夏の建設現場では、気温だけでは判断できない「暑さ指数(WBGT)」が熱中症対策の基準になります。しかし、現場監督でもWBGT測定器の正しい選び方や使い方を知らないというケースは珍しくありません。
この記事では、熱中症予防管理者教育を受講した立場から、WBGT測定器の基礎知識・黒球式の重要性・正しい測定方法・おすすめ機種を、スマホでも読みやすい構成でまとめて解説します。
WBGTとは?暑さ指数(湿球黒球温度)の基礎知識

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)=暑さ指数は、熱中症を予防するために提案された指標で、単なる気温とは異なります。
WBGTは以下の3要素を組み合わせた指標です。
①湿度 ②日射・輻射熱 ③気温
この値を基準に、作業継続の可否・休憩時間・作業強度の調整を判断します。
WBGT測定器の選び方|黒球式が必須な理由

WBGT測定器を選ぶ際、最も重要なのは黒球(黒い球体)が付いているかどうかです。
- 黒球:日射・地面の照り返し(輻射熱)を測定する部分
- 黒球なし:室内専用。屋外では正しいWBGTが測れない
建設現場・屋外作業では、必ず黒球付きWBGT測定器を選びましょう。
WBGT測定器の正しい使い方|誤測定を防ぐ3つのポイント

① 黒球を握らない・触らない
黒球は輻射熱を測るためのセンサーです。手で触ると体温で誤差が出ます。
② 通気口をふさがない
通気口を手で覆うと外気が取り込めず、温度・湿度が正しく測れません。
③ 地面に直接置かない
地面の温度に影響され、黒球温度が高く(または低く)出ることがあります。
測定は「胸〜顔の高さ」で行うのが最も正確です。
WBGT測定器の設置場所|正しい測定のための3条件
- 直射日光を避ける(測定器が熱くなりすぎると誤差が出る)
- 風通しの良い場所に設置(通気口が外気を取り込めるように)
- 三脚・単管パイプに吊り下げて使用(高さを一定に保てる)
朝・昼・午後など、時間帯が変わるたびに測定することが重要です。
JIS規格「JIS B 7922」対応モデルを選ぶべき理由
WBGT測定器には、電子式湿球黒球温度指数計規格「JIS B 7922」があります。
この規格に対応した測定器は、
- 測定精度が高い
- 現場の安全衛生書類に使用できる
- 信頼性が高く、誤差が少ない
建設現場で正式に使用するなら、JIS対応モデル一択です。
現場で使いやすいWBGT測定器おすすめ4選
① カラーコーンに取り付け可能な固定型WBGT表示器

- サイズ:H310×W400×D185mm
- カラーコーン・壁面に取り付け可能
- 10分ごとに自動測定
- 5段階ランプで熱中症リスクを周知
② タニタ 黒球式熱中症計(携帯型)
- 防じん・防水の黒球式
- カラビナ・吊り下げアタッチメント付き
- 三脚設置も可能
- 10分ごとにアラーム通知
- 重量79gの超軽量
③ データロガー式WBGT測定器(HO-1515など)
- 最高値・最低値を自動記録
- 屋内・屋外モード切替
- 現場の熱中症リスク分析に最適
2025年 安全衛生法で熱中症対策が義務化

2025年6月1日より、熱中症対策が事業者の義務として法令化されます。
義務化される内容は以下の通りです。
- 熱中症の自覚症状を報告できる体制整備
- 作業中止・冷却・搬送などの手順作成と周知
- 緊急連絡先・搬送先医療機関の明確化
特に、WBGT28℃以上・気温31℃以上では、作業計画の見直しが必須です。
WBGT測定のまとめ|正しい測定が現場の安全を守る
WBGTは、熱中症を予防するための最も信頼性の高い指標です。
- 黒球付きWBGT計を使う
- 胸〜顔の高さで測定する
- 黒球を触らない・通気口をふさがない
- 時間帯ごとにこまめに測定する
正しい測定と、測定値に基づいた休憩・作業調整が、熱中症ゼロの現場づくりにつながります。
WBGT測定器・熱中症対策に関するFAQ
Q1. WBGTと気温の違いは?
WBGTは湿度・日射・輻射熱を含むため、気温よりも熱中症リスクを正確に反映します。
Q2. 室内用WBGT計を屋外で使える?
黒球がないため、屋外では正しい値が測れません。必ず黒球付きタイプを使用してください。
Q3. 測定は1日何回必要?
朝・昼・午後など、時間帯が変わるごとに測定するのが理想です。
Q4. WBGTが高いときの最優先対策は?
作業強度の調整・休憩増加・冷却設備の活用が最優先です。