【No. 39】 港湾における浚渫(しゅんせつ)工事のための事前調査に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1) 浚渫工事の浚渫能力が、土砂の硬さや強さ、締まり具合や粒の粗さ等に大きく影響することから、土質調査としては、一般に粒度分析、平板載荷試験、標準貫入試験を実施する。
(2) 水深の深い場所での深浅測量は音響測深機による場合が多く、連続的な記録が取れる利点があるが、海底の状況をよりきめ細かく測深する場合には未測深幅を狭くする必要がある。
(3) 水質調査の目的は、海水汚濁の原因が、バックグラウンド値か浚渫による濁りか確認するために実施するもので、事前及び浚渫中の調査が必要である。
(4) 磁気探査を行った結果、一定値以上の磁気反応を示す異常点がある場合は、その位置を求め潜水探査を実施する。
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【No. 39】 港湾における浚渫工事の事前調査
正解:(1)
浚渫(しゅんせつ)工事の事前調査において、海底地盤に対して「平板載荷試験(へいばんさいかしけん)」を行うことは一般的ではありません。平板載荷試験は、主に陸上構造物の直接基礎の支持力を判定するために用いられる試験です。
【各選択肢の解説】
- (1) 不適当である: 浚渫のための土質調査では、土の硬さや締まり具合を知るための「標準貫入試験」や、土の性質を知るための「粒度分析」、粘性土なら「一軸圧縮試験」などを行いますが、平板載荷試験は行いません。
- (2) 適当である: 音響測深機は広範囲を連続的に測れるため深浅測量の主流です。より詳細な地形を知りたい場合は、計測する間隔(未測深幅)を狭くして密度を上げます。
- (3) 適当である: 浚渫による濁り(汚濁)の影響を評価するためには、工事前の元の状態(バックグラウンド値)と、工事中の数値を比較する必要があります。
- (4) 適当である: 磁気探査は、海底の不発弾や障害物を見つけるために行います。反応が出た「異常点」は、潜水士が実際に潜って確認(潜水探査)するのが鉄則です。
💡 プロ講師の暗記ノート:浚渫調査の重要キーワード
- 土質調査:「標準貫入試験(N値)」、「一軸圧縮試験(qu)」が基本。平板載荷は陸上のもの!
- 磁気探査:不発弾や沈設船などの障害物確認。異常点は潜水調査へ。
- 音響測深:「バーチェック」(音速の補正)が必須作業として試験に出やすい。
- 水質:濁り管理の指標は「SS(浮遊物質量)」がよく用いられる。
出題難易度:★★☆☆☆(試験名に注目!)
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1. 土質調査の「使い分け」
浚渫船の種類を選ぶために、土の性質を正しく把握する必要があります。
- 砂質土(砂の地盤): 「標準貫入試験(N値)」や「粒度分析」が重要です。N値が高い(硬い)と、ポンプ船の刃(カッター)が負けてしまいます。
- 粘性土(泥の地盤): 「一軸圧縮試験」で粘着力を調べます。これにより、グラブ浚渫船でバケットですくい上げる際の効率や、埋立地に運んだ後の沈下予測を立てます。
- 岩盤: 弾性波探査などで岩の硬さを調べます。
2. 音響測深の「バーチェック」
選択肢(2)に関連して、実務試験で最も狙われる用語です。
- バーチェックとは: 水温や塩分濃度によって「水中での音速」は変わります。音響測深機が示す水深が正しいか確認するため、「バー(反射板)」を既定の水深まで吊り下げて、機械の誤差を補正する作業のことです。
- 試験対策: 「音響測深を行う際は、事前にバーチェックによる補正を行う」という記述はマルです。
3. 磁気探査の目的と「潜水探査」
選択肢(4)の深掘りです。
- 磁気探査の目的: 港湾内には戦時中の「不発弾」や、過去の工事で残された「鋼材」「沈設船」が沈んでいることがあります。これらを避ける(または撤去する)ために磁気探査機(センサー)を曳航して調べます。
- 異常点への対応: 反応があった場所(異常点)には、必ず潜水士が潜って目視や手探りで確認します。これを「潜水探査」と呼びます。
- ひっかけ: 「磁気反応があった場所は、危険なのでそのまま浚渫を行う」といった記述はもちろんバツです。