この記事で学べること
・施工計画書の作成手順と、事前調査や総合仮設計画の重要性
・バーチャート工程表の視覚的な長所と、作業関連性が分かりにくいという短所
・機械稼働率を平準化(山崩し)するための工程調整の目的
・Sカーブ(出来高累計曲線・バナナ曲線)の形状の理由と、遅延の判定方法
【出題傾向】下級出題度:よく出る(共通単元)
建設機械施工管理技士試験の第一次検定における「施工管理法」の工程管理分野は、現場監督としての基礎知識を問うため毎年確実に出題されます。特に「バーチャートの特徴」と「Sカーブの読み方」は、ひっかけのパターンが決まっているため、仕組みを理解すれば重要な得点源になります。
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【施工計画書の作成手順・総合仮設計画と施工体制表の作成】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
現場の感覚では「とにかく早く重機を入れて土を掘り始め、計画書は工事を進めながら実際の状況に合わせて適宜作っていけばよい」と思いがちですが、検定試験では真逆の判断が正解になることがあります。ここを取り違えると確実に落とされるため注意が必要です。施工計画書は、必ず「工事着手前」にすべての安全・工程・品質のルールをまとめた上で提出しなければなりません。

事前調査と施工計画書の作成手順
- 事前調査:契約書や設計図書を受け取ったら、まずは現場に足を運び、図面と現地の地形が一致しているか、地下埋設物や架空線の障害物がないかを必ず調査します。図面を盲信してはいけません。
- 総合仮設計画:現場事務所や資材置き場の配置、工事用電力や給排水のルートなど、「工事全体を円滑に進めるための共通の仮設備」の計画を立てます。これを最初にしっかり決めておかないと、後で重機が通れなくなるなどのトラブルが発生します。
- 作成と提出:これらの調査や計画をまとめた「施工計画書」は、必ず「工事着手前(施工開始前)」に発注者(監督員)へ提出し、承諾を得る必要があります。
演習問題
【問題】建設工事における施工計画の立案および事前調査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
- 施工計画書は、契約書および設計図書に基づき、安全、品質、工程等の管理方法を定め、工事着手前に作成して発注者に提出しなければならない。
- 事前調査では、設計図書と現場の状況が一致しているかを確認し、地下埋設物や障害物の有無など、施工に影響を与える条件を把握する。
- 総合仮設計画は、工事用道路、現場事務所、電力・給排水設備など、工事全体を円滑に遂行するための設備の配置を計画するものである。
- 施工計画書は、工事の進捗状況に応じて内容が大きく変わるため、あらかじめ作成するのではなく、施工の進行に合わせて事後的に作成するのが最も効率的である。
【解答】4
【解説】
1. 適当。施工計画書の作成・提出タイミングの基本ルールです。
2. 適当。図面だけを信じず、必ず現地の事前調査を行います。
3. 適当。総合仮設計画の目的として正しい説明です。
4. 不適当。施工計画書は現場のルールブックであり、いかなる場合も「工事着手前」に作成し提出しなければなりません。「事後的に作成する」「適宜作成する」といった記述は、施工管理の基本原則を根底から否定する明らかな誤り(法令・仕様書違反)です。
【工程管理:バーチャート工程表の作成と機械稼働率の最適化】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
現場の感覚では「バーチャート工程表は横棒を引くだけで簡単だし、どの作業がどの作業に影響するかも一目でわかって完璧な工程表だ」と思いがちですが、ここを取り違えると確実に落とされるため注意が必要です。バーチャートは「いつからいつまで」は分かりますが、「作業同士の因果関係(関連性)」は全く分かりません。

バーチャート工程表の長所と短所
縦軸に作業項目(掘削工、基礎工など)、横軸に暦(日数)をとり、作業の所要日数を横棒(バー)の長さで表す工程表です。
- 長所:作成が非常に簡単で、「各作業の開始日・終了日や全体の予定と実績(進捗状況)が視覚的にわかりやすい」ため、最も広く普及しています。
- 短所:ある作業が遅れたときに、それが他のどの作業に影響するのかという「作業相互の関連性(因果関係)」が分かりにくいのが最大の弱点です。そのため、複雑な工事で「クリティカルパス(全体の工期を決定する最長ルート)」を見つけるのには適していません。
機械稼働率の最適化(平準化)
そのまま工程表を作ると、特定の日にだけ多数の重機や人員が必要になり(山積み状態)、手配ができなくなったり機械が遊んだりして不経済になります。これを防ぐため、余裕のある作業の日程を前後にずらし、毎日の機械や人員の稼働数をできるだけ一定に均すことを「平準化(山崩し)」と呼びます。
演習問題
【問題】工程管理に用いられるバーチャート工程表の特徴に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
- バーチャート工程表は、横軸に工期(日数)、縦軸に作業項目をとり、各作業の所要日数を横線(バー)の長さで表現したものである。
- 各作業の開始・終了時期が明確であり、予定と実績の対比が視覚的に行いやすいため、現場で広く利用されている。
- 重機や人員の手配が特定の日に極端に集中しないよう、作業日程を前後に調整して機械稼働率を一定に保つことを平準化(山崩し)という。
- バーチャート工程表は、ネットワーク工程表に比べて作業順序の相互の関連性や因果関係が極めて明確に把握できるという長所がある。
【解答】4
【解説】
1. 適当。バーチャートの構造の正しい説明です。
2. 適当。予定と実績の対比(視覚的わかりやすさ)が最大の長所です。
3. 適当。平準化(山崩し)の目的に関する正しい記述です。
4. 不適当。バーチャート工程表の最大の短所は「各作業間の相互の関連性(因果関係)や、クリティカルパスが分かりにくい(不明確である)」点です。関連性が極めて明確に把握できるのは「ネットワーク工程表」の特徴であり、長所と短所をすり替えた典型的な引っかけです。
【工程管理:Sカーブ(出来高累計曲線)による工程遅延分析】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
この単元は深追い不要。試験では“キーワード反応型”でOKです。次のポイント(Sカーブは初期と終期が緩やか、下方許容限界を下回ったら遅れ)だけ覚えれば確実に得点できます。

Sカーブ(バナナ曲線)の形状と読み方
工事全体の進捗状況を金額や出来高のパーセンテージで管理するグラフです。縦軸に「出来高の累計(%)」、横軸に「工期(%)」をとります。
- なぜ「S字」になるのか:工事の「初期」は仮設準備などで時間がかかり、出来高の伸びは緩やかです。「中期」に入ると重機や人員が本格稼働して一気に出来高が急上昇します。そして「終期」の仕上げ段階になると、再び進み具合が緩やかになります。この「緩やか ➔ 急上昇 ➔ 緩やか」というペースの推移が、アルファベットの「S」の形になります。
- バナナ曲線と遅延の判定:グラフには、これ以上早いと無理がある「上方許容限界線」と、これ以上遅いと工期に間に合わない「下方許容限界線」が引かれています(形がバナナに似ている)。実際の進捗を示す実績線が、下の線(下方許容限界)を「下回った」場合、工事は危険な「工程遅延(遅れ)」状態にあると判断し、重機を増やすなどの突貫対策が必要になります。
演習問題
【問題】工程管理に用いられるSカーブ(出来高累計曲線)に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
- Sカーブは、縦軸に出来高の累計割合、横軸に工期の割合をとり、工事全体の進捗状況を把握するために用いられる。
- 出来高累計曲線がS字型になるのは、一般に工事の初期および終期は出来高の増加が緩やかであり、最盛期の中期に急激に増加するためである。
- 管理限界線として設定された上方許容限界と下方許容限界の間に実績曲線が収まっていれば、工事は概ね順調に進捗していると判断できる。
- 実績曲線が下方許容限界線を下回って推移している場合は、予定よりも工事が大幅に早く進みすぎている(進度超過)状態を示している。
【解答】4
【解説】
1. 適当。Sカーブの基本的なグラフ構成です。
2. 適当。初期・終期が緩やかで中期が急上昇するという、S字になる正しい理由です。試験では「初期から急上昇する」という嘘が出ることがあります。
3. 適当。許容限界内(バナナの中)に収まっているのは順調なサインです。
4. 不適当。実績曲線が下方許容限界線を「下回って」いる場合は、予定の出来高に達していない「工程遅延(遅れ)」の状態を示しています。工事が早く進みすぎている(進度超過)場合は、「上方許容限界線を上回る」状態になります。上下と遅れ・進みの関係を逆にひっくり返した嘘記述です。
まとめ
今回学んだ建設機械施工管理技士・施工管理法(施工計画・工程表分析)の重要ポイントをおさらいしましょう!
- 施工計画書は、必ず「工事着手前(施工前)」に作成し提出する。
- バーチャート工程表は、予定と実績が分かりやすいが、「作業間の関連性」は分かりにくい。
- Sカーブ(出来高累計曲線)は、工事の「初期と終期が緩やか」で「中期に急上昇」するからS字になる。
- Sカーブの実績線が「下方許容限界を下回る」のは、工事が「遅れている」証拠である。
施工管理法の分野は、実務の現場感覚とグラフの意味を一致させることで、迷うことなく正解を導き出せます。「バーチャート=関連性が不明確」「下方=遅れ」というキーワードをしっかり脳内にリンクさせておきましょう!
