この記事では、移動式クレーンを操作するために必要な資格や講習内容、さらにクレーンごとの定格荷重について詳しく解説します。
クレーンを操作するには必ず資格が必要ですが、実はクレーンの種類によって必要な資格が異なります。
「クレーンの資格は1つあれば全部操作できる」と思っている方も多いですが、実際には免許・技能講習・特別教育の3種類に分かれ、操作できるクレーンが異なります。
この記事では、特に需要の高い移動式クレーン特別教育・小型移動式クレーン技能講習について詳しく解説します。
移動式クレーン資格の基礎知識
移動式クレーン資格の基礎知識について
クレーンにはラフター、デリック、ユニックなど多くの種類があります。
クレーン資格は以下の5種類に分類されます。
- 移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育(1t未満)
- 小型移動式クレーン運転技能講習(5t未満)
- 移動式クレーン運転士(5t以上)
- 床上操作式クレーン運転技能講習
- クレーン・デリック運転士免許
クレーン資格は1つではなく複数に分かれていることを理解しておきましょう。
この記事では、特に需要の高い移動式クレーン特別教育と小型移動式クレーン技能講習について詳しく解説します。
前提:クレーンの労働災害は多い
東京・八王子労働基準監督署は、無資格者に吊り上げ荷重1トン以上の移動式クレーンを操作させたとして、土木業者を労働安全衛生法違反で書類送検。クレーンが転倒し、労働者が全治4ヶ月の重傷を負う事故が発生。
労働新聞社より
このように、無資格操作による事故は非常に多く、特別教育や技能講習の受講は必須です。
移動式クレーン特別教育とは?(1t未満)

特別教育で操作できるクレーンは吊り上げ荷重1トン未満のものです。
吊り上げる荷物の大きさではなく「重さ」で判断する点に注意しましょう。
軽トラックに搭載された小型クレーン(農業・バイク回収など)も、この特別教育が必要です。
受講資格はなく、誰でも受講可能です。
特別教育の受講科目と講義時間
学科9時間+実技4時間=合計13時間
学科内容
- 移動式クレーンに関する知識(3時間)
- 原動機・電気に関する知識(3時間)
- 運転に必要な力学(2時間)
- 関係法令(1時間)
実技内容
- 移動式クレーンの運転(3時間)
- 合図の方法(1時間)
以上を修了すると、1トン未満の移動式クレーンを操作できます。
ただし、1トン未満しか吊れないため、仕事の幅を広げるなら技能講習がおすすめです。
また、玉掛け技能講習を併せて取得すると、さらに現場で活躍できます。
小型移動式クレーン運転技能講習(5t未満)

仕事の幅を大きく広げたいなら、小型移動式クレーン運転技能講習(5t未満)の取得が最適です。
「ユニック車」と呼ばれるトラック搭載型クレーンも、この資格で操作できます。
吊り上げ荷重5トン未満のクレーンが操作可能
受講資格と講習時間
未経験でも20時間(3日間)で取得可能
保有資格により講習時間が短縮される
- 13時間で取得:鉱山で5t以上の移動式クレーン経験1ヶ月以上
- 16時間で取得:クレーン・デリック運転士、玉掛け技能講習修了者、床上操作式クレーン修了者
- 17時間で取得:車両系建設機械(基礎工事用)修了者、建設機械施工技士1・2級合格者
- 19時間で取得:特別教育修了+6ヶ月以上の業務経験
- 20時間(3日間):誰でも取得可能
技能講習は免許ではありませんが、現場で即戦力になれる資格です。
さらに上を目指すなら、移動式クレーン運転士免許(5t以上)の取得がおすすめです。
クレーン車の安全性を支えるアウトリガー

クレーン作業で重要なのは、どれだけの重さを吊れるかという定格総荷重です。
重い荷物を吊ると、ブームが折れたりワイヤーが切れる危険があります。
そのため、移動式クレーンはアウトリガー(張り出し脚)を出して車体を安定させます。
安全第一:クレーン作業における定格総荷重の重要性

クレーンには「定格総荷重表」があり、作業半径(ブームの長さ)によって吊れる重さが変わります。
定格総荷重=フック+ワイヤー+吊り具+荷物の総重量
これを超えると転倒や破損の危険があるため、必ず確認が必要です。
まとめ
- 移動式クレーン特別教育:1t未満のクレーンが操作可能
- 小型移動式クレーン技能講習:5t未満のクレーンが操作可能
- 玉掛け資格と併せて取得すると現場での活躍の幅が広がる
- さらに上を目指すなら移動式クレーン運転士免許(5t以上)
材料運搬や現場作業の補助としても非常に役立つ資格です。ぜひ取得を検討してみてください。