この記事では、グラインダーと呼ばれる電動工具の自由研削砥石についての特別教育について解説していきたいといます。
グラインダーってDIYとかでも使う工具なのに特別教育を受ける必要があるのかな?と、このように建設業に従事していない人でも扱える工具なので特別教育の必要性についてよく分からない方がいるのではないかと思います。
ですが、実は意外とグラインダーでの事故が多発している危険な工具でもあります。
そこで、今回は特別教育と共に、研削といしの刃の交換と試運転の時間など安全に使用する方法について解説していきたいと思います。
自由研削砥石の正しい読み方と使い方について

まず、研削(けんさく)する工具の主な役割は以下のようになります。
- 金属をケズリ、なめらかに研磨する
- 研削する砥石は磨くケズる為の石を使用している
ちなみに砥石だけでいうと、包丁を研ぐ場合も砥石を使っています。
工場や製造業では当たり前のように使われますが、建設業の現場でも日常的に使われる資格になります。
サンダーとグラインダー呼び名はどちらが正解?
研削砥石には仕上げた製品を金属を削ったり切断したりする工具であり、名称としてはベビーサンダーやグラインダーなどと呼ばれています。
実は研削砥石工具のことを「ベビーサンダー」呼ぶのは間違っています。
次にその「ベビーサンダー」について解説していきます。
グラインダーとベビーサンダーの違い

ベビーサンダーといわれると、現場では写真のような機械は日常的に見る場合がありますが、実はサンダーという名前ではありません。
正式にはディスクグラインダーといいます。
グラインダーとサンダー違いは用途が違う
普段現場でサンダーと呼んでいますが、サンダーという機械は木材を研磨するような機械を指します。

このように、用途に明確な違いがあるのでグラインダーとサンダーが同じ現場で置かれていたら混同しないよう注意しましょう。
他にも、サンダーと呼ばれる工具は以下の工具があります。
「ベルトサンダー」と呼ばれる、サンディングベルトを巻いて高速回転して使用する工具です。
ベルトサンダーは、部品の細かな角取りから、広範囲の研磨まで使用できるとても小回りの利く工具なので、用途に応じて使用すると良いかと思います。
特別教育で学ぶ─自由研削と機械研削で内容が違う

研削加工には、自由研削砥石と機械研削砥石の2種類がありますので受講する際には注意してください。
自由研削ではおもに携帯用グラインダーなどが該当します。
研削砥石の「自由」とは
簡単にいえば、自分が切断や研磨したい深さなどが自分の手で好きなように調整出来る、ということから「自由」とついています。
機械研削では工作機械などを用いて、固定された場所で常に一定の厚みや仕上げを均一に出来るようになります。
自由研削と機械研削の違いは?
建設業で使われるのは、自由研削砥石の資格となります。
製造業で使われるのは、機械研削砥石となります。
このように、自由研削でも機械を使いますが、意味と用途が違います。
研削砥石を使う作業の資格講習について
砥石の取替えと試運転業務に従事する仕事では以下の教育を受ける必要があります。
- 自由研削砥石の取替え等業務特別教育
- 機械研削砥石の取替え等業務特別教育
どちらかを受講しなければなりませんが、建設業では自由研削、製造では機械研削がいいと思います。
下の記事では、研削砥石とは違い、切削する工具である「丸ノコ」の特別教育について書かれています。
大工に関わる工具となるので、研削砥石とともに使い方など参考にしてみると良いでしょう。
この記事では、丸のこのキックバックや取り扱いに関しての安全作業や、丸のこの刃の種類や特別教育を受ける必要性と受講方法などをまとめていきます。丸ノコって最近DIYでもよく使われているから一般の人でも使っているのに特別教育なん[…]
研削砥石特別教育受講の内容 (自由研削砥石の場合)

自由研削砥石:座学講習の具体的な内容
- 自由研削用研削盤、自由研削用といし、取付け具等に関連する知識…2時間
- 自由研削用といしの取付け技術及び試運転の方法に関連する知識…1時
- 安全衛生関係法令…1時
研削砥石特別教育:実技の受講時間
- 自由研削用砥石の取付け手法及び試運転の方法…2時間
機械研削の場合には全部で10時間になります
研削砥石特別教育における自由研削砥石の座学講習では、自由研削用研削盤や自由研削用砥石、取付け具に関する知識、砥石の取付け技術や試運転方法、そして安全衛生関係法令について学びます。
また、実技の受講時間では、自由研削用砥石の取付け手法や試運転方法に焦点を当てて2時間を費やします。これらの内容を通じて、研削作業における安全性や適切な取り扱い方法を身につけることができます。研削砥石特別教育の受講を通じて、作業中の事故や災害を未然に防ぐための知識と技術を習得し、安全かつ効率的な作業を行うことができるようになります。
研削砥石の取り扱いに関する正しい知識を持ち、適切な技術を習得することは、作業現場において安全を確保し、生産性を向上させる重要な要素となります。
特別教育は受講がめんどくさい?
職人の皆さんによると、特別教育の受講は監督や元請けから強く勧められるものの、多くの人がその手続きを煩わしいと感じています。では、その特別教育をどこで受講するのか?時代の変化により、実は簡単に受講することが可能です。
受講方法もオンラインや遠隔講座など様々であり、自宅や職場から気軽に受講できる環境も整っています。
現代では、オンデマンドで受講可能なWEB講習が提供されており、手軽に資格取得ができる魅力的な時代になっています。
オンデマンドで受講が出来る特別教育・安全教育はこちら
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研削砥石特別教育は事業主の義務
労働安全衛生法第59条第3項では、「事業者は、危険又は害悪な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるケースは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する確か又は衛生のための特別教育を行なわなければならない。
労働安全衛生規則第36条の1にて「危険有害業務」に指定されているため、特別教育を受けなければ業務に従事できません。
法律でこの作業を行う場合には、会社の社長に対して、「危ないから教育してから作業をやらせて下さい」という内容です。
だから免許ではありませんので、「教育を受講」ということになります。
その会社を辞めた場合、厳しい会社では業務内容が変わるので再度受講の場合もあります。
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まとめ
今回は、研削砥石を使用するときに受講する特別教育の必要性やその受講内容について解説していきました。
まとめますと、
- 研削砥石は、使い勝手の良い工具であるが、労災事故の多い工具である
- 仕事で取り扱う場合は、特別教育を受講しておく義務がある
- グラインダーとサンダーは混同しやすいが、サンダーは主に木材を研磨するものなので注意する
ですね。
普段使う汎用性の高い機械工具で実際に研磨歯の破損による歯が割れて飛散したり、グラインダーの安全カバーを外して、キックバックによる切断や労災事故は多数起きています。
簡単だからこそ1番ケガの多い道具です。必ず受講してください。
ちなみに私はこの資格の安全教育をたまに皆さんに教えてます。この記事を読んで重要性がわかった方はぜひこちらの資格取得を目指して欲しいです。