【No. 16】 鋼道路橋の架設上の留意事項に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 供用中の道路に近接するベントと架設橋桁は、架設橋桁受け点位置でズレが生じないよう、ワイヤーロープや固定治具で固定するのが有効である。
(2) 箱形断面の桁は、重量が重く吊りにくいので、吊り状態における安全性を確認するため、吊り金具や補強材は現場で取り付ける必要がある。
(3) 曲線桁橋の桁を、横取り、ジャッキによるこう上又は降下等、移動する作業を行う場合は、必要に応じてカウンターウエイト等を用いて重心位置の調整を行う。
(4) トラス橋の架設においては、最終段階でのそりの調整は部材と継手の数が多く難しいため、架設の各段階における上げ越し量の確認を入念に行う必要がある。
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【No. 16】 鋼道路橋の架設上の留意事項
正解:(2)
吊り金具や補強材は、現場での溶接欠陥や施工ミスを防ぎ、安全性を確保するために、原則として「工場であらかじめ取り付けておく」のが一般的です。現場での取り付けは品質管理上のリスクが高まるため適当ではありません。
- (1) 〇:ベント(仮受台)と桁のズレは重大事故に直結するため、ワイヤーや治具で固定するのは有効な安全対策です。
- (3) 〇:曲線桁は重心が偏っているため、移動作業時にはカウンターウエイトでバランスを調整する必要があります。
- (4) 〇:トラス橋は部材数が多く、後からの調整が困難なため、各ステップでの上げ越し(そり)の管理が極めて重要です。
💡 試験で狙われる!架設のツボ
- 吊り金具の取付:×「現場で行う」 → 〇「工場で行う(原則)」
- 曲線桁の移動:キーワードは「カウンターウエイト(重心調整)」。
- トラス橋の管理:×「最後に一括調整」 → 〇「各段階でこまめに確認」
- 送出し工法:桁の「横倒れ」や「座屈」の防止策がよく問われます。
出題難易度:★★★☆☆(標準的な実務問題)
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さらに深掘り!試験対策ポイント
- 選択肢(2) 吊り金具は「工場取付」が鉄則(最重要):
- 理由: 橋桁をクレーンで吊り上げるための金具は、桁全体の重さが集中する極めて重要な部位です。現場の溶接は風雨などの環境に左右されやすく、欠陥が生じると吊り荷の落下という大事故に繋がります。
- 実務: 工場の安定した環境で、有資格者が溶接し、超音波探傷検査などで品質を保証した状態で現場に搬入します。「現場での溶接はなるべく減らす」が土木の基本方針です。
- 選択肢(3) 曲線桁とカウンターウエイト:
- イメージ: カーブしている桁は、見た目通り重心が外側に寄っています。そのまま吊り上げたりジャッキアップしたりすると、桁が傾いたり回転したりして非常に危険です。
- 対策: 反対側に重り(カウンターウエイト)を載せて、無理やり重心を真ん中に持ってくる工夫が必要です。
- 選択肢(4) トラス橋の「そり」管理:
- そり(上げ越し)とは: 完成したときに橋の自重でちょうど平らになるよう、あらかじめ少し「上向き」に反らせて作ることです。
- 管理の難しさ: トラス橋は三角形のジャングルジムのような構造で、部材一つひとつの長さが最終的な形に大きく影響します。組み上がってから「あ、形が歪んでる!」となっても修正不能なため、各ステップでミリ単位の確認が求められます。
- 選択肢(1) ベント上の固定:
- ベントとは: 橋を架けるまでの間、下から支える「仮の脚」です。
- リスク: 地震や風、あるいはクレーンで桁を置く際の衝撃で、桁がベントからズレ落ちる事故を防ぐため、「置くだけ」ではなく「確実に固定する」ことが安全管理上、必須となります。