この記事では、足場組立作業主任者という資格について解説していきたいと思います。
また、その技能講習の内容と足場組立に関する特別教育の内容についても合わせて解説していきたいと思います。
足場組立作業主任者ってどんな資格なんだろう?鳶職人や足場工事をする人が取る資格なのかな?
と、足場組立のイメージはなんとなく分かりますが、その資格についてはどのように取得をすればいいのかよく分からないかと思います。
また今回はこのブログを見て連絡してきた、「練馬の新人保険屋さんの千尋(ちひろ)さん」が「建設業の実態教えて欲しい」ということなので、これから一緒に建設業界の実態を見ていきたいと思います。
そこで、足場職人の親方を目指すなら取得しておきたい、足場組立作業主任者の資格について解説していきたいと思います。
このブログは他にもこのようなことがまとめてあります。合わせて気になる記事を確認してみてください。全体を確認するにはこちら
建設業で人気の「足場組立作業」ってどんなことするの?

足場の種類や組み立てにはいろいろなものがありますので、それぞれ解説していきたいと思います。
その足場を組み立てる種類によって、使う用途や使う部材も変わってきます。
足場を組立解体を行う際は、鳶職人の命を守るためにハーネスを装着して作業をします。
フルハーネスについては、特別教育を受講しておく必要があるので、気になる方は下の記事を見てみてください。
この記事では、フルハーネス特別教育の受講方法や装着場所での基準などを解説していきたいと思います。また、2022年以降のフルハーネスの装着基準や改正内容などについても合わせて解説していきたいと思います。安全帯に変わりフルハー[…]
足場の種類はこちら
足場の種類は、
- マンション等の高い場所で使う枠組み足場
- 住宅等の低層住宅で使用するクサビ足場
- 橋や橋梁等で使う吊り足場
等があります。
詳しくはこちらの足場組立特別教育の受講方法と作業主任者講習との違い現場での墜落転落災害を防ぐ方法とは?で記載してます
私が建設会社に入社したときには、足場組立の作業主任者技能講習しかなかったです。しかし、今は足場組立特別教育が定着してきましたね。墜落転落災害は建設業では多い労働災害になります。足場組立・解体工事はどこの現場でもほとんど施工が伴って[…]
以前は、足場を作る際、木材(丸太)を番線で縛る足場がたくさんありましたが、やはり丸太を鉄線で縛るため、強度が人によって違うことから現在は鉄製の鋼製足場がほとんどです。
現在主流となっている鋼製足場は、単管パイプやクランプを利用して建物の形状に合った形で組み立てていき、施工に応じて枠組みやクサビ式足場を組み立てていきます。
この記事では、足場や鉄骨などの組立に必ず使用される「ラチェットレンチ」について解説していきたいと思います。また、人気のラチェットをいくつかピックアップして紹介していきたいと思います。普段から足場や鉄骨を組み立てる作業に関わ[…]
足場組立:倒壊事故はあるの?
足場組立は、その組立がしっかりできていないと台風等で足場が崩壊するケースもあります。
建設業では足場からの墜落転落による労働災害や死亡災害が起きたニュースを見ることがあるのではないかと思います。
下の記事では、足場が倒壊したことで大規模な労働災害が起きたニュースを解説しています。
足場を組み立てる上で気を付けるべきポイントなども解説しているので、是非読んでみてください。
この記事では、2021年3月2日(火)22時20分頃に発生した新築工事における足場の倒壊事故についてまとめてみました。個人的な主観が一部ありますがなぜ線路側に足場が崩れたのか自分なりにまとめてみました。この投稿に記載してる[…]
このような災害を起こさないためにも、適切な足場の組み方や作業の方法を知らないといけません。
そのため、次に紹介する足場の資格を取得する必要があるのです。
足場組立作業主任者:技能講習資格取得について

つり足場(ゴンドラのつり足場を除く)、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行うには、事業主は足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者を作業主任者としはて選任し、その者の指揮のもとに作業を行わせなければなりません。
ここで重要となるポイントは、5メートル以上の足場の高さの場合には専門の人を設けないとならない、ということです。
足場の組立て等作業主任者の資格を取得するには学科の講習を受けることが必要になります。その講習には決められた時間があり計2日で行われます。最後にはテストもあります。
詳しくは次に解説していきます。
足場作業主任者の受講内容について
- 作業方法に関する知識7時間
- 工事用の設備や機械器具、作業環境等に関する知識3時間
- 作業者に対する教育等に関する知識1.5時間
- 関係法令1.5時間
- 最後に学科試験確認テストが1時間あります。
保有する資格によっては一部講習の時間の免除もあります。
受講資格は、鳶技能士や職業訓練指導員の免許を保有している人が対象の人は受講が緩和されますが、ほとんどの人は以下の条件に当てはまるかと思います。
- 満21歳以上で、足場作業に3年以上従事した経験を有する者
- 満20歳以上で、大学、高専、高校、中学において土木、建築又は造船に関する学科を専攻した者で、その後2年以上足場作業に従事した経験を有するもの
以上の条件に当てはまる人が足場の作業主任者の受講の条件になります。
足場組立作業主任者:役割と資格の内容について
職長と作業主任者は関わる業務の内容が違います。
作業主任者は元請や事業主がその作業に対して任命しないとならない国家資格です。
そして作業主任者は以下の3つの任務があります。
- 作業方法を決定し作業を直接指揮すること
- 材料の欠点の有無、器具工具の点検不良品を取り除くこと
- 作業中、安全帯の使用及び保護具の使用状況を監視すること
資格取得したらやはり単価と給与はベースアップしたいところです。私も実際3回も転職してます。
ただ、なかなか転職サイトをみても建設業に特化した求人が少ないですよ。
足場職人から現場監督への転職も可能になる
そこで、建設業に特化した正社員求人が満載のこちらのサイトを紹介します。登録しておくと、職人や施工管理などさまざま職種から求人を検索できるのであなたの希望する求人を見つけやすくなります。
足場組立作業主任者になるなら知っておきたい便利道具
足場組立作業をする場合、足場の種類によってはこのようなインパクトドライバーを多用することがあります。
鳶職人となると様々な工具の使用方法を知っておかなければなりませんので、是非資格内容と一緒にチェックしておきましょう
足場/組立の鳶職人には必須「ラチェットレンチ」とは?その使用方法と人気商品に迫る!
特に今回紹介するマキタの充電式インパクトドライバーは、充電式なのでコードレスとなっており、効率よく作業をすることができます。
また、ドライバーの締めすぎを自動で調整してくれるので強度のあるものを作ることができます。
アダプタ式と同等以上のパワーがあるのも作業効率を高める良い点ではないかといえます。
足場作業主任者:送検労災事故
実際にあった足場組立作業主任者を任命しなかったことで起きた事例を紹介したいと思います。
兵庫・伊丹労働基準監督署は、作業主任者を選定せず吊り足場の解体作業をさせたとして、土木工事業の㈲YAMATO(大阪府堺市)と同社代表取締役を労働安全衛生法第14条(作業主任者)違反の疑いで神戸地検に書類送検した。
平成28年10月、同社は兵庫県川辺郡における高速道路の高架橋の工事現場で、足場組立て等作業主任者を選任せず、吊り足場を解体していた。同社労働者が足場の側面にある防護棚を外すための玉掛け作業を行っていたところ、防護棚が外側に曲がり20メートル下の土手に墜落し死亡する労働災害が発生している。
作業主任者を選定しなかった理由として、同社は「作業当初にいた作業主任者がいなくなった後、選任することを怠っていた」としている。
【平成29年3月22日送検】
労働新聞社引用
このように作業主任者を選任しなかったことで重大な労働災害が発生してしまったことが分かります。
怠ったとはいえ、現場に作業指揮者者がいないまま作業を進めるのは大変危険なことです。
選任しなかった責任は、企業側が責任を被ることになり、業務を停止しなければならないこともあるので、作業をする場合は必ず作業主任者を選任するようにしましょう。
では次に足場組立特別教育は次のページでまとめてみました。作業主任者との違いは何なのか?を合わせてチェックしてみてください。
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