この記事では、マンション修繕工事に関する作業内容を週ごとに分けて解説していきます。
前回の作業内容については、「実録!マンション大規模修繕5週目:タイル撤去工事音の騒音問題」にて解説しているので、リンク先からご覧ください。
この記事では、マンション修繕工事に関する作業内容を週ごとに分けて解説していきます。 前回の作業内容については、「実録!マンション大規模修繕4週目:防水劣化と塗装劣化」にて解説しているので、リンク先からご覧ください。 また、4週[…]
6週目は、タイルの目地へのカッター入れが始まりました。
現場の作業員さんたちも足場で天候の悪い中、一生懸命作業をしています。
今回は、6週目の工事内容を通して、タイル剥落工事の続きとタイルの脱落について解説していきます。
このブログを見て連絡してきた、練馬の新人保険屋さんの千尋(ちひろ)さん。
建設業の実態教えて欲しいと言われてブログを一緒にやることになりました
このブログは他にもこのようなことがまとめてあります。合わせて気になる記事を確認してみてください。全体を確認するにはこちら
マンション大規模修繕:タイル撤去が続く
南面は半分程度の面でタイル撤去が完了していますが、2週間経ってもタイル撤去は終わりません。
また、本日から西面のタイル目地にカッター入れが始まりました。
マンション内はひっきり無しに音が鳴り響く状態です。
タイルを切り取るカッター入れと剥がす為に電動工具でタイルを壊していく作業が毎日続いています。
タイル撤去工事での注意点
ここでは、タイル撤去工事における注意点と確認すべきポイントを解説していきます。
タイル撤去箇所は理事会で確認
撤去面を確認するとタイルのコンクリートの壁はツルツルです。
タイルの張り付け面の下地がツルツルだと剝がれやすくなります。これはマンションを建てた建設会社の方で適正に下地処理がされていなかったように見受けられる部分と分かります。
こういうところはマンションの管理組合としても写真で保管しておく必要があります。
役にたつ設計図書・仕様書 | 建築工事標準仕様書・同解説 JASS19 |
公共建築工事標準仕様書(建築工事編) | |
公共住宅建設工事共通仕様書 | |
外壁撤去:ホコリ・粉塵には注意
タイル撤去について、南面3・4号室進めるにあたり、タイル撤去は駐車場の車両一時移動をお願いすることになりました。
具体的には、タイル下地のカップ掛け目荒らし(コンクリートの面がツルツルなのでザラザラにする)まで行ってから下地の目嵐を実施する予定であるとの事です。
この目嵐のほこりは、砂やセメントの粉なので、ワイパー等で掃除した場合には車には、車の窓に傷が入る事も多々あります。
こうした車両移動は、住民の方・管理組合・施工業者と綿密な連携を取り、どのように移動するのか事前に打ち合わせをするようにしましょう。
コンクリート粉塵は近隣クレームになる
粉塵(ふんじん)とは、ダイヤモンドの刃でコンクリートをカットするときに大きく煙があがります。
コンクリートの粉が舞い上がり、洗濯や壁も真っ白になります。
当マンションでは、
西面は残りの撤去部カッター入れを実施中ですが、目の前のマンションからタイル撤去による粉塵や騒音で近隣から苦情は出ていないのが幸いです。
風向きにより 作業中止も作業の状況に応じて配慮しながら行っているとのことです。
タイル撤去管理組合に苦情が入ってしまった!
居住者からこのような問い合わせがありました。
タイル撤去音に対して苦情があり、高齢者の方の居住者世帯からでした。
寝室近くで作業を行う時は声掛けを行ってもらいたいとのこと、また騒音がひどい場合はデイサービスへの移動を検討すると、監督から説明報告ありました。
それだけ家にいられないぐらい騒音がすると言う事です。
特に常に住宅にいる世帯の方々には事前説明を適切にしないと、赤ちゃんや高齢者・介護等の方々への配慮は管理組合・理事会でもよく話して工事実施に取組みが必要です。
そのため、住民への事前報告会などは必ず参加するようにしましょう。
工事中では産廃物の処理にも気を使う
タイルのゴミに関しては、コンテナに袋入れて当マンションの大規模修繕会社は捨てています。
ゴミを積み込みやすいように道路面にゴミ箱を設置する事がほとんどですので、通行人から不法投棄されないようにする事も必要です。
設置する際は職人さんが、捨てる際にはなるべく静かに袋に入れる事等も事前に監督に配慮をお願いするべきです。
ゴミ捨ては静かにしなければ、ゴミ箱にガラガラと音が響きます。また、ホコリが立つこともあるので注意して捨てるようお願いする必要があります。
特にコンクリートの粉が舞いますので、職人さんのちょっとした配慮かも知れませんが、これを怠っただけでクレームになって相談が来ています。今後は定期的な回収スケジュールを確認して行く予定です。
マンション大規模修繕の協議と施工問題
タイル精査について、先週のタイルの浮きの精査作業した結果、タイル撤去範囲を減らしたいと大規模修繕業者から報告がありました。
管理組合としては、不良部分を残したくは無いので、ゼネコン側へ不具合請求も検討する考えです。
3者定例でタイル撤去範囲について精査前後が説明できる資料を用意して欲しい旨を伝達しています。
タイル撤去が今月末まで延期となるスケジュール案を配布してもらっていますが、タイル全数を剥がして貼り直すとなれば施工てきにやはり全体工程が掛かるので、更に費用と工程も掛かる見込みてます。どれぐらい掛かるのか再度スケージュールを出すとの事です。
これにより費用は増大します。
塗装・防水の報告
塗装・防水については、既存色で塗装見本を製作してあるので定例で説明しますとの事です。
ウレタン防水はメーカー標準色を用意し既存茶色との違いを説明する必要があるとの事です。
大規模修繕では塗装・タイル等決めるもの多いので慎重に選びましょう。
また早期に選ばないと工事が材料待ち等になる場合もあるので材料が決まらず工期が伸びる可能性があります
管理組合とは先程の知識や確認も必要ですが、特に重要なのは下地調査図を確認することです。
その下地調査図で工事金額が決まると言っても間違いないと思うぐらい重要です。
管理組合として大規模下地調査図面を必ず確認
下地調査は、一度説明しましたが実数清算方式にて通常は下地調査が行われます。
足場を架設した後にひび割れ・モルタル浮きや鉄筋露出などの全数調査を行います。
その調査結果を基にした実数精算下地補修数量表を作成し、補修箇所の根拠となる施工図を作成します。
見積り段階の計画数量と実施集計数量に大きな差がある場合は、発注者・施工者・監理者の三者協議を行い、補修数量の増減把握と今後の下地補修工事の方針を再確認します。
大規模修繕は下地調査で実数精算が重要
施工が完了した段階で数量の増減清算を行い最終的な下地補修金額を確定します。
増減数量の集計表と施工図(補修箇所のマーキング図)を作成することにより、施工内容の明確化と検証作業が行われ、竣工図書として残すことが出来ます。
管理組合は「実数清算方式」が良く理解されていないケースもあり、この方式に否定的なご意見もありがちですが、より合理的で無駄のない工事を目指すためには有効な選択指になると思われます
あくまで、見積もりは調査がない状況で推測したもので、実際やってみたら費用アップを伴うのが大規模修繕です。
まとめ
早めに実数調査が出来るようにし、万が一大規模修繕前にマンションの壁が剥落して歩行者を怪我させたような場合はどうでしょうか?
外壁は共用部分ですから、マンションの管理組合の責任ということになります。
マンションの管理組合とは言っても、その組合員はマンションの区分所有者全員ですから、もし管理組合で加入している保険や資産で賠償が賄えないような場合は、区分所有者の持分比率に応じて賠償責任が生じます。
マンションというと自分の所有する部分は居室(専有部分)だけだと思われがちですが、専有部分以外の共用部分は、他の区分所有者と共有しているだけで、その管理責任は持分に応じて負わなければならないということみたいです。
なかなか、面倒な問題に発展してきました…。