実録!マンション大規模修繕ブログ11週目/外壁塗装工事で重要な下地処理とシンナー臭い?

この記事では、マンション修繕工事に関する作業内容を週ごとに分けて解説していきます。

前回の作業内容については、「実録マンション大規模修繕10週目:資産価値を上げるグレードアップ工事」にて解説しているので、リンク先からご覧ください。

工事も11週目に入り、タイルと仕上げ工事が同時進行で進められています。

今回は、11週目に行ったタイルと仕上げ工事の作業内容と管理組合として確認するべきポイントを解説していきたいと思います。

 
千尋さん保険屋
今週は何やってます?
 
ネコマル
今週は廊下の塗装工事になります


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マンション大規模修繕:塗装工事と仕上げ工事

実録!マンション大規模修繕11週目:塗装と仕上げ工事

では、11週目に行った作業内容と共に、管理組合が確認するべきポイントを解説していきます。

大規模修繕11週目:塗装工事とタイルは丸裸状態

大規模修繕11週目:工事概要

11週目の時点で進んでいる工事予定と完了した箇所は以下の通りです。

  • タイル下地補修・張り
    • 東面1・2階(今週完了予定)
    • 北面外壁
    • 廊下内
    • 西面完了
  • シーリング工事
    • タイル張り替え完了部分から開始
  • 塗装工事
    • バルコニー上裏完了
    • 雨樋完了
    • 床シート決定後、腰壁を既存色で施工
  • 屋上防水工事ー未施工ー

このように各箇所同時進行で行っていくので、各区分所有者に廊下や駐輪場の気になるところを携帯で写真撮ってもらい、共有すると確認しやすくなるのではないかと思います。

これから2月に入り屋上の防水工事が施工され、タイル工事が完了が見えてきたので、ゼネコンとの交渉がこれから始まるかもしれませんね。

仕上げ工事~バルコニー内~

仕上げ工事~バルコニー内~

バルコニー内上裏(天井)等の塗装はできる範囲で進んでいることが写真から分かるかと思います。

塗装工事も下塗り工事も終わり仕上げ塗装までもう少し時間が掛かる予定となっています。

完了後に管理組合としてチェックする項目は以下の通りです。

  • 塗装工事は塗り終わり、窓等に塗料がついてないか?
  • タイルに塗装が付いてる状態になっていないか?
  • ムラや塗り残しがないか?
  • 床に塗料が付着してないか?
  • 膨らんだりしていないか?(雨の日に塗装すると水を吸って膨らみます)

外壁塗装~既存色との調合作業ポイント~

外壁塗装~既存色との調合作業ポイント~

塗装壁は年数が立つと紫外線等で劣化するので、外壁塗装を行う必要があります。

外壁を塗装する場合、既存色と合わせる必要があり、合わせる作業のことを「調合」といいます。

ただ、この調合作業は、タイル同様なかなか合わないケース起こります。

塗装の色見本だけでなく、写真のように確認場所を作ってもらい、合意した中で仕上げをしてもらうと失敗しにくくなります。
また、色合わせの立会する機会を設けるのもおすすめです。

廊下内等の手の届くところは安い塗料でも大丈夫かと思いますが、足場を組む必要がある場所は出来るだけメンテナンスフリーを検討してもいいかと思います。

塗装工事で大切な「下地処理」

塗装はただ色を塗るだけで終わる作業ではなく、下地処理を行ってから塗装を行います。

 
千尋さん保険屋
塗装工事でペンキ塗るだけじゃないんだ?
 
ネコマル
そう、下地処理が必要です

建物の素地を平滑にする事により、モルタル・鉄部などの現状を塗装にふさわしい状態に調整する事で、塗料の機能性を長持ちさせる事になります

つまり、下地処理が適切でないと密着が悪くなったり、仕上がりが悪いという事に直結します。

外壁塗装の耐久性、美観の本当の良し悪しを決めるのが下地処理で、適切な処理を行なう事により、きれいで長持ちする塗装が可能となります。

下地処理の良し悪しで建物の寿命が伸びるので、それぞれの建物に合った適切な処理が大切です。

塗装工事はこうした目には見えない部分に気を使う事が大切で、一つ一つ手作業進められる塗装工事では現場職人の技量、丁寧さ、そしてモラルが特に問われる工事なのです。

新築時と異なり、外壁の塗装工事を行なうにあたって、下地調整は大変重要な分野です。

また下地調整の多くは手作業によるものや、機械を使って行なうものから様々であり、その用途によって使い分けられます。

様々な塗料の紹介

 
千尋さん保険屋
塗装には種類があるんですか?
 
undefined
そうですね。いろいろあります

塗料には様々な種類があり、その塗料によって耐久性が変わったり、効果を発揮する内容が変わったりします。

ここでは、主に使用される塗装の種類について解説していきます。

外壁塗装のアクリル塗料の使用用途

特徴:価格が安い。耐用年数が短い。新築時にこの塗装をしていることが多い。大規模修繕では使用することが無い。
保証年数:1~3年(メーカー・地域による)

外壁塗装のウレタン塗料の使用用途

特徴:価格が安い。耐用年数が短い。新築時にこの塗装をしていることが多い。10年以上前に大規模修繕で使用していた。保証年数:3~5年(メーカー・地域による)

外壁塗装のシリコン塗料の使用用途

特徴:汚れが付きにくい。耐用年数が長い。大規模修繕のサイクル周期に耐用年数が近い為、シリコン塗料が主流になっています。保証年数:5~7年(メーカー・地域による)

外壁塗装のフッ素塗料の使用用途

特徴:価格が高い。汚れが付きにくい。耐用年数が長い。粒子が細かい為、次回の修繕時に上塗りできないことがある。(剥がれる恐れがある。)保証年数:7~10年(メーカー・地域による)

大規模修繕が10年~13年周期で施工することが多く、耐用年数や次回の施工が容易なものを選ぶ必要があります。

では、塗装する前に一番重要なことを説明していきたいと思います。

その中で工事中に問題になりやすいポイントを次にまとめていきたいと思います。

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補足:塗装前に高圧洗浄をする意味

高圧洗浄機により、外壁・屋根などの場所に付着した、汚れ・ホコリ・藻・コケ・カビ等のを洗い流します。

この作業を怠ると、塗り替えても汚れの上に膜を貼っているだけで何の意味もありません。
高圧洗浄は塗替えの工程で大切な要素の一つです。

もしこの工程が不十分なまま塗装を行えば、塗料の密着不良によりやがて塗膜剥れなどを引き起こす要因ともなります。

また、高圧洗浄では隣家や駐車場の車に洗浄水が飛散しないように足場ネットを設営したり、車用ビニールシートでカバーするなどの防止対策がされます。

補足:マンション大規模修繕工事中注意!~音・埃・臭~

ホコリや臭いはクレームになるので、監督の方と対策を相談するようにしましょう
住民の方にはアレルギーを発症する方もいるので注意しましょう

 
千尋さん保険屋
音・ホコリ・におい・・
 
ネコマル
特に塗装はくさいです

廊下は足場に囲まれており、タイル撤去や塗装工事が始まりますと臭いや埃が気になります。

居住者からの問合せ等、管理人から廊下内の埃清掃について洗浄時期でクレームが来ています。

埃や臭いの部屋が気になる場合には、

  • 埃や臭いがひどい場合、監督に依頼し足場のシートを撤去してもらう
  • 工事する日にちを決めてもらい送風機等で風通しをよくする
  • 窓やドアにテープで目張りしてもらう

ような対策をお願いするようにすると良いでしょう。

換気をよくする事で臭いの減少や埃の軽減にもつながりますが住宅密集地帯では逆に近隣クレームを発生させてしまう要因にもなります。

そのような場合には、監督とも相談して、近隣へも工事スケジュールの伝達をし、互いに進める事で住民だけなく外部の方にも最低限の迷惑で済むようになります。

まとめ

11週目に入り、いよいよ工事も完了している箇所が出てくるようになりました。

未施工な部分がなくなり、外観も綺麗になってきているのではないかと思います。

管理組合としてチェックするべき箇所が多くありますが、生活する場所としてしっかり最後まで細心の注意を払いながら監督の方と連携を図ろうと思います。

12週目の工事内容に関しては、以下のブログからご覧ください。

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