この記事では、「地山の掘削及び土止め支保工作業主任者」とはどんな資格なのか、その作業内容と資格取得方法について詳しく解説します。
資格名だけではイメージしづらいですが、この資格は掘削作業中の崩壊事故を防ぐための重要な国家資格です。
地山の掘削及び土止め支保工作業主任者とは?

建設現場では、地下に構造物を作るために地面を掘削する作業が頻繁に行われます。
土の状態は現場ごとに異なり、粘土質・砂質・礫混じり・湧水が出る地盤などさまざま
ニュースで「生き埋め事故」が報道されることがありますが、その多くは掘削面の崩壊が原因です。
こうした事故を防ぐために、掘削作業の安全を管理する責任者が地山の掘削及び土止め支保工作業主任者です。
作業主任者が必要となる条件
- 掘削深さが2m以上になる場合
- 2m以上の高低差が発生する場合
これらの作業では、事業者は必ず作業主任者を選任しなければなりません。
土止めと土留の違い
厚生労働省の法令では「土止め」、国土交通省の技術資料では「土留」と表記されます。
一般的な違いは以下の通りです。
- 土止め:掘削面の崩壊を防ぐための仮設構造物
- 土留め:斜面や盛土の崩壊を防ぐための構造物
建設現場ではほぼ同義として扱われます。
「地山の掘削」とは?

掘削すると、土の種類によって崩れやすさが大きく変わります。
崩れないように仮設で支える工事を「土留(または土止め)」と呼ぶ
地山とは、掘削して現れた自然の地盤のことです。
掘削中に崩壊が起きると重大事故につながるため、正しい施工方法と知識が必要です。
以前は「地山掘削」と「土止め支保工」が別資格でしたが、平成18年度から統合され1つの資格になりました。
土止め支保工の「腹起し」「切梁」とは?

掘削が深くなると、周囲の土圧が増加します。
その土圧に負けないように補強する工事が土留め支保工です。
腹起し・切梁・火打ちなどの補強材を適切に取り付ける知識を講習で学びます。
地山の掘削及び土止め支保工作業主任者の役割

作業主任者は、掘削作業の安全を統括する責任者です。
- 地質調査の確認
- 施工計画・作業計画の作成
- 掘削方法の決定と指揮
- 工具・機械の点検
- 保護具の使用状況の監視
- 湧水・雨水の排除
掘削面の高さ・勾配を正しく判断し、崩壊を防ぐための措置を行うことが求められます。
地山の種類と掘削面の勾配(基準表)
| 地山の種類 | 掘削面の高さ / 掘削面の勾配 |
|---|---|
| 岩盤・堅い粘土 | 5m未満:90° / 5m以上:75° |
| その他の地山 | 2m未満:90° / 2〜5m:75° / 5m以上:60° |
| 砂質地山 | 5m未満:35°以下 |
| 発破等で崩れやすい地山 | 2m未満:45°以下 |
受講資格と必要な実務経験

- 地山掘削・土止め支保工の作業経験3年以上
- 土木・建築系の学校卒業+実務経験2年以上
- その他、厚生労働大臣が定める者
講習カリキュラム(3日間)
- 作業方法の知識(掘削方法・湧水処理・土留め支保工の構造など)
- 工事用設備・機械・器具の知識
- 作業者教育・関係法令
講習最終日に修了試験が行われます。
まとめ
- 掘削深さ2m以上で作業主任者の選任が必要
- 掘削面の高さ・勾配を正しく判断する知識が必須
- 崩壊防止のため土留め支保工の知識が必要
- 受講には実務経験が必要
地山掘削・土止め支保工は重大事故につながる危険な作業です。
現場の安全を守るための重要資格として、取得を強くおすすめします。