【2026年版】玉掛け技能講習とは?資格の取得方法から安全対策、合図の意味まで徹底解説
この記事では、「玉掛け作業」の技能講習について解説していきます。また、一見簡単そうに見える玉掛け作業で労災事故が多い原因を踏まえながら、どのように安全対策を行っていくかも合わせてまとめています。
「玉掛け作業ってどんなときに使うのかな?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、実は建設業だけでなく、製造業や運送業など、クレーンを使うあらゆる現場で必須となる作業です。
この玉掛け作業は一見するとシンプルですが、実は労災事故が非常に多い作業でもあります。そのため、法律によって適切な講習の受講が義務付けられています。
玉掛け作業とは?

玉掛けは、荷物にワイヤーやスリングを巻き、クレーンのフックに引っかける(および外す)作業を指します。正しい知識がないと、吊り荷がバランスを崩して落下したり、ワイヤーが切断されたりといった重大な事故を招くため、専門の知識が不可欠です。
クレーン・玉掛の合図「ゴーヘイ」「スラー」とは?
クレーン作業は、オペレーター(運転者)と下で誘導する玉掛け者の二人三脚で行います。玉掛け者は、無線や独特の用語を使ってオペレーターに指示を出します。

- 「ゴーヘイ」:荷物を吊り上げる(巻き上げ)
- 「スラー」:荷物を降ろす(巻き下げ)
- 「親スラ子ゴーヘイ」:ブームを下げながら、フックを巻き上げる作業(荷の高度を保つ際などに使用)
適切な吊り具(ワイヤー・スリング)の選定

【2026年】玉掛技能講習 ・特別教育の受講資格を解説
吊り具には、荷物の性質に合わせたワイヤーロープやスリングベルト(ナイロンスリング)を選定します。
鉄骨など角が鋭利なものはワイヤーが「キンク」したり切断したりする恐れがあるため、当て物をするなどの配慮が必要です。吊り角度は広すぎるとワイヤーへの張力が急増するため、一般的に60°以内に収めるのが基本です。
玉掛け作業での労働災害事例
玉掛け作業は無資格者による強行や、安易な判断による事故が後を絶ちません。
鉄板の束をクレーンで降ろす際、鉄板が傾いてバランスを崩しワイヤーが切断、作業員に落下する事故が発生。また、繊維ベルトが鋭利な角で擦り切れて梁が落下、足場を直撃して二次災害に繋がった事例もあります。
出典:労働新聞社 労働災害事例より
玉掛け技能講習・特別教育の取得方法

制限荷重1t以上のクレーン等の玉掛け業務には「技能講習」の修了が義務付けられています。
(1t未満の場合は「特別教育」でも可能ですが、汎用性を考え技能講習を受けるのが一般的です)
受講時間の区分(一般的な例)
- 15時間:クレーン・デリック運転士免許保持者、または特別教育修了後6ヶ月以上の経験者
- 16時間:1t以上のクレーン等の玉掛け補助作業経験が6ヶ月以上ある方
- 19時間:未経験者の方(上記に該当しない方)
まとめ
- 玉掛けとは、クレーンに荷物を固定し、適切に合図を送る重要な役割。
- 1トン以上を扱うなら「技能講習」が法的必須。
- 吊り具(ワイヤー・スリング)は荷の重量・形状で正しく使い分ける。
- 事故を防ぐ鍵は、有資格者による「正しい吊り方」と「明確な合図」。
玉掛けの資格は、建設現場だけでなく工場、港湾、倉庫など、幅広い業界で重宝される「一生モノ」のスキルです。安全な現場環境を作るために、まずは正しい知識の習得から始めてみましょう。