ここでは、コンクリート圧送作業に必要な資格を取得する方法を解説していきたいと思います。
コンクリート圧送とは、建設する際にコンクリートを流し込む(圧送する)作業を指します。
そして、コンクリート圧送するために必要なコンクリート車は、運転する免許の他にコンクリート圧送作業を行うための資格を取得する必要があります。
それが今回は簡単に取得できる方法を教えていきたいと思います
コンクリートポンプ車:ピストン・スクイズの違い
まず、コンクリート圧送に必要な資格を知る前にコンクリートの圧送車について解説していきます。
コンクリートポンプ車とは?
コンクリートの圧送車は、通称「コンクリートポンプ車」と呼ばれる車両でトラックやトレーラなどの車両を改造(架装)して作られたものになります。
小さいもので2トントラックほどのものから、大きいもので20トントレーラ以上のものまで様々な大きさがあります。
コンクリートポンプ車には、コンクリートを圧送する配送管を、目的の場所に流し込むために「ブーム」と呼ばれるもので操作していきます。
ブームの長さは改造された部分の大きさによって異なり、2トントラックほどの大きさの車両では8mほど、20トンクラス以上の車両であれば36mほどの長さがあります。
ブームは通常、折りたたまれており、コンパクトな輸送をすることが可能となっています。
コンクリートポンプ車:ピストンとスクイーズの違い
次にコンクリートポンプ車の種類について解説していきます。
コンクリートポンプ:スクイーズポンプ形式
コンクリートを物理的に絞り出して圧送するポンプ形式です。
ポンピングチューブと呼ばれるゴム製のチューブを利用して、ローラーを回転させる力を使って歯磨き粉を絞り出しようにコンクリートを圧送することができます。
長所としてはチューブの内圧を真空に近い状態に減圧出来してコンクリートを押し出しするので、輸送配管やホッパーの残コン少なく、生コン車にホッパー返しが出来ます※本来はやってはいけないことですが・・・残コンの量が少なく経済的になります
短所はチューブが摩耗しますのでメンテナンスも必要で機械がパンク・故障するとコンクリートをまき散らすことになります。コンクリートの種類もありますがスランプの低いコンクリートは圧送出来ないデメリットがあります
コンクリートポンプ:ピストンポンプ形式
「ピストン(コンクリートピストン)」と「バルブ(弁)」がついており、水鉄砲のように押したり引いたりすること(油圧シリンダ)でコンクリートを圧送するポンプです。
長所は打設スピードが早いし 遠くまで長い配管が出来るのが特徴です。ピストンで押し出しするのでスランプの固いコンクリートも大丈夫ですね。 短所はやはり、配管のやホッパーの残コンが必ず出ます。 生コン車にホッパー返しは出来るとしても必ず残コンが出ますの清掃等のあと片付けが大変です。
コンクリートポンプ車のワンマン・ツーマンとは?
コンクリートポンプ車がコンクリートを打設する場所に近づけられないときや、ブームでは届かない場所で使用する方法です。
配管式を使用する場合は、人力で配管繋いでを配置し、打設箇所に至近距離でコンクリートを流し込んでいきます。
圧送するときの圧力、コンクリートの重さなどもあるので、コンクリート圧送職人はポンプの配置、配管の経路などを見定めながら作業を行う必要があります。
生コン圧送車を運転してくる人が当然いますよね。その人が機械操作してホース持って作業してやってきます。
その作業する一人だとワンマン・二人だとツーマンとかになります。打ち込み場所が遠い場合などはツーマンで来たりします。値段表も参考にこちらを見てもらい参考してください
ポンプ車 配管費用・労務単価費用はこちらから
現場で知っておきたい知識として、ポンプ車の大きさ、資格についてまとめいきたいと思います。
ポンプ車の車体大きさ・長さはどれぐらい?
車の種類 | 車両全長 | 車両幅 | 車両高さ | ブーム地上高高さ |
2t車小スクイーズ | 5155mm | 1695mm | 2680mm | 11m |
2t車大スクイーズ | 5580mm | 1890mm | 2750mm | 14m |
3.5tスクイーズ | 6680mm | 2060mm | 2750mm | 17m |
5.5tスクイーズ | 7500mm | 2240mm | 3000mm | 19m |
5.5tピストン | 7500mm | 2240mm | 3000mm | 19m |
8tピストン | 9490mm | 2490mm | 3500mm | 25.7m |
コンクリート圧送以外に必要な資格とは?
コンクリートポンプ車を運転するのに必要な免許は、運転するコンクリートポンプ車によって異なります。
運転に関しては、他の建設車両と同じく中型か大型の特殊自動車免許を取得する必要があります。
運転するだけであれば、運転免許を取得しておけば良いのですが、冒頭で紹介したようにコンクリート圧送作業を行うのであれば別の資格を取得する必要があります。
コンクリート圧送特別教育を取得
建設現場でコンクリートポンプ車を操縦し、打設作業を行うには「車両系建設機械(コンクリート打設用)」の特別教育を受講し、「特別教育終了証」を取得する必要があります。
具体的には、労働安全衛生関係法令に基づく、「車両系建設機械(コンクリート打設用)の作業装置の操作の業務に係る特別教育」を修了することが義務づけられています。
違反した場合は、労働安全衛生法第119条に定める罰則が適用されます(6ヶ月以上の懲役または50万円以下の罰金)
この特別教育は、一度修了すれば永久にその効力が認められるものですが、時間の経過とともに教育内容を忘れてしまったり、慣れなどから作業手順を省略し、思わぬ災害を招くことを防止する為の資格です。
労働基準局通達「安全衛生教育の推進について」により、「特別教育を必要とする業務に従事する者」への安全衛生教育の実施時期として、「当該業務に初めて従事する時」(初回特別教育) に加えて、おおむね5年ごとに再教育が必要になります。
コンクリート打設用の特別教育を受講するには、コンクリートポンプ車を取り扱うメーカー、組合、コンクリート圧送を事業としている会社などで受講することができます。
おススメの講習機関はどこ? 簡単に取得できる方法は?
コンクリート圧送特別教育を受講するのか?
通常通りに講習機関で受講
一般社団法人 全国コンクリート圧送事業団体連合会
例えばこのような教習所にいくのが一般的ですね
でも・・・・時間が合わない。現場が忙しいと皆、事情があります・・・中にはメンドクサイって人も
最新の受講の方法はこちら!
今の時代は、こちらの受講はなんと、オンデマンドで受講が出来る!
どうせ値段も高いと思いますが、安価で講習修了証もすぐに届くのがポイント!
そんな、WEB講習で資格講習を受講しても大丈夫なの?
特別な教育の動画学習をするためのルールがあって、厚生労働省からお知らせがあります。
監視者がいないと受講生が途中で離席できる可能性がある場合など、指定の学習時間以上の教育が行われない状況は認められないとされています。
実際、顔認証を導入していない他社では、無効になったケースが報告されています。
SATの安全衛生教育コースでは、労働局が承認したAI顔認証システムによって確実に受講が保証され、いつでもどこでもPCやスマートフォンから受講できます。修了後は、プラスチックカード版は5営業日以内に修了証が送られます。※複数人で申し込む場合は、全員分の修了証を作成してから発行されます。
※クレジットカード・AmazonPay・PayPayでお支払いいただいた場合、すぐに受講できます。
※銀行振込・コンビニ払いでお支払いいただいた場合、入金後に受講できます。
コンクリート圧送特別教育をすぐに受けたい・最短取得可能
どうせ、日程も決まって受講しないとならないでしょ? 元請けからも明日までに受講とか言われる事もあるし・
実は大丈夫です!
SATの足場の組立等特別教育(学科)では、受講者の学習がしっかりと動画で行われたことを確認するため、事業者は監視員を配置する必要がありません(労働局の認可を受けています)。
また、自宅や通勤中など勤務先以外でも、24時間いつでもWEB受講が可能です。
ただし、親方・会社の社長から所定の実技講習をオンデマンドで受講後に受けるようにしましょう。
実技は、各事業所様において「実技実施責任者(経験者)」を選任のうえ、必要な工具・機械等を準備し実習を行ってください。その際、実技実施責任者と同一場所で対面のもと実施します。個人事業主の場合は、お取引先などの経験者の方を実技実施責任者として選任ください。
法令では、
・「車両系建設機械(コンクリート打設用)の作業装置の操作」について4時間以上
・「車両系建設機械(コンクリート打設用)の運転のための合図」について1時間以上の実施が定められております。
プロ資格:コンクリート圧送施工技能士
特別教育以外にも取得しておくと良い資格があります。
コンクリート圧送施工技能士とは、より大規模な現場で作業を行う際に必要となる資格であり、国家資格として指定されています。
建設会社によっては、特別教育だけでなく、この資格を取得していることがオペレーターになる条件として挙げているところもあります。
コンクリート圧送施工技能士:受験条件・受験内容
コンクリート圧送施工技能士の資格を取得するためには下記の受験条件をクリアする必要があります。
- 2級コンクリート圧送施工技能士…実務経験2年以上
- 1級コンクリート圧送施工技能士…実務経験7年以上(2級所持の場合は2級取得から2年以降)
試験内容は実技試験(判断等試験と計画立案等作業試験)と、学科試験の2つを受験する必要があります。
意外と事故も多いポンプ車の事故は?労災事例を知っておくのは非常に重要ですね。次にまとめてみました。
コンクリートポンプ車圧送労災事故
道路改良工事においてコンクリートポンプ車を用いて生コンクリートの圧送作業を行っていた作業者1名が、振れたホースに激突された労災があります。
コンクリートポンプ車を用いて100m3の生コン打設でした。
元請会社の現場所長ほか5名及び2次下請の被災者を含む3名が現場において作業を行っていた事例になります・
コンクリート打設に関しては、被災者を含む2次下請の作業者2名がホースの先端を持って生コンクリートの打設作業を行い、他の1名がコンクリートポンプの操作を行っていた。
生コンクリートが配管の途中に詰まったことから、被災者がこれを取り除こうとして輸送管とホースとの接続部を切り離したところコンクリートが吹き出すとともにホースが振れ、被災者は振れたホースに激突され、即死したものである。
やはり経験と適切な知識がないと死亡事故にもつながるポンプ工の仕事には経験がないとこのような事故が発生します。
実際には、打ち込みのときは土工がバイブレーター持って、ポンプ屋と喧嘩している場合もあります。
バイブレーターで生コンは締め固めていくのですが、流し込むのはポンプ屋さんになり流し込むスピードが速いと土工は締め固めが追いつかないで言い合いになっていたのを思い出した・・・
まとめ
今回は、コンクリート圧送をする上で必要な資格について解説していきました。
コンクリート圧送に取得しておくべき(しておくと良い)資格は下記の通りです。
- 建設車両に関わる運転免許証(中型特殊・大型特殊)
- 「車両系建設機械(コンクリート打設用)の作業装置の操作の業務に係る特別教育」
- コンクリート圧送施工技能士
一見すると、コンクリート圧送に資格が必要なのかと疑問に感じるかもしれませんが、実際に様々な労災事故が起きています。
上記にあげた3つの資格を取得していなければオペレーターとして作業に従事することもできない建設会社もあるのでコンクリート圧送の作業を専門に行うのであれば取得すべきといえるでしょう。