【No. 50】 労働者に支払う賃金に関する次の記述のうち、労働基準法令上、誤っているものはどれか。
(1) 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を明示して契約しなければならない。
(2) 使用者は、労働者が出産、疾病、災害など非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。
(3) 使用者は、出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。
(4) 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項を明示しなければならない。
一級土木施工管理技士過去問暗記ノート【無料解説】
【No. 50】 労働基準法:労働契約と賃金
正解:(1)
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはなりません(賠償予定の禁止)。「契約しなければならない」という記述は、法律と真逆であり誤りです。
解説
- (1) ×:あらかじめ「失敗したら〇万円払え」と決めることは禁止されています。実際の損害に対して請求することは可能ですが、事前に額を定める契約はできません。
- (2) 〇:非常時払(ひじょうじばらい)。出産や病気などの「非常の場合」は、給料日前であっても、すでに働いた分については支払わなければなりません。
- (3) 〇:出来高払制の保障給。歩合制であっても、労働時間に応じて一定額を支払う「保障給」を定める必要があります。
- (4) 〇:労働条件の明示。賃金の決定方法や支払時期などは、契約時に必ず「書面」等で明示しなければならない義務があります(昇給は書面でなくても可)。
💡 暗記ノート:試験に出る「絶対ダメ!」なルール
労働基準法は「労働者を守る」法律。以下のパターンを覚えましょう!
- 賠償予定の禁止:「ミスしたら罰金〇円」は絶対に契約NG。
- 強制貯金の禁止:会社が労働者にお金を強制的に貯金させるのは禁止。
- 前借金相殺の禁止:「貸した金があるから給料から引いておくぞ」という一方的な相殺は禁止。
- 賃金支払の5原則:通貨で、直接、全額、毎月1回以上、一定の期日に支払う。
出題難易度:★★☆☆☆(「賠償予定の禁止」は超頻出、確実に1点!)
一級土木施工管理技士マンガ解説【無料解説】

1. 「賠償予定の禁止」の本当の意味(選択肢1の深掘り)
試験で最も狙われるポイントです。
- ダメなこと: 「遅刻1回につき5,000円没収」「工期が遅れたら損害金として10万円支払う」といった具体的な金額をあらかじめ契約書に書くこと。
- OKなこと: 実際に労働者の重大な過失で重機を壊した場合などに、「起きた損害に対して、後から実費を請求すること」。
- 試験対策: 「あらかじめ金額を決める」というニュアンスがあれば、すべて労働基準法違反(×)です。
2. 「非常時払」の対象範囲(選択肢2の深掘り)
「給料日前だけど、働いた分だけ先にちょうだい!」と言える権利ですが、何でもOKではありません。
- 認められるケース: 出産、疾病(病気)、災害、結婚、死亡、やむを得ない事由による1週間以上の帰省。
- 認められないケース: 「遊びに行きたい」「車を買いたい」といった個人的な娯楽。
- 試験対策: 「既往(きおう)の労働」という言葉がキーワードです。「まだ働いていない分(前借)」ではなく、「すでに働いた分」であれば、支払期日前でも支払う義務があります。
3. 「出来高払制の保障給」の狙われどころ(選択肢3の深掘り)
建設現場で働く職人さんに多い「1平米塗ったら〇円」といった請負契約に対するルールです。
- なぜ必要か: 仕事が全くなかった日に「給料ゼロ」になると、労働者が生活できなくなるからです。
- 試験対策: 「労働時間に応じて」という言葉がセットで出てきます。「仕事の成果に応じて」ではなく「拘束された時間分は最低限保証しろ」という意味です。