特定技能ビザを取得して建設業で働くためには?その内容と試験内容を解説!

2021年9月15日建設キャリアアップ(外国人雇用),特定技能採用CCUS、特定技能建設

この記事では、建設業で働くための特定技能ビザを取得する方法を解説していきたいと思います。

また、その試験内容についても合わせて解説していきたいと思います。

外国人技能実習生という制度は以前からある制度ではありますが、2019年に「特定技能ビザ」という新たな在留資格が設置されました。

そんな特定技能ビザとは一体どんな資格なのかこれから解説していきたいと思います。

また、特定技能ビザを取得し、建設現場で働くためにはほかの業種に比べて様々な条件があるのでそちらも合わせて解説していきます。

こちらも、特定技能ビザを取得した外国人をどう雇うのか、安全教育を行う内容などについて解説しているので、是非合わせて読んでみてください。

前提:在留資格と就労ビザの違いは?

まず、ビザと在留資格が混同しやすいので少し分けて解説していきます。

ビザ

ビザとは、自国で発行されたパスポートのことを指します。

もしくは、自国の日本大使館・また領事館から発行される証書もビザといわれます。

ビザの有効期限は3カ月となっており、この有効期限は発給してから起算されます。

失効するのは入国審査を受けたときか、有効期限が満了になったときになりますので、発給されて3カ月以内に来日して入国審査を受けなければいけません。

ビザにはそれぞれ下記のような種類があります。

  • 就労・長期滞在目的ビザ
  • 医療滞在ビザ
  • 短期滞在ビザ

特定技能ビザはこの「就労・長期滞在目的ビザ」に含まれます。

在留資格

在留資格は、出入国港において上陸許可を受けて日本に入国した後に、日本に滞在して活動できる根拠となる資格です。日本に在留する外国人は原則として、日本に入国した際に決定された在留資格により、在留することとなっています。外国人が日本在留中に行うことができる活動の範囲は、この在留資格に対応してそれぞれ定められると同時に在留期限も決定されます。

引用:「ビザ(査証)と 在留資格 の違い

在留資格は3カ月以内であれば、空港においてはパスポートに上陸許可の認印で在留資格となります。

3カ月以上となると、「在留カード」を市区町村の窓口に申請する必要があります。

在留資格はそれ単体ではなく、以下の目的がなければ資格として認められることができません。

  • 定められた範囲の就労が可能な「就労系資格」
  • 就労制限がない配偶者などといった「身分系資格」
  • 就労することができない短期滞在・留学などといった在留資格

そして、今回解説していく特定技能ビザは就労系資格を取得するうえでも必要となる資格になります。

つまり、特定技能ビザを取得すれば、就労も在留もすることができる資格ということです。

ただし、特定技能ビザを取得した場合は在留資格の変更を市区町村の窓口で行わなければいけません。

以上在留資格とビザの違いを簡単にまとめますと、

  • ビザ…空港に提出するパスポート
  • 在留資格…パスポートをチェックしたので「日本に滞在していいよ」という証明書

では、こうしたビザのくくりをおさえて特定技能ビザについて解説していきたいと思います。

技能実習生と特定技能ビザの違い

今までは、技能実習生しか採用出来ない状態でしたが、特定技能というくくりが生まれ、新しい雇用形態を創設できるようになりました。

この新しい特定技能ビザが作られたことで今までと何が違うのか、その資格内容について解説していきます。

まずは、技能実習生と特定技能の違いについて解説してきます。

資格目的永住権転職の可否家族滞在の可否受入人数制限
技能実習生日本の技術を持ち帰り国際貢献をする×××あり
特定技能ビザ日本での働き手不足を補う〇(特定技能2号のみ)なし

大まかに表にまとめるとこのようになります。

また、

  • 技能実習生登録先…監理団体(実習生を受け入れる企業を監理する)
  • 特定技能ビザ…登録支援機関(資格者を雇用する支援を担う)

といったように、登録先が違うので業務の目的も大きく異なります。

他にも、

団体名登録の可否費用
監理団体(協同組合)△(民間・個人事業主は不可)監理費3万~5万(月)
登録支援機関〇(条件を満たせば民間・個人事業も可能)支援委託費用2万~3万5千円(月)

といった違いがあります。

こうした、技能実習生の制限から大きく解放されたのが「特定技能ビザ」になります。

特定技能ビザを取得し建設業で働くには?

では、特定技能ビザについて解説していきます。

特定技能ビザには2種類の資格があります。

  • 特定技能1号(1号特定技能外国人)
  • 特定技能2号(2号特定技能外国人)

特定技能1号

特定技能1号とは、「特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」です。

在留期間は1年6カ月/4カ月ごとの更新で、上限5年まで在留することができます。

通常、特定技能1号に関する試験での合格者がこの資格を取得できるようになりますが、「技能実習2号」修了者は、この技能試験・日本語能力試験が免除されます。

技能実習2号から特定技能1号に変更する場合は、一定の条件を満たすことが必要となります。

詳しくは以下のリンク先をご覧ください。

特定技能2号

特定技能2号とは、「特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」です。

特定技能2号になると、在留期間の更新制限がなくなります。

先述したように条件を満たせば、永住権を獲得することもでき、家族帯同も可能になります。

また、同一の業務区分内では転職をすることが可能になります。

現状特定技能2号に定められている業種は、建設業・造船業の2種になります。

特定技能外国人は建設業でどんな仕事が出来るのか?

外国人採用では職種ごとの制限があるのかあ…

特定技能建設で注意すべき点として、外国人技術者に従事して頂く業務が特定技能に対応しているかどうかになります。

簡単にいうと特定技能(建設)で取得してもらった職種のみ、限定的に作業に携わらせることができます。

特定技能に関しては試験合格後に、決められた仕事や機械を触ることが明確に決められています。

その内容については以下のリンク先から知ることができるので、是非合わせて読んでみてください。

型枠施工参考サイト:国土交通省『建設特定技能制度~各職種の業務内容~』
左官参考サイト:国土交通省『建設特定技能制度~各職種の業務内容~』
コンクリート圧送特定技能ビザ:生コン圧送職人として外国人雇用する方法とその作業内容について
トンネル推進工外国人をトンネル推進職人として雇うには?特定技能ビザで採用する方法を解説
建設機械施工特定技能ビザで建設機械重機土工で外国人オペレーターを雇用する方法
土工建設作業員の土工を外国人採用特定技能雇用する方法と職人採用
屋根ふき屋根葺き職人を特定技能資格で外国人雇用・職人採用する方法とは
電気通信外国人を電気職人として雇用出来る特定技能とそのハードルの高さ
鉄筋継手鉄筋圧接/継手職人採用を外国人雇用可能な特定技能とは
内装仕上げ/表装内装仕上げ職人を外国人雇用方法と特定技能在留資格にて採用
とび外国人で鳶(とび)職人不足を補う特定技能で外国人職人採用
建築大工参考サイト:国土交通省『建設特定技能制度~各職種の業務内容~』
配管配管工雇用設備職人を外国人で採用できる特定技能のビザ職種制限
建築板金建築板金職人を雇用できる外国人採用で育成出来る特定技能とは
保温保冷特定技能で保温/保冷工事の外国人雇用が可能に!具体的な雇用方法を解説
吹付ウレタン断熱ウレタン断熱工事で特定技能ビザで外国人雇用方法と就業区分
海洋土木工海洋土木で外国人雇用が可能になる特定技能で採用を検討する方法

建設に関わる特定技能ビザを取得するには?

特定技能の合格すると、正社員として働けるようになる!

外国人労働者が特定技能ビザを取得するには、日本語試験と建設職種ごとの技能試験に合格し、合格証明書を受け取るというステップが必要になります。

具体的には、

1.日本国際教育支援協会(JLPT)の運営する日本語能力試験の「N4」レベル、または国際交流基金の運営する日本語基礎テストに合格

2.建設技能人材機構の運営する「建設分野特定技能評価試験」に合格

ちなみに、日本に留学生で来ている(技能実習生)方も建設業に携わる仕事をするのであれば、「建設分野特定技能評価試験」に合格していることが条件になります。

外国人採用日本語能力試験JLPTとは?

日本語能力試験のN4に合格するには、業務をこなすのに必要な日常会話レベルの日本語力が必要です。

JLPTでは「基本的な語句や漢字を使って書かれた身近な文章を読んで理解できる程度で、ややゆっくりと話される会話であれば内容がほぼ理解できる」、つまり自分たちにとっては英語検定と思ってもらえれば大丈夫です。

建設分野特定技能評価試験の学科試験

建設分野特定技能評価試験の学科試験は基本的な出題形式は以下のようになっています。

  • 問題数:30問
  • 試験時間:60分
  • 出題形式:真偽法(⚪︎×)および2~4択式
  • 実施方法:CBT方式

CBT方式とは、パソコンを使って受験するシステムのことを指します。

合格基準:65点以上と定められています。

つまり、

30問で65点以上が合格ラインということは、正解率が66%(3分の1)を超える必要があります。

特定技能の外国人は原則、経験者という前提で課題となってくるので、知識面と同じかそれ以上に「日本語読解力」が重要になるでしょう。

コミュニケーション能力のほか、読み書きといった経験が十分あるかどうか、あるいは自社で支援をしていけるかを見極める必要があります。

難易度としては、図面を読み取り、指示や監督を受けながら作業ができるレベルに設定されております。

特定技能評価試験を受験しただけでは2号になることができない

実は、今回解説した特定技能評価試験は「特定技能1号」の在留資格を取得することができる試験となります。

そのため、先述したように「特定技能1号」の資格だけでは上限5年までしか在留することができません(永住権を獲得する条件をクリアしているのであればOK)。

「特定技能2号」になるためには、特定技能1号から2号へ移行する手続きを踏む必要があります。

但し、2021年度4月から法改正され、特定技能2号評価試験を実施することになっているので、2号になるためにはこの試験に合格するか必要があります(今年度からの実施となるので試験問題サンプルはありません)。

特定技能2号に移行する条件としては、

  • 実務経験で複数の建設技能者を指導しながら作業に従事しする班長経験があること
  • 特定技能2号評価試験または技能検定1級合格

実務経験を証明する手間を省くのであれば、建設キャリアアップシステムレベル3を取得しておくと実務経験を証明する書類提出は不要となります。

詳しい特定技能取得条件は以下のファイルからダウンロードができるので、是非参考にしてみてください。

特定技能受験の試験申し込み

受験者にあたる外国人技術者は建設技能人材機構の技能評価試験マイページを作成し、受験者本人が申し込みを行います。

その後、機構が発行する受験票を技能評価試験マイページで受け取り、試験になります。

合格した場合は、合格証書が機構のマイページより発行されるので、事業者は合格者の控えを受け取っておく必要があります。

建設分野特定技能1号評価試験に向けた学習用の各テキストや、技能試験における職種ごとの試験範囲、例題などは全てJACのHPから参照が可能です。

以下のリンク先から、申請をすることができるので是非活用してみてください。

特定技能1号試験(建設業)職種別問題及びテキスト

特定技能試験の建設業に関わる18職種分テキストと試験問題をダウンロードすることができるので、是非試験対策や通常業務で指導するときなどに活用してみてください。

職種テキスト学科試験実技試験
型枠施工テキスト学科サンプル問題実技試験問題
左官テキスト学科サンプル問題実技試験問題
コンクリート圧送テキスト1
テキスト2
テキスト3
テキスト4
テキスト5
学科サンプル問題実技試験問題
トンネル推進工テキスト学科サンプル問題実技試験問題
建設機械工テキスト学科サンプル問題実技試験問題
土工テキスト学科サンプル問題実技試験問題
屋根ふきテキスト学科サンプル問題実技試験問題
電気通信テキスト学科サンプル問題実技試験問題
鉄筋継手テキスト全体
テキスト1
テキスト2
テキスト3
学科サンプル問題実技試験問題
内装仕上げ/表装テキスト(壁装)
テキスト(ボード仕上げ)
学科サンプル問題(壁装)
学科サンプル問題(ボード仕上げ)
実技試験問題(壁装)
実技試験問題(ボード仕上げ)
とびテキスト学科サンプル問題実技試験問題(準備中)
建築大工テキスト(準備中)学科サンプル問題(準備中)実技試験問題(準備中)
配管テキスト学科サンプル問題実技試験問題
建築板金テキスト(準備中)学科サンプル問題(準備中)実技試験問題(準備中)
保温保冷テキスト(準備中)学科サンプル問題(準備中)実技試験問題(準備中)
吹付ウレタン断熱テキスト学科サンプル問題実技試験問題(準備中)
海洋土木工テキスト全体
テキスト1
テキスト2
テキスト3
学科サンプル問題実技試験問題
引用:JAC建設技能人材機構『建設分野における特定技能1号評価試験』

まとめ

今回は、建設業に関わる特定技能ビザを取得するとどういったことができるのか、またその取得方法について解説していきました。

まとめますと、

  • 特定技能ビザとは、日本で特定の業種に就労し、滞在するための在留資格
  • 特定技能ビザには1号・2号とある
  • 特定技能1号は、1年6カ月/4カ月ごとの更新で、上限5年までで、家族帯同は無し
  • 特定技能2号は、在留更新期限がなく、永住権を取得することができる・家族帯同あり
  • 特定技能ビザを取得するには日本国際教育支援協会(JLPT)の運営する日本語能力試験の「N4」レベル、または国際交流基金の運営する日本語基礎テストに合格、建設技能人材機構の運営する「建設分野特定技能評価試験」に合格することが必須となる
  • 特定技能1号になる場合、技能実習2号の資格があれば試験が免除される
  • 特定技能2号になるためには、実務経験で複数の建設技能者を指導しながら作業に従事しする班長経験があること特定技能2号評価試験または技能検定1級合格の資格があること
  • 特定技能1号から2号に移行するときに、建設キャリアアップシステムレベル3の資格があると、班長経験の資格証明が免除される

ですね。

特定技能ビザを取得している外国人は、技能実習生に比べて様々な作業を行わせることができます。

外国人側にとっても、特定技能ビザを取得していると給与面でも正社員と同等の賃金が発生するので、日本での生活がぐっと楽になります。

試験は難しいと感じるかもしれませんが、取得しているとメリットは多くあるのでおススメです。

こちらも、特定技能ビザを取得した外国人をどう雇うのか、安全教育を行う内容などについて解説しているので、是非合わせて読んでみてください。