沢・隠蔽力・耐候性が良い。 |
| 塩化ビニル樹脂エナメル | 常温で短時間に乾く。エマルションペイントより耐水性が強い。 |
| フタル酸樹脂エナメル | 耐候性と表面の平滑性(ツルツル感)が良い。 |
2. シーリング材のポイント
シーリングは「専門用語の意味」を正確に覚えるのが合格への近道です。

① 種類と性質
- シリコーン系:耐候性・耐熱性・耐寒性に優れた「万能選手」。
- 不定形シーリング材:施工時はペースト状(ベタベタの練り物)のもの。
- 1成分形:あらかじめ施工に供する状態に調製されているもの。
- 2成分形:現場で混ぜて使う。
② JIS分類と用語(ここが重要!)
- タイプ G:Glazing(グレイジング=ガラス周り)に使用。
- タイプ F:Facade(ファサード=ガラス以外、外壁など)に使用。
- クラス(数値):目地の動き(ムーブメント)にどれだけ耐えられるか。
- モジュラス:試験片に一定の伸びを与えたときの「引張応力」。
- LM:Low Modulus(低モジュラス=柔らかく伸びやすい)。
- 2面接着:ワーキングジョイント(動く目地)で、底に接着させない方法。
- クレージング:表面の「亀甲状の細かいひび割れ」(ひび割れの形がポイント)。
試験対策ひっかけパターンのまとめ
- ひっかけ1:タイプFを「ガラス用」と記述する。
- → ガラスはG(Glazing)のG。
- ひっかけ2:モジュラスを「最大まで伸びる長さ」と記述する。
- → 伸びではなく、その時の「応力(力)」のこと。
- ひっかけ3:エマルションペイントは酸化重合で固まると記述する。
- → 水の蒸発です。酸化重合は「調合ペイント(油性)」です。


