この記事では、あまり知られていない海洋土木の専門職、海上技能者の建設キャリアアップシステムを通して海洋土木で1番の職人になるための方法をまとめています。
そもそも海洋土木って何をする人たちなのかな?と、海洋土木と訊いてもイマイチピンとこない方が多いのではないかと思います。
前提として、「建設キャリアアップシステム」とはwebサイトとICカードを組み合わせて、建設技能労働者や事業所の情報をデータ化する仕組みのことです。
官民一体となって建設業に従事する人々が技術水準の適正な評価や 、現場の効率化などを目指して作られました。
このシステムは公共工事および民間の大手建設会社、大手住宅企業でも導入が予定されており、様々な現場でカード提示が求められます。
そこで、このシステムをとおして海洋土木の登録基幹技能者になるためにはどのような方法があるのか解説していきたいと思います。
このブログを見て連絡してきた、練馬の新人保険屋さんの千尋(ちひろ)さん。
建設業の実態教えて欲しいと言われてブログを一緒にやることになりました。
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建設キャリアアップシステムにおける海上技能者のランク分類と評価基準
まず、建設キャリアアップシステムにおける能力評価制度は、建設技能者のレベルを経験・知識・技能・マネジメント能力での評価を基本に4段階で評価したものです。
各レベルの目安としては、
- レベル1:初級技能
- レベル2:中堅技能者
- レベル3:職長として現場に従事できる技能者
- レベル4:高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者など)となります。
となります。
このレベルを海上起重に充てるとどうなるのか次に解説していきます。
海洋土木のプロのゼネコン、マリコンとは?
マリコンとは、海洋土木専門企業を指す、いわば海上土木の企業を「マリコン」と呼びます。
海洋土木のプロのゼネコン、マリコンとは?
1) マリコンとは海洋土木工事を専門に行う企業を指し、その中でも特に海上での工事を主要な領域とする専門業者です。陸上の土木工事と異なり、海洋環境での作業や設備が必要となるため、高度な技術や知識が求められます。
2) マリコン企業は浚渫船や深層混合処理船などの大型専門船を有し、海底掘削や防波堤建設など多岐にわたる海洋土木工事に従事しています。そのため、独自の設備や豊富な経験を持つことが特徴的です。
3) 海洋土木のプロであるマリコン企業は、陸上土木や建築分野へも進出し、多角的な事業展開を行っています。海外展開にも積極的であり、五洋建設など大手マリコン企業は海外事業を拡大しています。
4) マリコン企業は競争率が低いため、比較的安定した産業環境にあります。海洋土木工事の専門知識や経験を活かし、他分野への展開や技術革新に注力しています。
5) 今後も海洋インフラ整備の需要が高まる中、マリコン企業は重要な存在となっています。その先進的な技術と実績により、海上での施設構築や保全管理において不可欠な役割を果たしています。
大手ゼネコンで海洋土木のプロといえば、五洋建設や東洋建設等の名前に海を関連させるような名前が入っている会社もあります。
他にも有名どころで言うと若築建設や東亜建設などがあります。
いかにも海洋土木らしい不動テトラなどの大手のゼネコンがありますが、このような会社は自社で船団を保有している場合もあります。
しかし、他の土木工事同様に様々な専門のサブコンが存在しています。
海洋土木のプロとして有名なサブコン
海洋土木のサブコンで有名なところでいうと、寄神建設や深田サルベージや五栄土木などのマリコン独自のサブコンが存在しています。
各企業とも大型の船を保有し土木工事におけるマリコン独自のサブコンが存在しています。
各企業とも大型の船を保有し土木工事における土木をメインとした作業で売り上げを伸ばしています。
五洋建設グループにおける五栄土木株式会社
海運事業に関わる分野を担っているサブコンになります。
海上だけではなく、建設関係にも充実した人材を保有している企業で、陸海共に多数の工事を担っています。
…
海洋工事のプロフェッショナル、寄神建設株式会社
1949年から続く海上工事のパイオニア的存在の企業です。
海運・海上土木・海事産業などを行っているので、まさに海のプロフェッショナル集団なマリコンといえます。
業界随一の吊能力を誇る起重機船「海翔」(4,100t吊)をはじめ、各種作業船団を保有しており、海洋、陸上、建築工事におい…
海事業界のリーダー:深田サルベージ建設株式会社
日本の海事産業はまだまだ未開拓な部分があり、海外に遅れをとっている現実があります。
そうした状況を打破するためにも、深田サルベージでは独自の技術をもって様々な海事産業を発展させてきた企業です。
海上起重:建設キャリアアップシステム/技能判定レベル4
- 建設キャリアアップシステム海上起重のレベル2、3の基準に示す保有資格を保有している人
- 就業日数10年(2150日)、更に職長の経験が3年(645日)以上ある人
はレベル4の対象になります。
レベル4になると、
- 登録海上起重基幹技能者
- 優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)
という称号が与えられます。
こうした資格を有するためには、先述したように実務経験及び職長経験が条件として伴います。
そのため、職長として勤めるうえで様々なことを覚えておかなければなりません。
そこで、下の記事では職長として現場を管理するうえで、覚えておくべきことを解説しているので是非合わせて読んでみてください。
この記事では、職長安全安全衛生責任者と職長の違いについて解説していきたいと思います。 また、現場での統括安全の重要性なども合わせて解説していきたいと思います。 と、実際どんな資格内容なのかよく分からないですよね。 そこで[…]
海上土木の経験を活かして次のステップへ転職する方法
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海洋土木資格:登録海上起重基幹技能者とは?
登録海上起重基幹技能者講習制度は、登録海上起重基幹技能者としてまた職長として、海上工事作業に必要な知識を網羅し、受講者の技術と安全の確保の向上を図り、指導育成を行うとともに元請けと施工計画や関係調整を行うようにする資格講習となります。
この講習を受講することで、登録海上起重基幹技能者にななることができます。
(一社)日本海上起重技術協会が、講習実施機関となって「登録海上起重基幹技能者」に関する講習制度を設け、登録海上起重基幹技能者講習を主催しています。
「登録海上起重基幹技能者講習制度の重要性と意義」
海上工事に従事し、当該作業船団の船団長等として的確に作業管理及び指揮・監督が行える能力を有している者が「登録海上起重基幹技能者」になることができます。
受講対象者としては、10 年以上の乗船経験と 3 年以上の職長(指揮・監督者)経験を有する者としてい ます。
受講資格は、以下の条件を全て満たしていることとなります。
①次の資格のいずれかを取得している者であること
つまり、
- 日本海上起重技術協会が認定する「海上起重作業管理技士」資格取得者であって、受講時有効期限内の資格者証を所持している者
- 建設マスター顕彰者〔建設機械運転工(海上工事)、しゅんせつ工に限る〕
②次の実務経験を有する者であること
つまり、
- 資格対象船団に示す作業船の乗組員として乗船し、土木工事又はしゅんせつ工事において10 年以上の海上工事に従事した実務経験
- 上記のうち、土木工事又はしゅんせつ工事において、それぞれ 3 年以上の作業船団の職長(指揮・監督者)経験
③労働安全衛生法に基づく職長教育又は職長・安全衛生責任者教育を受講している者であること
以上の条件を満たすこととなります。
結構ハードルの高い受講要件で、認知度はまだ低いですが3つのハードルをクリアすることで基幹登録技能士として上級職職長として活躍できます。
条件内に出てきた海上起重作業管理技士とは、区分が違いますが同じように管理技士として作業に従事するための資格を解説しています。
「登録海上起重基幹技能者」講習試験、「海上起重作業管理技士」認定試験に関する情報提供です。…
ただ、管理技士として知っておくべき内容を解説しているので是非目を通しておくと海上起重作業を管理するときに役に立つのではないかと思います。
海上起重:建設キャリアアップシステム/レベル3
レベル3の基準に示す条件としては、以下の経験と資格が求められます。
5年(1075日)職長又は班長として 1年(215日)の実務経験が必要となります。
- 海上起重作業管理技士
- 職長・安全衛生責任者教育
この海上起重作業管理技士の仕事とは何でしょうかあまり聞き慣れない仕事ですが次にまとめてみたいと思います。
資格内容・レベル2・1についてまとめてみました
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