【No. 18】 鋼道路橋における高力ボルトの施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
(1) ボルト、ナットについては、原則として現場搬入時にその特性及び品質を保証する試験、検査を行い、規格に合格していることを確認する。
(2) 継手の中央部からボルトを締め付けると、連結版が浮き上がり、密着性が悪くなる傾向があるため、外側から中央に向かって締め付け、2度締めを行う。
(3) 回転法又は耐力点法によって締め付けたボルトに対しては、全数についてマーキングによって所要の回転角があるか否かを検査する。
(4) ボルトの軸力の導入は、ボルトの頭部を回して行うのを原則とし、やむを得ずナットを回して行う場合は、トルク係数値の変化を確認する。
一級土木施工管理技士過去問暗記ノート【無料解説】
【No. 18】 鋼道路橋 高力ボルトの施工
正解:(3)
回転法(または耐力点法)により締め付けたボルトは、全数についてマーキングを確認し、規定の回転角が得られているか検査するのが原則です。
- (1) ×:現場搬入時に試験を行うのではなく、一般に製造者の試験成績表(ミルシート)等により品質を確認します。
- (2) ×:板の密着を良くするため、「中央部から端部(外側)に向かって」締め付けるのが正解です。
- (4) ×:高力ボルトの軸力導入は、「ナットを回す」のが原則です。頭部を回すのはやむを得ない場合のみです。
💡 試験で狙われる!逆のパターンに注意
- 締付け順序:×「端から中央」 → 〇「中央から端へ」
- 回す部位:×「ボルト頭部」 → 〇「ナット」(ナット回転法)
- 検査数:トルク管理法は「一部抽出」が多いが、回転法マーキングは「全数」
- 摩擦面処理:滑り係数0.40以上を確保(黒皮除去・赤錆状態など)
出題難易度:★★★☆☆(標準的な重要問題)
一級土木施工管理技士マンガ解説【無料解説】

さらに深掘り!一級土木施工管理技士試験対策ポイント
- 選択肢(2) 締付けの順番(「中央から外へ」の理由):
- イメージ: スマホの保護フィルムを貼る時を思い出してください。真ん中から外に空気を逃がすように貼りますよね?
- 理由: 鋼板も同じです。端から締めると、真ん中に「たわみ(浮き)」が閉じ込められてしまい、板同士が密着しません。「中央→端」の順で締め進めることで、板をピタッと密着させることができます。
- 選択肢(4) 「ナット」を回すのが原則:
- 理由: 高力ボルトは「摩擦力」でつなぐため、非常に強い力(軸力)を管理する必要があります。ボルトの頭(長い方)を回すと、軸がねじれたり摩擦抵抗が不安定になったりして、正確な力が測りにくくなります。
- 例外: 構造上どうしてもレンチが入らない場合のみ、頭部を回すことが許されますが、その際はデータの補正が必要です。
- 選択肢(3) マーキングと検査:
- マーキングの役割: ボルト、ナット、座金、そして鋼板にまたがるように一本の線を引きます。
- 全数検査の理由: 締め終わった後、線がどれくらいズレたか(回転角)を見れば、「締め忘れがないか」「共回り(ナットと一緒にボルトも回ってしまう現象)していないか」がひと目で分かります。これは安全の命綱なので、全数チェックが基本です。
- 摩擦面の管理(超重要キーワード):
- 高力ボルト接合は、ボルト自体が踏ん張るのではなく、板同士の「摩擦」で持たせます。
- そのため、接触面には「黒皮(ミルスケール)」があってはいけません。ブラスト等で除去し、適度な「赤錆」を発生させるか、特殊な塗装をして、滑り係数0.40以上を確保するのがルールです。