「一級建築施工管理技士」の学科試験(第一次検定)で頻出する「基礎設計と直接基礎」。これは、受験生にとっては重要なポイントであり、合否を決定づける重要なテーマです。本記事では、このテーマに焦点を当て、点数アップに繋がるポイントと、間違いやすい「ひっかけポイント」を詳しく解説します。1級建築施工管理技士を保有する筆者が、自らも苦手だったこの分野を徹底的に攻略し、解説します。合格に向けてしっかりと準備をしたい皆さんのお役に立てる情報をお届けします。
試験では「独立基礎とべた基礎の比較」や「剛性と沈みの関係」が非常によく狙われます。
目次
1級建築施工管理技士過去問類似問題5問にチャレンジ
第1問:地盤の許容応力度と形状
直接基礎の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 基礎底面の面積が同じであっても、基礎の形状が正方形か長方形かによって、地盤の許容応力度は異なる。
- 基礎の根入れ深さが深くなるほど、地盤の許容応力度は一般に大きくなる。
- 地盤の許容応力度は、基礎の幅(短辺の長さ)には関係なく、基礎の面積のみによって決定される。
- 長方形基礎の場合、短辺方向の幅が広いほど、地盤の支持力係数は有利に働く。
第2問:基礎梁の役割
基礎の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 基礎梁の剛性を大きくすることにより、各基礎(フーチング)の沈下を平均化させることができる。
- 基礎梁は、地震時の水平力による基礎の回転や移動を抑制する役割を持つ。
- 建物に不同沈下が生じるおそれがある場合、基礎梁を設けることは建物の剛性を高める上で有効である。
- 基礎梁の剛性を極めて大きくしても、基礎フーチング自体の沈下量には全く影響を与えない。
第3問:水平力と滑動
直接基礎の安定性に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建物に地震力や風圧力などの水平力が作用するときは、基礎底面と地盤との間の滑動に対する抵抗を検討しなければならない。
- 基礎の滑動に対する抵抗力(滑動抵抗)は、基礎底面の鉛直荷重(建物の重さ)が大きいほど大きくなる。
- 滑動に対する安全率の検討において、基礎側面の土圧による抵抗は、一般に考慮しないことが多い(安全側の判断)。
- 直接基礎の滑動抵抗は、地盤の種類に関わらず、基礎の埋込み深さのみによって決定される。
第4問:沈下の許容値
地盤の沈下に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 圧密沈下の許容値は、一般に「べた基礎」よりも、一つひとつの基礎が独立している「独立基礎」の方が小さく(厳しく)設定される。
- 不同沈下(不同沈下)とは、建物の一部が他よりも大きく沈下し、建物が傾く現象をいう。
- 建物全体の平均沈下量が許容値以内であれば、不同沈下が生じていても建物の構造安全性に影響はない。
- 沈下の影響を検討する際、地盤の調査深度は基礎スラブの大きさや形状を考慮して決定する。
第5問:地盤調査と基礎設計
地盤調査および基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 直接基礎において、地盤の調査深度は、基礎からの荷重が地盤に影響を及ぼす範囲を考慮して決定する。
- 粘土質地盤では、即時沈下よりも時間をかけて生じる「圧密沈下」の方が問題となることが多い。
- 基礎スラブの剛性が高いほど、基礎底面の地盤反力(地盤からの押し返す力)の分布は均一に近づく。
- 地盤の許容応力度を求める際、基礎底面より下にある軟弱層の存在は考慮しなくてよい。
1級建築施工管理技士類似問題【解答と解説】
- 第1問:3
- 解説: 地盤の支持力(許容応力度)は、基礎の「幅(B)」の影響を大きく受けます。幅が広いほど、地盤を深く押し込むため支持力は大きくなります。
- 第2問:4
- 解説: 基礎梁の剛性を大きくすれば、沈下しようとする基礎を梁が支える(隣の基礎に荷重を分散する)ため、個々の沈下量に直接影響を与えます。
- 第3問:4
- 解説: 滑動抵抗は、地盤の摩擦係数(土の種類)と建物の重さ(鉛直荷重)によって決まります。「滑りにくさ」は地面の性質に大きく左右されます。
- 第4問:3
- 解説: 平均沈下が少なくても、「不同沈下(バラバラな沈下)」が生じると建物が歪み、ひび割れや倒壊の原因になるため、非常に危険です。
- 第5問:4
- 解説: 基礎のすぐ下が固くても、その下に軟弱層があれば、建物全体の重みで将来的に沈下する恐れがあるため、必ず考慮しなければなりません。
1級建築施工管理技士マンガで説明出題頻度の高いポイントと解説

基礎構造(地盤・沈下・耐力)の重要ポイント表
| 項目 | 重要度 | 過去問の「ひっかけ」キーワード | 対策のポイント |
|---|---|---|---|
| 地盤の許容応力度 | ★★★ | 「許容応力度は、基礎の形状に関係なく一定である」 | 形状(正方形、長方形、円形など)によって補正係数が変わる。 |
| 沈みの許容値 | ★★★ | 「独立基礎は、べた基礎に比べて沈みの許容値が大きい」 | 独立基礎はバラバラに沈む(不同沈下)と危険なので、許容値は小さい(厳しい)。 |
| 滑動(かつどう) | ★★☆ | 「滑動抵抗の検討は、鉛直荷重(重み)の影響を考慮しない」 | 重いほど滑りにくい。鉛直荷重(固定荷重)を考慮して計算する。 |
| 基礎梁の役割 | ★★★ | 「基礎梁の剛性を高めても、不同沈下の抑制効果はない」 | 基礎梁をガッチリ作れば、沈み方を平均化(抑制)できる。 |
| 調査深度 | ★★☆ | 「地盤の調査深度は、基礎スラブの大きさに依存しない」 | 大きな基礎ほど深い地盤まで影響するため、スラブ幅に合わせて深く調べる。 |
| 圧密沈下 | ★★☆ | 「粘性土地盤の圧密沈下は、地震などの短期的な力で生じる」 | 圧密は、建物の自重で「長期間」かけてジワジワ起こる。 |
1. 基礎のカタチと「耐える力」
キーワード:地盤の許容応力度、形状の影響
- 形が違えば「底力」も違う:
地面がどれだけの重さに耐えられるか(許容応力度)は、基礎の面積が同じでも、「正方形か長方形か」といった形によって変わります。 - 調査は深く、形に合わせて:
地盤をどこまで深く調べるか(調査深度)は、上に載せる基礎スラブの大きさや形状を見て決めます。大きな基礎ほど、深いところまで影響が及ぶからです。
2. 建物が「滑る」のを防ぐ
キーワード:水平力、滑動(かつどう)抵抗
- 横からの力に耐える:
地震や風などで建物に「横に押す力(水平力)」がかかったとき、基礎が地面の上をズルッと滑らないか検討することを「滑動抵抗の検討」といいます。
3. 「沈み方」をコントロールする
キーワード:基礎梁の剛性、沈みの平均化
- 基礎梁は「背骨」のようなもの:
基礎同士をつなぐ「基礎梁」をガッチリ(剛性を大きく)作ると、一部の基礎だけが沈み込むのを防ぎ、建物全体の沈み方を「平均化」してくれます。
4. 沈んでも大丈夫な「限度」
キーワード:圧密沈下(あつみつちんか)、独立基礎とべた基礎
- バラバラに沈むのが一番怖い:
時間が経ってジワジワ沈む「圧密沈下」において、許される沈みの量(許容値)は、基礎の形式によって違います。 - 独立基礎は「厳しめ」:
一つひとつがバラバラな「独立基礎」は、沈み方に差が出ると建物が歪みやすいため、全体がつながっている「べた基礎」に比べて、沈みの許容値が「小さく(厳しく)」設定されています。
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| 試験対策カテゴリー | 重要度 | 攻略のポイント | 解説ページ |
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※重要度は一級建築施工管理技士の出題傾向に基づきます。