この記事では、フルハーネス特別教育の受講方法や装着場所での基準などを解説していきたいと思います。
また、2022年以降のフルハーネスの装着基準や改正内容などについても合わせて解説していきたいと思います。
安全帯に変わりフルハーネスが今建設現場では当たり前になってきてるけど
実際にどういった場面で使うんだろう?などと、フルハーネスというものは知っているけど、実際の現場だとどういったときに使うのかよく分からないですよね。
フルハーネス型安全帯というのは、当たり前のように定着してきたと思います。
そこで、実際にどういうものなのかこの器具がどのようにして推奨されたのか、それに関わる特別教育とは何なのかなどの疑問に対して解説していきたいと思います。
フルハーネス装着義務化に関する重要事項

以前は腰に巻いたベルト型の安全帯をつけている人をよく見かけたことがあると思います。
腰袋に道具をぶら下げて安全帯フックがリール式の安全帯が主流でした。
自分が現場に出ている頃は、安全帯の補助を紐がついた二丁掛けが推奨が始まっており、その中で作業をしていました。
しかし腰に巻いた同ベルトでは墜落したときに、内臓の圧迫や腰への負担等も大きく今新しい墜落防止器具としてフルハーネス型安全帯が主流となっています。
では現場では、もう絶対にフルハーネスを使わないといけないのかというとそうでもありません。
ちなみにフルハーネスを使用する現場、このような鉄骨組立においても使用します。また足場作業など現場では高所作業は非常に多い作業です
フルハーネス墜落防止機器の着用のルール

フルハーネス型安全帯の着用ルールは以下のようになります。
今までは「足場の上で安全帯をつけよう」というスローガン的な感じでした。明確な基準はありませんでした。
(※手摺端部とか高さか決まりはありますが、もっと具体的になった思ってください)
高さ6.75メートル以上でフルハーネスの墜落防止機器の着用を例外なく義務付けることになります。
(建設業では高さ5メートル以上です)
建設業では5メートルを超える高さである場合には、例外なしに確実に安全帯をつける義務が発生するということになります。
また、どの業種にも適用がされるので高所作業を伴う制作看板や舞台設営等でも同様のことが適用されます。
補足:高所作業者におすすめしたいフルハーネス
では、このポイントを押さえて今回おすすめするフルハーネスは、新しい安全基準に準じたものとなっています。
ダブルランヤード式になっているので、フックを付け替えるときの落下リスクを抑えるメリットがあります。
また、蛇腹タイプになっているので絡まず、快適に作業を進めることができるのも良い点だといえます。
安全帯が墜落制止用器具として呼び名が変わる
この法の改正で、今まで安全帯と言う名称が今後は、墜落制止用器具として呼ばれるようになります。
一本つりの胴ベルト型の安全帯やハーネス型がこの対象となります。
電柱工事などで使うU字つりの胴ベルトは墜落したときに静止せずに作業姿勢を固定するものであって、こちらは墜落制止用器具には該当しなくなります。
その中で新しい特別教育として、フルハーネス特別教育が誕生しています。
資格取得したらやはり単価と給与はベースアップしたいところです。私も実際3回も転職してます。
ただ、なかなか転職サイトをみても建設業に特化した求人が少ないですよ。
フルハーネスの特別教育が受講しないとダメな理由
この法改正の中で使用の方法を適切に理解させるための事業主が行わなければならない安全教育になります。
当然、このフルハーネスの教育の受講も義務化されています。
高所作業を伴う作業員や労働者は、高さが2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところや、作業床があっても手すり等がない場所では、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に該当する作業員は全て受講する必要があります。
ここがよくわからないところですが、つまり、高さが2メートル以上で作業をする場合は作業床を設けることができないときはフルハーネスの着用を義務付けるということです。
例えば足場の組み立て中や鉄骨の組み立て中では作業床がない場合が必ず出てきます。
その場合は必ずフルハーネスの特別教育を受講しなければなりません。
さらにカーテンウォールのように張り出し足場から作業する場合、手すりがない場合等もありますのでこの際も高さ2メートルを超える場合には特別教育を受講しなければならなりません。
高さ4メートル以下で足場に手すり等作業床もちゃんと整備されている場合で、コーキングを外壁に打つ場合にはフルハーネスの仕様ではなく胴ベルトでも可能になります。
ただ、こじつけみたいな区分けは難しいため、やはり自分に合ったフルハーネスを購入し5メートル以上の作業になることも多い場合には特別教育を今受講しておいた方がいいです。
フルハーネスの使用する区分を理解しよう
導入にあたりやはり新しい資格なので不明点も多いため特別教育のQ&Aはこちらを参考にしてもらえれば、さらに分かりやすいと思います。
宮城・仙台労働基準監督署は、鉄骨からの墜落防止措置を怠り死亡災害を発生させた鉄骨工事業の㈱武田鉄工所(宮城県石巻市)と同社現場代理人を、労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで仙台地検に書類送検した。
労働災害は平成29年12月、宮城県仙台市の鉄骨建方工事現場で発生した。鉄骨の取付け作業をしていた労働者1人が高さ約6.5メートルの鉄骨梁上から落下し、死亡した。
安衛則では、墜落の危険の恐れがある高さ2メートル以上の場所で作業を行う場合、足場を組み立てるなど作業床を設けなくてはならないと定めている。足場を設けることが困難な場合には、労働者に安全帯を使用させるなどの危険防止措置を講じなくてはならない。しかし、同現場には足場などはなく、安全帯も使用させていなかった。
被災労働者は4次下請の立場で入場していたが、実際は1次下請である同社の現場代理人が指揮命令をしていた。
【令和元年10月16日送検】
労働新聞社引用
このように、実際は大丈夫であろうと目視判断で安全管理を怠ると、重大な災害に発展する恐れがあります。
是非、新しい安全基準に準じた管理を事業者側はするようにしましょう。
では次にフルハーネスの講習のカリキュラムを次のページで説明していきたいと思いますので是非チェックしてみてください
フルハーネス:おススメの講習機関はどこ? 簡単に取得できる方法は?

学科と実技に分かれており、学科で4.5時間と実技で1.5時間で受講が必要になります。
- 作業に関する知識1時間
- 墜落制止用器具(フルハーネス型のものに限る。以下同じ。)に関する知識2時間
- 労働災害の防止に関する知識1時間
- 関係法令0.5時間
計4.5時間の学科の講習を受けることが必要になります
実技講習として、墜落制止用器具の使用方法等1.5時間の受講が必要になります。
「墜落制止用器具の使用方法」について1.5時間実施します。
墜落制止用器具のフルハーネスの装着の方法や、ランヤードの取付け設備等への取付け方法、点検及び整備の方法などです。
特別教育は受講がめんどくさい?
職人の皆さんによると、特別教育の受講は監督や元請けから強く勧められるものの、多くの人がその手続きを煩わしいと感じています。では、その特別教育をどこで受講するのか?時代の変化により、実は簡単に受講することが可能です。
受講方法もオンラインや遠隔講座など様々であり、自宅や職場から気軽に受講できる環境も整っています。
現代では、オンデマンドで受講可能なWEB講習が提供されており、手軽に資格取得ができる魅力的な時代になっています。
オンデマンドで受講が出来る特別教育・安全教育はこちら
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SATのフルハーネス特別教育(学科)では、受講者の学習がしっかりと動画で行われたことを確認するため、事業者は監視員を配置する必要がありません(労働局の認可を受けています)。
また、自宅や通勤中など勤務先以外でも、24時間いつでもWEB受講が可能です。
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まとめ
今回は、2019年から施工されているフルハーネスの装着義務やその基準について解説していきました。
まとめますと、
- 安全帯からフルハーネスへと装着義務が変わる
- 装着する高さは、2メートル以上もしくは足場設置が困難な場所
- フルハーネスは墜落防止装置と名称変更
- 2022年までには安全帯からフルハーネスへと移行しなければならない
- 作業に従事する技術者は、特別教育を受けなければならない
ですね。
フルハーネスの導入がまだ出来ていない会社は今後必須になるので、早めに導入を進めることが必須だと思います。
高所作業での使用区分の理解も必要で、値段の高い保護具ですので身を守る商品なので、自分の仕事に合うものを選ぶ必要があります。