皆さん、こんにちは。この記事では、1級建築施工管理技士の学科試験(第一次検定)で頻出の「騒音」と「デシベル」について、過去問レベルの類似問題を通して分かりやすく解説します。数値計算や聴感特性の問題はケアレスミスが起きやすく、得点差がつきやすい分野です。ここでは、騒音の合成、高音・低音の感じ方、二重壁の遮音、距離減衰など、試験で狙われやすいポイントを整理しながら、合格に直結する理解を目指していきましょう。
特に、試験でよく問われる「数値の加減算」と「高音・低音の性質の違い」を中心に構成しています。
目次
1級建築施工管理技士過去問「騒音、遮音、デシベル」マンガ無料解説

音響工学(騒音・遮音)の一級建築施工管理技士重要ポイント表

| 項目 | 重要度 | 過去問の「ひっかけ」キーワード | 対策のポイント |
|---|---|---|---|
| 音の重なり | ★★★ | 「同じ音源が2台になると、音圧レベルは2倍(または6dB増)になる」 | エネルギー2倍=「3dB増」と暗記。 |
| 聴感特性(A特性) | ★★★ | 「同じ音圧レベルなら、低音の方がうるさく感じる」 | 人の耳は「高音」に敏感。騒音計(A特性)は低音を低く評価する。 |
| 二重壁の遮音 | ★★☆ | 「壁を離しても、透過損失は1枚の時と変わらない」 | 密着させず離すと、効果は「2倍」になる。 |
| コインシデンス効果 | ★★☆ | 「特定の周波数で、遮音性能が急激に高まる」 | 逆で、特定の音で壁が共鳴し、遮音性能が低下する現象。 |
| 質量則 | ★★☆ | 「壁の重量を2倍にすると、透過損失は10dB上昇する」 | 重さ2倍=「6dB」上昇。 |
| 等ラウドネス曲線 | ★☆☆ | 「音の強さ(物理量)と音の大きさ(感覚量)は常に一致する」 | 周波数によって聞こえ方が違うため、一致しない。 |
1. 音が2つになると「+3dB」
キーワード:音圧レベル、デシベル(dB)
- 1+1=2ではない?:
同じ大きさの騒音源(例えば60dBの機械)が2台になっても、合計は120dBにはなりません。音のエネルギーが2倍になると、音圧レベルは約3dBだけ大きくなります(63dBになります)。 - 試験のツボ:「2倍になる」「6dB大きくなる」といった数値の引っかけに注意しましょう。
2. 人間の耳は「高音」に敏感
キーワード:等ラウドネス曲線、聴感特性
- 低い音より高い音:
人間の耳は、物理的な音の強さが同じであっても、一般に低音より高音の方がうるさく感じるという性質を持っています。 - 補足:騒音計の「A特性」は、この人間の耳の聞こえ方に合わせて数値を補正する機能です。
3. 壁を離すと効果が「2倍」
キーワード:透過損失、二重壁
- 二重壁のパワー:
音を遮る能力(透過損失)が同じ壁を2枚使う場合、それらを密着させるよりも、一定の距離以上離して空気層を設けて設置する方が効果的です。 - 計算のルール:十分に離すと、遮音効果(透過損失の数値)は1枚の時の2倍になります。壁を厚くするよりも、隙間を作る方が効率よく音を遮れます。
1級建築施工管理技士過去問類似問題5問にチャレンジ
第1問:騒音源の合成
同じ音圧レベルの騒音源が複数ある場合の音圧レベルに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 60dBの騒音を発する機械が1台のとき、同じ機械をもう1台増やして計2台にすると、音圧レベルは約63dBとなる。
- 同じ音圧レベルの騒音源が2つになった場合、音圧レベルは1つの場合より約3dB大きくなる。
- 騒音源の数が1台から10台に増えた場合、音圧レベルは10倍(60dBであれば600dB)になる。
- 騒音源が2つあるとき、一方の音がもう一方の音より10dB以上小さい場合、それらを合わせた音圧レベルは大きい方の音とほぼ変わらない。
第2問:音の周波数と聴感
音の感じ方(聴感特性)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 人間の耳は、物理的な音圧レベルが同じであっても、一般に高音域の方が低音域よりも「うるさい」と感じやすい。
- 騒音計の「A特性」とは、人間の耳の聴感特性に合わせて、周波数ごとに重み付けをして補正する回路のことである。
- 低音域の音は、高音域の音に比べて、小さな音圧レベルの変化でも「うるささ」の変化を大きく感じやすい。
- 騒音の評価指標である「NC値」は、数値が小さいほど室内がうるさいことを示している。
第3問:二重壁の遮音性能
壁の遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 同じ透過損失(R)の値をもつ2枚の壁を一定の距離以上離して配置すると、透過損失は1枚の時の約2倍(R+R)となる。
- 二重壁の間に設ける空気層を厚くするほど、一般に低音域の遮音性能が向上する。
- 二重壁の間にグラスウールなどの吸音材を充填することは、遮音性能の向上に有効である。
- 2枚の壁を離さず密着させて一体化させた方が、同じ総重量であれば二重壁にするよりも遮音効果が高い。
第4問:距離による減衰(応用)
音の強さと距離減衰に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 騒音源が「点音源」である場合、音源からの距離が2倍になると、音圧レベルは約6dB低下する。
- 騒音源が「線音源(交通量の多い道路など)」である場合、距離が2倍になると、音圧レベルは約3dB低下する。
- 音圧レベルが6dB低下したとき、音のエネルギー(音の強さ)は元の4分の1になっている。
- 距離が2倍になったときの音圧レベルの低下量は、高音域よりも低音域の方が大きい。
第5問:音の性質のまとめ
建築環境における音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 壁の透過損失は、一般に低音域よりも高音域の方が大きく、高い音の方が遮りやすい。
- 室内の平均吸音率を2倍にすると、室内の騒音レベルは約3dB低下する。
- 2枚の壁を離して設置した二重壁において、空気層が共振(共鳴透過)を起こすと、特定の周波数で遮音性能が著しく低下することがある。
- 騒音計で測定した「音圧レベル(dB)」の数値は、音のエネルギーが2倍になると2倍の数値になる。
1級建築施工管理技士類似問題【解答と解説】
- 第1問:3解説: 音のエネルギーが10倍になると、音圧レベルは「10dBアップ」します(60dB→70dB)。600dBという数値は物理的にありえません。
- 第2問:4解説: NC値は「大きいほどうるさい」ことを示します。
- 第3問:4解説: 「離して二重壁にする」方が、同じ重さの壁を厚くする(一体化する)よりも効率的に音を遮れます。
- 第4問:4解説: 高音域は空気による吸収減衰を受けやすいため、距離が離れると高音域の方が大きく低下します。
- 第5問:4解説: エネルギーが2倍になっても、デシベル(dB)表記の数値は約3dB増えるだけです。