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吉祥寺道路陥没工事について原因は土木の教科書で習ったヒービング現象?

2021年11月4日現場知識と勉強,現場豆知識

吉祥寺での道路陥没工事ですが2021年11月2日の早朝2日午前5時50分ごろに道路に幅約4メートル、長さ約10メートル陥没を伴う事故が発生した件について、個人的な考えをまとめてみました。

この事故ではゴミ収集車に乗っていた男性2人が陥没箇所に車ごとハマり、車両は引きこまれているが、乗車していた人にけがはなかったが不幸中の幸いです。

万が一幹線道路等や時間帯によってはとんでもない事故になっていたと考えると非常に怖いです。

現場は東急百貨店吉祥寺店の北側で、隣はビルの建設工事現場ということで実際の動画等から今回の工事は実際どうだったんでしょうか?

吉祥寺道路陥没の隣接する工事現場とは?

陥没事故に隣接する箇所の工事中の現場概要と場所をまずはこちらになります。

  • 工事名称:吉祥寺本町二丁目PJ新築工事
  • 地上3階・地下2階 基礎ベタ基礎
  • 地上鉄骨造・地下コンクリート造
  • 工期:2021年8月から2022年7月予定

施工会社は、株式会社丸二

地下はコンクリートで構築する計画になっており、現在この工事は地下を掘削している最中です。

ゴミ収集が走行した道路が陥没したのと隣の工事の要因が問題視されていますが実際どうなんでしょうか?

これから記載していることは、あくまで個人的な考察なので、そこはご理解ください。

陥没した要因をいろいろな角度で見てみた

まずは、車両がハマっている道路ではなく、工事中現場を見てみると作業構台の端部から10mぐらい先で道路との仕切りとなるコンクリートの壁がズレていますね。

灰色の管は本来土に埋まっていた仮設トイレの配管もむき出しになっています。

  • この道路との仕切りの壁はあまり厚さはないように見受けられます。あっても壁の厚さは30センチから50センチぐらいかと思われます。
  • 仕切り壁は土留壁(掘削していくときに道路が落ちないようにする壁)ではなく昔の建物の地下の壁と思われる。
  • 仕切り壁は昔に施工しされたと思われるのは、仮囲いの設置されてある箇所を見ると上の建物壊した跡が残っており、地上から下は壊さなかった。※費用も掛かるので当然かと
  • 昔に施工されたということは当時の施工資料等が残っていない可能性もあり、構造としてはこの壁を生かして地下2階部分を構築すると考えられる

おそらくですが、既存壁を残して道路面の古い壁は取り除かずに、工事で道路面が崩壊しないように既存を活用したなかで新しい地下の壁を構築していく予定だったと推測されます。

掘削箇所の既存壁の根入れと床付け面は同じ高さ?

既存壁をさらに見ていきますと

  • 既存壁(土留壁)が倒れないように、土圧に耐える為に切梁と腹起しが設置されています。
  • 普通考えるならもう一段ぐらい土留支保工が設置されていてもいいのですが設計で既存壁に耐力があるということで算定されたのかもわかりませんね。
  • この土留支保工は地下深く掘っていく度に段数重ねて設置していくのですが1段梁しか施工していない
  • 昇降設備を見るとおおよその掘削深さは5段ほど足場が組まれてるので10m近くまで掘られてます
  • 既存壁を見ると、直立しているのがわかるが土圧に耐えれるベースが無い・土の面と同じ高さ
  • 既存壁のズレは道路面から中間杭近くまで滑動しており4m程度ズレているように見えます
  • また、床付け面を見ると青いホースが無造作に置かれてますが、水中ポンプのホースで水を排出するのに使っていたように思われます。地下から水が出ていたように推測されます

少し怖い状態であります。

この壁の頂上の方はサポート(支保工)でサポートされていますが、切梁(支保工)をもう一段下の補強をしておいた方がよかったように見えます。もしかしたら?これから設置という状況でもなさそうですが・・・・

土留支保工の設置後は、大きな地震も最近ありましたが点検等の記録はちゃんとされていたのか?など気になりますが、写真からみた考察はこんな感じですね。



実際の工事状況の確認として

おそらく工事中はこのようにして、常に地下へバックホーを使い残土搬出を繰り返していように思えます。

この状況であれば、地上の方には土留支保工が設置されているので、常に横からの押す力(土圧)が均等になっており床付け面までもまだ土が残っているので作業箇所は安定している状態で問題なかったように思えます。

こうやって地下の実際に構築物を作成していく場所まで繰り返し掘っていきます。

ここに問題があった?沈下・陥没の原因?

床付けまでだいたい掘削が完了が近づいてくるに伴い、土圧が常に掛かって状態で隙間から雨などで少しづつ、道路面の土が工事中の現場に流れこんできた。(トコロテンみたいな感じで狭いとこからにょろにょろって少しづつ、誰も気づかない)

た水中ポンプで地下から湧き出る水を吸い取るときに、当然土も一緒に吸っているので、見えない中で少しづつ工事中の箇所に道路の土が流失してきて隙間が生じてきている可能性がある。

また、こちらの吉祥寺あたりの土質は、株式会社会社ジオテックの市区町村別地盤解説を見てみますとこのような考察があります。※ボーリングでの調査

典型的な関東ロームの台地とも考えられます。しかし、上部約2m程度はかなり軟質なふかふかとした土となっているようです。

このデータのように、地表から1mを超えるほどの軟弱層がある場合、単純な転圧などでは締固め効果を期待できないため、適切な地盤補強が必要と診断されました。

とあります。その中で考えていくと確かに住宅を建てるのはそうかも知れませんが、こちらの既存壁を作るときに昔に地下10m近くまで掘って、道路側も埋戻ししているのでこの調査記録でみると2m程度はふかふかの土かも知れませんが、実際は埋戻しに山砂等の埋戻ししやすい材料を使っ可能性もあります、道路の土は流失しやすい状態だったかも知れません

そこで考えられるのは、ヒービング現象というのを聞いたことありますか?もしかしたら今回の沈下の要因はこちらではないか?



今回の沈下陥没の要因はヒービング現状による?

ヒービングは、掘削底面付近に柔らかい粘土層がある場合、主として沖積粘土地盤で、含水比の高い粘土が厚く堆積する場合などで起こりやすいとありますが、今回は関東ロームで既存の土留壁の埋戻しをした埋め戻し材が何かわかりませんが、地下からの湧水や既存壁(土留壁)のベースもない、掘削面と既存壁(土留壁)が同じ高さ根入れがないことで、壁の下がブラブラの状態。

ブラブラの状態で掘削をしていく中で土留め背面の土の重量や土留めに近接した地表面での上載荷重(下に押す力)と2段梁がないこと土圧を受けやすい状態でだった

その結果、湧水から掘削の床付け面へ土砂が流れて、土留め壁のはらんで根入れ(土留壁のベース)滑りだしてきて結果、周辺地盤の沈下が生じ最終的には土留めの崩壊にしたようにも考えられます

つまり今回の道路が沈下した要因には個人的な見解としては、施工での起因する部分があったように思われます。

古い既存壁を利用して土留壁として活用する場合

ヒービングは掘削底面の強度不足により滑動したことを考えると今回、既存壁(山留壁)が変形・滑動しているので掘削底面の強度を増加させる方法がいいかと思います。

さきほど、記載したように土止め支保工の段数を2段・3段と施工して耐圧床を構築していく方法を検討したり

掘削面の、地盤補強として掘削を分割していくことや、既存壁の内側にH鋼材等で補強杭施工するのも一つかも知れません。

ただ、変更協議にも時間も掛かり大変です。当然ながら図面通りやっていく中で施工管理の業務の中でなかなか提案しにく部分もありますが、日々の土留支保工の変異等を確認していればもしかしたら、途中で一度中断して変更協議提案もできたかも知れません。 また道路の変異測量等も行うことで防げたかも知れません。

あくまで個人的な意見のまとめなので、他の土木施工管理技士の方には違うという意見もあると思いますので、自分の見解をまとめてみました。