一級建築施工管理技士を目指す皆さん、試験勉強は大変だと感じることがありますよね。しかし、鋼構造・座屈・溶接・高力ボルトに関するキーワード攻略法を、マンガと過去の出題傾向を通じて学んでみませんか?この記事では、狙われやすいポイントや値の入れ替えに焦点を当てた類似問題10問(4択)をご提供します。私も一級建築施工管理技士を保有している経験を踏まえ、試験対策のヒントをお伝えいたします。是非、お読みください。
目次
- 1 1級建築施工管理技士過去問マンガで説明する鋼構造の頻出ポイントと解説
- 2 1級建築施工管理技士 過去問類似問題10問にチャレンジ【鋼構造・座屈・溶接・高力ボルト】
- 2.1 問1:座屈と幅厚比・細長比に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.2 問2:溶接接合(完全溶込み・スカラップ)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.3 問3:柱梁接合部ディテール(ダイアフラム・スチフナ)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.4 問4:高力ボルト接合(摩擦接合・疲労)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.5 問5:鋼材の性質(ヤング係数・横座屈)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.6 問6:接合部施工(高力ボルトと溶接の併用)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.7 問7:スカラップ工法・ノンスカラップ工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.8 問8:合成梁・シヤーコネクターに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.9 問9:スチフナ(中間スチフナ・荷重点スチフナ)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.10 問10:鉄骨造の構造計画・接合ディテールに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 2.11 【1級建築施工管理技士 過去問類似問題 解答とポイント】
1級建築施工管理技士過去問マンガで説明する鋼構造の頻出ポイントと解説

鋼構造(座屈・溶接・ボルト・性質)の1級建築施工施工管理技士重要ポイント表
| 項目 | 重要度 | 過去問の「ひっかけ」キーワード | 対策のポイント |
|---|---|---|---|
| ヤング係数 | ★★★ | 「高強度鋼(SN490等)を使うと、たわみにくくなる」 | ヤング係数は全鋼材共通。 強度が上がっても「たわみ量」は変わらない。 |
| 幅厚比 | ★★☆ | 「幅厚比の数値が大きいほど、局部座屈しにくい」 | 「厚いほど強い」ので、幅厚比(幅÷厚さ)は小さいほど有利。 |
| 横座屈 | ★★☆ | 「角形鋼管は、H形鋼に比べて横座屈を起こしやすい」 | 鋼管はねじれに強く、横座屈しにくい。 |
| 溶接とボルト | ★★★ | 「溶接を先に行い、高力ボルトを後で締めれば強度を合算できる」 | 常に「ボルトが先」。熱の影響を避けるためと覚える。 |
| 摩擦面 | ★★☆ | 「接合面は滑らかにするため、錆を取り除き塗装を施す」 | 赤錆状態(またはブラスト)が基本。塗装は滑るのでNG。 |
| スカラップ | ★★☆ | 「ノンスカラップ工法は、加工が容易だが変形能力に劣る」 | 穴がない分、変形能力(粘り強さ)に優れるのがメリット。 |
| スチフナ | ★☆☆ | 「中間スチフナは、フランジの座屈を防ぐために設ける」 | スチフナは「横っ腹」であるウェブの座屈防止。 |
1. 「座屈(ざくつ)」を防ぐ知恵
「座屈」とは、長い棒や薄い板に力をかけると、折れる前に「グニャッ」と曲がってしまう現象です。
- 幅厚比(はばあつひ)の制限: 鋼材の板が薄すぎると、ペコっと凹みます(局部座屈)。それを防ぐために「板の厚さに対して幅を広げすぎない」というルールがあります。
- 細長比(さいちょうひ): 細長いストローほど、上から押すとすぐ曲がりますよね。細長い部材は耐力が下がるので注意が必要です。
- 横座屈(よこざくつ): 梁(横棒)に重みがかかると、横にねじれるように曲がることがあります。
- 鋼管(丸や四角)はねじれに強いので、横座屈しにくい。
- コンクリート床と合体している梁も、床が支えになるので横座屈しにくい。
2. 溶接(くっつける)のルール
- 完全溶込み溶接: 母材と一体化するほどしっかり溶かす方法。管理が良ければ、母材と同じ強さとみなせます。
- スカラップ: 溶接線が交差するところに作る「逃げ道(切り欠き)」。溶接の熱で金属が悪くなるのを防ぎます。最近は、この穴を作らないノンスカラップ工法の方が、変形に強いため主流になりつつあります。
- ダイアフラム: 柱と梁のつなぎ目に挟む板。力がスムーズに流れるように補強する「仕切り板」のような役割です。
3. 高力ボルト(強力なネジ)のルール
- 摩擦接合(まさつせつごう): ネジの締め付ける力で、板同士を強力に押し付け、「摩擦」で滑らないように固定する方法です。
- 赤錆(あかさび): 表面がツルツルだと滑るので、あえて少し錆びさせてザラザラ(赤錆状態)にするのが標準です。
- 応力集中: 普通のボルトは穴の縁に負担がかかりますが、高力ボルトは面全体で支えるため、穴周辺の負担(応力集中)が少なくて済みます。
- 溶接との併用: 基本は「溶接」と「ボルト」の強さを足し算してはいけませんが、先にボルトを締めてから後で溶接する場合に限って、両方の力を合わせて計算できます。
4. 鋼材の性質

- たわみの不思議: 鋼材の種類(SN400やSN490)を変えても、実は「変形しにくさ(ヤング係数)」は変わりません。そのため、同じ重さをかければ、強度が違う鋼材でも「たわむ量」は同じです。
- 中間スチフナ: 梁の横っ腹(ウェブ)がペコっと潰れないように立てる「つっかえ棒」のような補強板です。
1級建築施工管理技士 過去問類似問題10問にチャレンジ【鋼構造・座屈・溶接・高力ボルト】
問1:座屈と幅厚比・細長比に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 圧縮材において、有効細長比が大きくなると座屈耐力は低下する。
- 板要素の局部座屈を防止するため、幅厚比に制限が設けられている。
- H形鋼梁は、円形鋼管柱に比べて曲げモーメントに対する横座屈が生じにくい。
- シヤーコネクターで床スラブと結合された鋼製梁は、横座屈が生じにくい。
問2:溶接接合(完全溶込み・スカラップ)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 完全溶込み溶接の許容応力度は、十分な管理下では母材の許容応力度と同じにできる。
- スカラップは、溶接線の交差による材質劣化を防ぐために設けられる切り欠きである。
- ノンスカラップ工法は、スカラップ工法に比べて接合部の変形能力が低下する。
- 片面溶接による部分溶込み溶接は、ルート部に引張応力が作用する箇所に使用してはならない。
問3:柱梁接合部ディテール(ダイアフラム・スチフナ)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 角形鋼管柱とH形鋼梁の剛接合部には、応力伝達のためダイアフラムを設ける。
- ダイアフラムは、柱の内部や外周に設ける仕切り板のような役割を持つ。
- 梁ウェブのせん断座屈を補強するため、材軸と直角方向に中間スチフナを配置する。
- 中間スチフナは、主として柱から梁フランジへの応力を伝えるために用いられる。
問4:高力ボルト接合(摩擦接合・疲労)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 摩擦接合の摩擦面は、浮き錆を除去した赤錆状態を標準とする。
- 引張力とせん断力を同時に受ける場合、許容せん断応力度は引張力により低減させる。
- せん断応力のみを受ける高力ボルト接合では、繰返し応力による疲労を考慮する必要がある。
- 高力ボルト摩擦接合は、普通ボルト接合に比べて穴周辺の応力集中が少ない。
問5:鋼材の性質(ヤング係数・横座屈)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 鋼材のヤング係数は、SN400とSN490でほぼ同じ値である。
- 梁の材質をSN400からSN490に変更しても、荷重と断面が同じならたわみは変わらない。
- 構造用鋼管は、ねじれ剛性が低いためH形鋼よりも横座屈が生じやすい。
- 建築構造用圧延鋼材(SN材)は、溶接性や変形能力が考慮された鋼材である。
問6:接合部施工(高力ボルトと溶接の併用)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 高力ボルトと溶接を併用する場合、先に溶接を行ってからボルトを締め付けるのが原則である。
- 先に高力ボルトを締め付け、その後に溶接を行う場合は、両方の許容耐力を加算できる。
- 高力ボルト摩擦接合のすべり係数は、自然発生の赤錆状態で0.45以上を確保できる。
- 溶接技能者の資格は、板厚、溶接方法、溶接姿勢ごとに定められている。
問7:スカラップ工法・ノンスカラップ工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- スカラップは、溶接の熱影響による脆性破壊を防止する目的で設けられる。
- ノンスカラップ工法は、梁フランジの溶接部に切り欠きを作らない工法である。
- 近年の高層建築等では、耐震性を高めるためノンスカラップ工法が推奨されている。
- ノンスカラップ工法を採用した場合、スカラップ工法に比べ溶接欠陥が発生しやすくなる。
問8:合成梁・シヤーコネクターに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- シヤーコネクターは、鋼製梁とコンクリートスラブを一体化させる部材である。
- 頭付きスタッドは、シヤーコネクターの一種として一般的に用いられる。
- 合成梁とすることで、梁単体の場合よりも剛性が向上し、たわみを抑制できる。
- 梁の上端フランジがコンクリートに拘束されていても、横座屈の検討は省略できない。
問9:スチフナ(中間スチフナ・荷重点スチフナ)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 中間スチフナは、ウェブプレートのせん断座屈を防ぐために有効である。
- 荷重点スチフナは、集中荷重によるウェブの局部座屈を防止するために設ける。
- 中間スチフナは、梁の材軸に対して平行方向に配置するのが一般的である。
- スチフナとフランジの溶接は、応力集中を避けるための配慮が必要である。
問10:鉄骨造の構造計画・接合ディテールに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 大規模な構造物の筋かい(ブレース)には、H形鋼や鋼管が用いられることが多い。
- 露出柱脚よりも、根巻き柱脚の方が柱脚部の回転拘束力を高くすることができる。
- 完全溶込み溶接によるT継手の余盛は、応力集中を緩和するために完全に削り取る必要がある。
- 鋼材の引張応力度を計算する際、高力ボルト摩擦接合ではボルト孔による欠損を考慮する。
【1級建築施工管理技士 過去問類似問題 解答とポイント】
- 問1:3(鋼管の方が横座屈しにくい)
- 問2:3(ノンスカラップの方が変形能力は向上する)
- 問3:4(柱から梁フランジへの応力伝達はダイアフラムの役割)
- 問4:3(摩擦接合では疲労を考慮しなくてよいのが一般的)
- 問5:3(鋼管はねじれ剛性が高く横座屈しにくい)
- 問6:1(ボルトが先。溶接が先だと熱でボルトが緩むため加算不可)
- 問7:4(適切に施工すれば欠陥が増えるわけではない)
- 問8:4(床に拘束されていれば横座屈は生じないとみなせる)
- 問9:3(中間スチフナは材軸に「直角」方向)
- 問10:3(余盛は適切に残すのが標準。無理に削ると弱くなる場合がある)
この10問がスムーズに解ければ、鉄骨構造(鋼構造)の基本・応用問題はほぼマスターできています。