この記事では、丸のこのキックバックや取り扱いに関しての安全作業や、丸のこの刃の種類や特別教育を受ける必要性と受講方法などをまとめていきます。
丸ノコって最近DIYでもよく使われているから一般の人でも使っているのに特別教育なんて受ける必要があるのかな?
と、このように普段使う分には特別教育を受けなくてもいいと考えるかもしれません。
しかし、丸ノコは意外とケガや事故の多い工具なので、仕事上使う場合は特別教育を受ける必要があります。
そこで、今回は丸ノコを扱う場合に受けるべき特別教育と丸ノコに仕組みなどについて解説していきたいと思います。
丸ノコ取扱い作業者に必須!電動丸鋸の仕組みを詳しく解説

丸のこはモーターで丸いノコ刃を高速で回転させて材料をカットする切断能力の高い電動工具です。
丸のこというと、大工さんがうプロの道具と言うイメージが強いですよね。
丸のこはベースという平らな底面で材料を押さえながら、ベースの下に出るノコ刃で材料を切断します。
材料の表面ときっちり直角で、曲がりのないきれいな切り口で直線で切断できますが、そんな知識を正しく知らない人はたくさんいます。
ノコ刃は1分に約5000回転という高速で回転します。直線切り加工の効率と精度があります。
丸ノコ 資格で知っておくこと
丸のこは木工で使用することが一般的ですが、ノコ刃には木材用のほかにプラスチック用、金属用、レンガ用などがあります。
また、コンクリートブロックやコンクリートの切断が可能です。
このように刃を必要に応じて交換することで、幅広い切断加工に対応できるところも特長といえます。
ただ、作業方法の問題などにより、この機械による指の切断、大腿部の裂傷等の重篤な災害も多く発生しているの工具でもあります。
下の記事では、丸ノコと同じように切断・切削・研磨などができる研削砥石について解説しています。
用途はそれぞれ違いますが、丸ノコのようにケガや事故の多い工具なので是非参考にしてもらえると良いかと思います。
キックバック事故を未然に防ぐための丸ノコ取り扱いのポイント
キックバックとは、回転するノコ刃が切断する材料に挟まったり噛んだ瞬間に、摩擦抵抗が強まったことで生じる反発力で丸のこが突然に後ろ向きに飛んでくる現象です。
つまり、反発力が強いと丸ノコが飛んでくるパワーを手の力で抑えきれず、大けがをすることがあります。
さらに丸ノコの刃が太腿や手、指に接触して大事故になる危険性があります。
安全第一!丸ノコ特別教育で注意すべきキックバックリスク

- 木材が反りがある木材を切断するとき
- 湿った木材や生木の乾燥してない木材を切断するとき
- 厚い木材や硬い木材を切断するとき
- ノコ刃の刃が切断材料と厚さが浅いとき。
- 切り落とす方の材料が傾いたとき
- ノコ刃の真っ直ぐから曲がったとき
このような条件が満たされていないと思っていても、突然キックバックが発生することがあるので十分な安全管理をする必要があります。
また、
注意していてもキックバックを防げない場合は多く、作業姿勢はキックバックが発生してもケガをしにくいように、丸ノコに対して、体を丸のこの真後ろから逃がした中で手や足を丸のこの後ろに置かないなど、いつも危険を予測しての作業が必要になります。
その為、丸ノコの取扱に対して事業主(会社社長)は労働者に対して安全教育として特別教育が必要になります。厚生労働省では、労働安全衛生法第59条第3項の特別教育に準じた教育として、携帯用丸のこ盤作業に従事する労働者に対する安全教育の実施を求めています(平成22年7月14日基安発0714第2号)
実際に丸ノコを扱っていて、太ももを切ってしまうキックバックが起きた際に特別教育を受けていなかったとして、送検された事例もあります。
資格取得を目指す方へ:丸のこ特別教育受講方法解説
愛知・半田労働基準監督署は労働者死傷病報告を遅滞なく提出しなかったとして、㈲ミユキ送電(愛知県岩倉市)と同社の代表取締役を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで半田区検に書類送検した。
労災は平成29年10月4日に同県知多市内の電線工事現場で起きた。同社の労働者が片付け作業中に丸のこを使い廃材を切断していたところ、誤って右太もも上部を切り、22日間休業した。
労働安全衛生法は休業4日以上の労働災害が発生した場合、事業者は遅滞なく労働者死傷病報告を提出しなければならないと定めているが、同社は報告を提出しなかった。同社は現場に2次下請として入場しており、元請や発注者に事故が発覚するのをおそれたためとみられる。同労基署によると、代表取締役は容疑を認めているという。
【令和元年6月10日送検】
労働新聞社引用
このように、丸ノコを取り扱う際は必ず特別教育を受けなければならないということが分かります。
丸のこ等(携帯丸のこ盤、携帯丸のこ、可搬式丸のこ盤)は、誤った使用方法で作業を行った結果、軽微な災害にとどまらず、死亡災害に至るものまであり労働災害を絶たない状況にあります。 厚生労働省から2010年7月14日付けで出された通達に基づき、「特別教育に準じた教育」として、携帯用丸のこ盤を用いた作業に従事する者に対する安全衛生教育になります。
【受講資格】18歳以上の方の方であればだれでも受講できます
丸のこ取扱い作業従事者に必要な安全教育とは?
軍手だと回転工具にまかれてケガをする頻度は高くなるけど、何かつけないといけないよね?何を付ければいいのだろう…
丸のこには携帯用丸のこ、卓上用丸のこ、可搬式丸のこ、ラジアルアームソー、コンクリートソー、等、様々な種類があります。
先述したように、
丸のこ等の正しい使用方法、点検・整備の必要性等の安全知識や正しい取扱い方法を身に付ける必要があるとして、丸のこ等を使用し作業するには資格が必要と定められています。
この丸のこ等を使用し作業するための資格として「丸のこ取扱い作業安全教育」があります。
この丸のこ取扱い作業安全教育には受講資格(制限)はありません。
性別、学歴、経験、現有資格等に関係なく誰でも丸のこ取扱い作業安全教育を受講することができます。
ただし、「年少者労働基準規則」により、満18歳未満の者が丸のこ取扱い業務に就くことは禁止されています。
資格取得のための道筋:丸のこ特別教育受講の手引き

「丸のこ取扱作業安全教育」は仕事として使う場合には資格講習が必要です。
法令上では通達という分類に定められた内容で資格なしで個人で使用された場合も法的な罰則等はありません。
ですが、DIYでは危険な作業で怪我や事故を起こす場合がある為、使用されるのであれば安全な作業方法を学んで資格を取得をした方がいいかと思います。
例えば手袋を使用した作業の場合には軍手では巻き込まれる可能性があるので使用注意とか教えてもらえます。
私も講師したりしています
丸ノコ(丸鋸)特別教育学科内容
丸ノコ特別教育の学科は以下の内容を学びます。
- 携帯用丸のこ盤に関する知識0.5時間
- 携帯用丸のこ盤を使用する作業に関する知識1.5時間
- 安全な作業方法に関する知識0.5時間
- 携帯用丸のこ盤の点検及び整備に関する知識0.5時間
- 関係法令等0.5時間
丸のこ特別教育実技に関わる知識
丸ノコの実技内容は以下の通りになります。
- 携帯用丸のこ盤の正しい取扱い方法0.5時間
「丸のこ特別教育」では、携帯用丸のこ盤に関する知識や安全な作業方法について学ぶことができます。この教育を受けることで、丸ノコの正しい取り扱いや点検、整備に関する知識を身に付けることができます。さらに、関連法令や実技に関する知識も習得することで、より安全で効果的な丸ノコの使用が可能となります。
特別教育は受講がめんどくさい?
職人の皆さんによると、特別教育の受講は監督や元請けから強く勧められるものの、多くの人がその手続きを煩わしいと感じています。では、その特別教育をどこで受講するのか?時代の変化により、実は簡単に受講することが可能です。
受講方法もオンラインや遠隔講座など様々であり、自宅や職場から気軽に受講できる環境も整っています。
現代では、オンデマンドで受講可能なWEB講習が提供されており、手軽に資格取得ができる魅力的な時代になっています。
オンデマンドで受講が出来る特別教育・安全教育はこちら
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職長安全衛生教育 | 解説! | 低圧電気取扱者特別教育 | |
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フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 | 解説! | コンクリートポンプ車特別教育 | 解説! |
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丸ノコの種類とサイズと選び方とは?
丸ノコの種類を選ぶ基準
手持ちで使う丸ノコは、取りつけるノコ刃の外径サイズによって種類がわかれます。
- 85mm
- 125mm
- 147mm
- 165mm
- 190mm
以上の歯の大きさの種類があります。※他にも大きいサイズはありますが代表的なものを紹介
基本的にはこのノコ刃のサイズで、切断できる材料の厚みが決まります。
丸のこではこのサイズを「最大切り込み深さ」として、製品仕様に表示されています。

当然ながら、ノコ刃のサイズが大きくなるほど厚いものを切断できますが、本体が大きく重くなって扱いにくくなります。
深切りタイプもあります。価格帯は高くなりますが、幅広い用途で使いたいのでしたら深切りモデルがプロの職人には人気です。
注意したいのは、傾斜切りをするときはノコ刃を傾ける分だけ切断できる量が浅くなることです。
90度(直角)では約47mmです
147mmサイズの最大切り込み深さは、45度で切断するときは約32mmになります。
つまり、垂木の場合は60mm×45ミリだった場合には斜めでは歯が届かない場合とかあります。
丸ノコのベースが丸ノコの品質を左右する
丸ノコのベースの材質の違いにより、鉄板ベースとアルミベースがあります。
今はフッ素加工ベースもありますね。
鉄板ベースは安価なモデルに多く採用されています。
鉄に黒い塗装を施しているため、使い込んでいって塗装が剥げるとサビやすく、滑りにくくなります。
アルミベースは、いまほとんどの機種に多くさいよされてます。鉄板ベースに比べて軽量なうえ、歪みにくく滑りが良いので、取り回しやすく作業精度が落ちにくいメリットがあります。
さらにフッ素を塗装して、より滑りを良くしたモデルも出ています。
丸のこにも、最近は充電式のコードレスタイプが主流になってきてます。
コードがないので、移動しながら作業することが多いリフォームなどには最適です。
バッテリーを搭載するため重量はアップしますが、それでもコードがない取り回しのしやすいので、以前のようにコードを一緒に切ってしまうことがありません。
丸ノコのチップソーとは? 歯の目立て?

刃の先端に超硬チップを取りつけた丸のこ用のノコ刃を、チップソーと呼びます。
交換用のチップソーを選ぶ際は、外径、内径とともに、歯数をチェックしましょう。
チップソーの歯数は「P」で表示され、同じ外径のチップソーであっても好みのものを取りつけることができます。
歯数は多くなるほど切断面がきれいになりますが、抵抗が大きくなって切断スピードは遅くなります。
反対に歯数が少なくなるほど切断面は荒くバリも発生しやすくなりますが、抵抗が低減して切断スピードは速くなります。
グラインダーと違い刃を交換するには資格は不要です。刃を交換するのはこういうときになります
- 切断面の荒れバリが出やすくなった場合
- 切断時のモーター音が高くなった
- 切り込みの際に刃の進み方が重くなった
- 真っ直ぐに切りづらくなった。
切断の途中で前に進みにくくなったら、無理に押さず、スイッチを切って作業を中断しするように、回転したまま力ずくで動かすとキックバックが発生しやすくなります。
卓上丸のこ(スライド丸のこ)特別教育は必要なのか?

どれだけ丸のこの作業精度が高いと言っても、手持ちで操作している以上はズレやブレがどうしてもでます。
正確な寸法で切り出すような作業には、作業性が良い据え置き型の「卓上丸のこ」や「スライド丸のこ」のほうが適しています。
どちらも安定した台座から伸びた可動式アームに丸のこが固定されているので、アームを上下に動かして切断するので、フリーハンドで扱うときのようなズレやブレがなくキレイに切れます。
角度切り、傾斜切りなども正確に行えるのでプロの大工や金物工はお気に入りを持っています。
スライド丸のこは、アームを前後にスライドできる卓上丸のこです。
卓上丸のこはノコ刃の直径より幅の狭い材料しか切ることができませんが、スライド丸のこはより幅の広い材料を切ることができます。
ただ、スライド丸のこは価格が高く、より広い設置スペースが必要になります。
このように、マキタのスライド丸ノコは、左右の傾斜角を正確に切断することができる分、充電式であっても場所を取ってしまいます。
作業スペースが狭い場所では適さないかもしれませんが、正確に切断できる面はとても優秀なのでおススメです。
電動ノコギリと丸ノコの違い

電動ノコギリは「セーバーソー」とも呼ばれる先端のノコ刃を前後に往復運動させて(丸ノコは回転工具)カットする電動工具です。ただ、こちらは回転工具ではないので資格講習は不要になります。ただしこちらの教育知識は理解が必要です
手で使うノコギリに近い感覚で効率よく作業できるのが特長です。ミリ単位の精度や正確な直角を求める作業には向きません。
このように、解体や庭木の剪定や生木の処分などで使われてます。
ジグソーは細いノコ刃を上下に往復させて、下に置いた材料をカットします。糸ノコのように使え、コントロールしながら曲線を切ることができる電動工具です。
切断工具の中では安全性が高く、木工での用途が広いため、DIYの初心者にオススメです。
丸ノコ(丸鋸)特別教育のまとめ
今回は、丸ノコの危険性と特別教育の必要性について解説していきました。
まとめますと、
- 丸ノコを仕事上扱うのであれば、特別教育を受ける必要がある
- 特別教育を受けなければ、書類送検される事例もある
- 丸ノコを取り扱うのであれば、キックバックに気を付ける
- 電動のこぎりに比べ、使い勝手が良い分事故が多い工具
ですね。
いかがでしょうか?
丸ノコは特に回転速度が速いのでブレーキの確認やチェックはどうすればいいか?など、日常的な点検や使用方法など再度適切に学ぶために受講してみてはどうでしょうか?
チップソーの硬度や丸ノコに合致しているかなど、簡単な機械だからこそ危険が多く勉強してみてはどうでしょうか?
下の記事では、そんな丸ノコとスライド丸のこのおすすめ工具を紹介しているのでよかったら参考にしてみてください。