【No. 35】 トンネルの山岳工法における支保工の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 吹付けコンクリートは、防水シートの破損や覆工コンクリートのひび割れを防止するために、吹付け面をできるだけ平滑に仕上げなければならない。
(2) 吹付けコンクリートは、吹付けノズルを吹付け面に斜め方向に保ち、ノズルと吹付け面との距離及び衝突速度が適正になるように行わなければならない。
(3) 鋼製支保工は、一般に地山条件が悪い場合に用いられ、一次吹付けコンクリート施工後すみやかに建て込まなければならない。
(4) 鋼製支保工は、十分な支保効果を確保するために、吹付けコンクリートと一体化させなければならない。
一級土木施工管理技士過去問暗記ノート【無料解説】
【No. 35】 トンネル山岳工法:支保工の施工
正解:(2)
吹付けコンクリートのノズルは、吹付け面に対して「直角(90度)」に保つのが鉄則です。斜めに吹き付けると、跳ね返り(リバウンド)が多くなり、品質が低下してしまいます。
【各選択肢の解説】
- (1) 適当である: 吹付け面がデコボコだと、後工程の防水シートが破れたり、覆工コンクリートにひび割れが生じたりするため、平滑な仕上げが求められます。
- (2) 不適当である: 記述の「斜め方向」は間違いです。正しくは「吹付け面に直角」です。また、距離は一般に1m程度が適正とされます。
- (3) 適当である: 鋼製支保工は地山を支える重要な骨組みです。崩落を防ぐため、一次吹付け後「すみやかに」設置します。
- (4) 適当である: 鋼製支保工と吹付けコンクリートの間に隙間があると支保効果が発揮されません。吹き付けによって隙間を埋め、一体化させます。
💡 プロ講師の暗記ノート:吹付け工の鉄則
- ノズルの角度:面に対して直角(斜めはバツ!)
- ノズルの距離:面から1m程度(離れすぎも近すぎもバツ!)
- 吹き付けの順序:「下から上へ」(上から下はリバウンドが溜まるのでバツ!)
- 鋼製支保工の足元:沈下を防ぐため、「台板」を敷くか「足元吹付け」を行う。
出題難易度:★☆☆☆☆(絶対に落とせない!)
一級土木施工管理技士マンガ解説【無料解説】

1. 吹付け作業の「順序」と「厚さ」
吹付けコンクリートには、品質を確保するための「動かし方」のルールがあります。
- 順序: 必ず「下から上へ」向かって吹き付けます。
- 理由: 上から吹き付けると、跳ね返った粉塵やコンクリート(リバウンド)が下の未吹付け面に溜まり、地山との付着を妨げてしまうからです。
- 厚さ: 一度に厚く吹き付けすぎると、自重で剥離(はくり)しやすくなります。「数回に分けて」所定の厚さにするのが正解です。
2. 鋼製支保工の「足元(脚部)」の処理
鋼製支保工は、地山の荷重を支える重要な骨組みです。その「足元」が沈下すると、トンネル全体が歪んでしまいます。
- 対策: 支保工の足元には、沈下を防ぐための「台板(だいた)」を敷くか、余分にコンクリートを吹き付ける「足元吹付け」を行います。
- ひっかけ: 「鋼製支保工は、地山に直接立て掛けるだけで良い」という記述はバツです。
3. リバウンド(跳ね返り)の取り扱い
吹付け時に跳ね返って落ちたコンクリート(リバウンド)の扱いもよく出題されます。
- ルール: 跳ね返った材料は、品質が著しく低下しているため、「再利用してはならない」のが鉄則です。
- ひっかけ: 「コスト削減のため、リバウンド材を新しい材料に混ぜて再使用する」という記述は間違いです。
【整理:トンネル支保工の「逆」パターン】
試験で「適当でないもの」として出される文章の典型例です。
- ノズルの角度:斜めにする → 直角にする
- 吹付け方向:上から下へ → 下から上へ
- ノズル距離:3m以上離す → 1m程度にする
- 鋼製支保工:一次吹付けの前に建てる → 一次吹付けの後に建てる