【No. 17】 鋼道路橋の鉄筋コンクリート床版におけるコンクリート打込みに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 打継目は、一般に、床版の主応力が橋軸方向に作用し、打継目の完全な一体化が困難なことから、橋軸方向に設けた方がよい。
(2) 片持部床版の張出し量が大きくなると、コンクリート打込み時の振動による影響や型枠のたわみが大きくなるので、十分に堅固な型枠支保工を組み立てることが重要である。
(3) 床版に縦断勾配及び横断勾配が設けられている場合は、コンクリートが低い方に流動することを防ぐため、低い方から高い方へ向かって打ち込むのがよい。
(4) 連続桁では、ある径間に打ち込まれたコンクリート重量により桁がたわむことで、他径間が持ち上げられることがあるので、床版への引張力が小さくなるよう打込み順序を検討する。
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【No. 17】 鋼道路橋 床版コンクリートの打込み
正解:(1)
打継目は、床版の主応力の方向(橋軸方向)に直角になるよう、原則として「橋軸直角方向」に設けます。「橋軸方向に設ける」という記述は誤りです。
- (1) ×:打継目は強度の弱点となるため、主応力の方向に平行ではなく「直角」に配置します。
- (2) 〇:張出し床版は荷重による「たわみ」や振動の影響を受けやすいため、型枠支保工の剛性が重要です。
- (3) 〇:勾配がある場合は、コンクリートの自重による流動や材料分離を防ぐため、「低い方から高い方へ」打つのが鉄則です。
- (4) 〇:連続桁では、桁のたわみによる「引張亀裂」を防ぐため、打込み順序(例:中間支点付近を後で打つ等)の検討が不可欠です。
💡 試験で狙われる!打込みの鉄則
- 打継目の方向:×「橋軸方向」 → 〇「橋軸直角方向」
- 勾配がある場合:×「高い方から」 → 〇「低い方から高い方へ」
- 連続桁の打込み:「正の曲げモーメント」区間から打ち始めるのが基本。
- 連続桁の引張対策:コンクリートに「引張力」がかからない順序を選ぶ。
出題難易度:★★★☆☆(重要・頻出)
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- 選択肢(1) 打継目(うちつぎめ)の方向(最重要):
- なぜ「直角」か: コンクリートの打継目は、どうしても新旧の付着が弱くなり、強度の「弱点」になります。
- イメージ: 橋のメインの力(主応力)は、橋が進む方向(橋軸方向)に強くかかります。この力の流れを「断ち切る」ように継目を作ると、弱点に直接力がかかりすぎて割れてしまいます。そのため、主応力の方向に対して直角(橋軸直角方向)に設けて、弱点を最小限にするのが基本です。
- 選択肢(3) 低い方から高い方へ打つ理由:
- 理由: コンクリートは液体に近い状態で打ち込まれます。高い方から打ち始めると、後から打ったコンクリートの重みで、先に打ったものが下に押し流されてしまいます。
- 結果: これにより、内部で材料が分離したり、空洞ができたり、型枠に余計な圧力がかかったりします。「低い方を壁にして、高い方へ積み上げていく」イメージで打つのが鉄則です。
- 選択肢(4) 連続桁(れんぞくげた)の打込み順序:
- 現象: 連続桁は一本の長い棒のような構造です。どこかに重いコンクリートを乗せると、シーソーのように別の場所が「浮き上がったり(反ったり)」します。
- リスク: せっかく固まり始めたコンクリートが、桁の変形によって引っ張られると、まだ強度が弱いため簡単に「ひび割れ」が発生します。
- 対策: 一般的に、桁が下にたわむ場所(径間中央付近)から先に打ち、桁が浮き上がるストレスがかかりやすい場所(支点付近)を後で打つなど、緻密な計算に基づいた順序が決められています。