1級建築施工管理技士・第一次検定において、「金属屋根」と「瓦工事」は、材料の特性から施工の注意点まで、実務的な数値や工法が非常に出題されやすい頻出分野です。
特に近年は、耐風性能や防水対策に関する基準のアップデートも多く、正確な知識のアップデートが合格への鍵となります。
この記事では、試験直前でも効率よく得点を積み上げられるよう、
- 金属屋根(折板・瓦棒など)の固定方法や重ね幅
- 瓦工事におけるガイドライン工法や釘打ちの規定
- 過去問の傾向を分析した「ひっかけポイント」
を中心に、図解を交えて分かりやすく解説します。類似問題の演習を通して、本番で「どっちだったっけ?」と迷わない確実な解答力を身につけていきましょう。
まずは、金属屋根の施工における最も重要な3つの管理ポイントから見ていきましょう。
目次
- 1 1級建築施工管理技士過去問類似問題10問にチャレンジ
- 1.1 【問1】折板屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.2 【問2】溶接工事における下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.3 【問3】タイトフレームの溶接施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.4 【問4】金属製屋根の雨押え等の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.5 【問5】心木なし瓦棒葺の吊子の取付けに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.6 【問6】屋根工事に使用する釘の材質に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.7 【問7】引掛け桟瓦葺の施工順序に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.8 【問8】金属屋根の役物(やくもの)工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.9 【問9】屋根工事の共通事項に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 1.10 【問10】屋根の防水および排水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2 1級建築施工施工管理技士屋根工事解答と解説(正解は「不適当なもの」)
1級建築施工施工管理技士過去問の問題をマンガでわかりやすく説明そ屋根工事

1級建築施工施工管理技士過去問問題をマンガで説明その2 屋根工事

1級建築施工管理技士過去問屋根工事「ひっかけ」対策表

| 項目 | 正しい内容(合格基準) | ひっかけキーワード(要注意!) | 重要度 |
|---|---|---|---|
| 折板の尾垂れ | 軒先の先端部を「15°程度下方に曲げる」 | 「上方に曲げる」や「30°曲げる」 | ★★★ |
| 溶接の下地処理 | タイトフレーム等の溶接面は「防錆塗装を除去」してから行う | 「塗装したまま」行う(※最も多いひっかけ) | ★★★ |
| タイトフレーム溶接 | 立上がり部分の縁から「10mm残して」隅肉溶接 | 「縁まで全部」溶接する | ★★☆ |
| 水上の雨押え | 壁際の立上り高さは「250mm以上」とする | 「150mm以上」とする | ★★☆ |
| けらば包みの継手 | 重ね幅は「60mm以上」とし、定形シールを挟む | 「40mm以上」や「シールなし」 | ★☆☆ |
| 吊子のサイズ | 心木なし瓦棒葺:幅30mm、長さ60mm以上 | 「長さ30mm」など数値の入れ替え | ★☆☆ |
| 釘の材質 | メッキ鋼板には「ステンレス製」または同種の釘を使用 | 「鉛めっき製」を使用する | ★★☆ |
| 瓦の縦桟木 | 引掛け桟瓦葺:「縦桟木」の上に「横桟木」を打つ | 「横桟木の上に縦桟木」と順序が逆 | ★☆☆ |
特に注意すべき一級建築施工管理技士「ひっかけ」の解説
1. 溶接と塗装のルール(超頻出!)
「タイトフレームを塗装したまま溶接した」という選択肢は間違いです。
- 理由: 塗装があると溶接不良(欠陥)の原因になります。必ずグラインダーなどで塗装を剥がしてから溶接し、その後に補修塗装をするのがルールです。
2. 折板屋根の「尾垂れ」と「水上」
- 尾垂れ(軒先): 雨水が裏に回らないよう、15度下へ曲げます。
- 止水面戸(水上): 水上側(高い方)には、風で雨が吹き込まないよう「面戸(めんど)」を取り付けます。
3. 壁際立上りの数値
- 雨押え: 150mmという数字が選択肢によく出ますが、正しくは250mm以上です。数字のひっかけに注意してください。
4. 瓦工事の順序
- 桟木(さんぎ): 雨水の排水を良くするために、まず下地に「縦桟木」を流し、その上に瓦を引っ掛ける「横桟木」を打ちます。
1級建築施工管理技士過去問類似問題10問にチャレンジ
【問1】折板屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 軒先の先端部には、雨水が裏面に回るのを防ぐため、15度程度下方に折り曲げる「尾垂れ」を設けた。
- タイトフレームと折板を固定するボルトの締め付けは、中央部から軒先に向かって順次行った。
- 水上側の端部には、強風による雨水の浸入を防ぐため、止水面戸を取り付けた。
- 軒先の「尾垂れ」の加工において、折り曲げる角度を30度とした。
【問2】溶接工事における下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- タイトフレームの溶接を行う際、溶接箇所の防錆塗装をグラインダーで除去してから作業を行った。
- 高力ボルト接合部において、摩擦面となる範囲の防錆塗装を除去し、黒皮を取り除いた。
- 作業効率を優先し、タイトフレームの防錆塗装の上から直接隅肉溶接を行った。
- 溶接終了後、溶接部周辺のスラグを清掃し、直ちに補修塗装を施した。
【問3】タイトフレームの溶接施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- タイトフレームの隅肉溶接は、立上がり部分の縁(端部)まで欠損なく全周溶接した。
- タイトフレームの立上がり部分の溶接は、上端の縁から10mm程度残して行った。
- 溶接棒は、母材の材質に適合し、かつ乾燥したものを使用した。
- 溶接作業の管理において、アンダーカットやピットなどの欠陥がないことを目視で確認した。
【問4】金属製屋根の雨押え等の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 水上の壁際における雨押えの立上り高さは、250mm以上確保した。
- けらば包みの継手の重ね幅は、60mm以上とし、定形シールを挟み込んだ。
- けらば包みの継手の重ね幅を40mmとし、シール材を使用せずに固定した。
- 軒先等の水下側の立上り高さは、水上側より低い数値(150mm程度)とした。
【問5】心木なし瓦棒葺の吊子の取付けに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 吊子の材質は、屋根葺き材と同種の材質のものを使用した。
- 吊子のサイズは、幅を30mm、長さを60mm以上とした。
- 吊子の取付け間隔は、一般部において600mm程度とした。
- 吊子のサイズを、幅60mm、長さ30mmとして取り付けた。
【問6】屋根工事に使用する釘の材質に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 塗装メッキ鋼板の取付けにおいて、異種金属接触腐食を防ぐためにステンレス鋼製の釘を使用した。
- 銅板葺きの取付けにおいて、同種の材質である銅釘を使用した。
- メッキ鋼板の腐食を防止するため、釘には鉛めっき製のものを使用した。
- ステンレス鋼板の取付けには、ステンレス鋼製の釘またはボルトを使用した。
【問7】引掛け桟瓦葺の施工順序に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 瓦下地において、雨水の排水を円滑にするため、まず縦桟木を打ち、その上に横桟木を打った。
- 瓦の割付けに合わせ、先に横桟木を打ち、その上に縦桟木を直交させて固定した。
- アスファルトルーフィングの重ね幅は、上下(長手)方向に100mm以上とした。
- 軒先瓦の取付けには、ステンレス鋼線等を用いて強固に固定した。
【問8】金属屋根の役物(やくもの)工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 軒先部において、折板の先端を15度下方に曲げる加工を施した。
- けらば包みの継手部分には、止水性を確保するために定形シール材を併用した。
- 壁際の雨押えにおいて、防水性を高めるため立上り高さを200mmとした。
- 谷樋の継手の重ね幅は、一般に屋根の勾配に応じて150mm~200mm以上とした。
【問9】屋根工事の共通事項に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 折板屋根の運搬・荷揚げに際し、製品に傷や変形が生じないよう養生を行った。
- タイトフレームの溶接において、風速が強い場合は適切な防風措置を講じるか作業を中止した。
- 瓦棒葺において、吊子の長さは30mmあれば十分であると判断し施工した。
- 瓦の桟木に使用する木材は、腐朽しにくいもの、または防腐処理を施したものを使用した。
【問10】屋根の防水および排水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 瓦下地の縦桟木は、横桟木の下に通すことで、万一浸入した雨水の排水路を確保した。
- メッキ鋼板屋根に使用する釘は、電蝕(ガルバニック腐食)を考慮して選定した。
- けらば包みの重ね幅は、雨水の浸入を防ぐため60mm以上とした。
- 折板の尾垂れ加工において、先端を上方に30度曲げることで雨水のキレを良くした。
1級建築施工施工管理技士屋根工事解答と解説(正解は「不適当なもの」)
- 問1:4(30度は×。正しくは15度下向き)
- 問2:3(塗装の上からは×。必ず塗装を除去する)
- 問3:1(縁まで全部は×。10mm残すのが正解)
- 問4:3(40mm・シールなしは×。60mm以上・シールあり)
- 問5:4(長さ30mmは×。長さ60mm以上)
- 問6:3(鉛めっき釘は×。ステンレス製か同種)
- 問7:2(横が上。縦が下が正解)
- 問8:3(200mmは×。水上の雨押えは250mm以上)
- 問9:3(30mmは×。60mm以上必要)
- 問10:4(上向き30度は×。下向き15度)
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