この記事で学べること
・第1種建設機械(ブルドーザ)のブレードの種類と、作業効率を上げる押土テクニック
・ブルドーザの時間当たり作業量(施工能力)の計算公式と比例・反比例の関係
・トラクタショベル(ホイールローダ)のVシェープローディング等、積込作業の基本フォーメーション
・トラクタショベルのサイクルタイムの内訳と、バケット係数(K)を含んだ作業量計算
【出題傾向】下級出題度:よく出る(共通単元)
建設機械施工管理技士試験の第一次検定における「施工技術(第1種機械)」は、土工の要となるブルドーザとトラクタショベルの構造や効率的な使い方を問う問題が毎年必ず出題されます。特に「時間当たり作業量(Q)」の計算公式は、丸暗記するのではなく「分母が減ればQは増える」といった数学的な関係性を理解しておくことで、計算しなくても選択肢の正誤が瞬時に見抜けるようになります。
この記事では、ネコマル特製のスマートフォン・SNSに最適な各テーマごとの「縦長3コマ構成」のインフォグラフィック図解を見るだけで、要点の意味が直感的にイメージできる構成になっています。まずは図解のビジュアルで現場の動きを把握してから、詳細な解説文を読み進めていきましょう。
- 1 【第1種機械:ブルドーザのブレード種類と押土施工方法】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
- 2 【第1種機械:ブルドーザの時間当たり作業量(施工能力)計算公式】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
- 3 【第1種機械:トラクタショベル・ホイールローダの積込作業法(Vシェープ等)】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
- 4 【第1種機械:トラクタショベルのサイクルタイムと作業量(Q値)計算】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
【第1種機械:ブルドーザのブレード種類と押土施工方法】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
まずは根本の仕組みから丁寧に整理します。難しい用語を使わず、図解イメージで理解できるように分解すると、ブルドーザの強みは「重い土を排土板(ブレード)で力任せに押し運ぶ」ことですが、闇雲に押すのではなく、重力を味方につけたりブレードの角度を変えることで、一度に運べる量を劇的に増やすことができます。

ブレード(排土板)の種類と用途
- ストレートドーザ:ブレードが進行方向に対して常に直角(真っ直ぐ)に固定されている最も標準的なタイプです。押土、整地、伐開(木の根を抜く)などオールマイティに使われます。
- アングリングドーザ(アングルドーザ):ブレードを進行方向に対して斜め(左右に25〜30度程度)に角度をつけることができるタイプです。前進しながら土を「横方向へ逃がす(排土する)」ことができるため、溝の埋め戻し(バックフィル)や除雪作業に最適です。
- チルトドーザ:ブレードの左右の端を上下に傾ける(チルトする)ことができるタイプです。硬い地盤を削ったり、斜面の造成(片切り)を行うのに便利です。
作業量(押土量)を増やす施工テクニック
ブルドーザで平地を真っ直ぐ押すと、土がブレードの横からこぼれ落ちてしまい、遠くまで運ぶほど押せる量が減ってしまいます。これを防ぎ、作業効率を上げる手法が以下の3つです。
- 下り勾配押土:平地ではなく、あえて10〜15度の下り坂(下り勾配)を利用して土を押し下げます。重力が手伝ってくれるため、平地よりはるかに大量の土を一度に運べます。
- 溝掘り押土:同じルートを何度も通って浅いU字型の「溝(トレンチ)」を作り、その溝の壁を利用して土が横にこぼれるのを防ぎながら押す方法です。
- 並列押土:2台のブルドーザをピタリと横に並べて同時に前進し、ブレードの間の土がこぼれるのを防ぐ方法です。
演習問題
【問題】ブルドーザの種類および施工方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
- ストレートドーザは、ブレードが進行方向に対して直角に固定されており、一般的な押土や整地作業に広く用いられる。
- アングリングドーザは、ブレードを進行方向に対して斜めに角度をつけることができ、前進しながら土を横方向に排土する作業に適している。
- ブルドーザによる押土作業において、作業効率を向上させるため、平坦地よりも10〜15度程度の上り勾配に向かって土を押し上げるのが最も効果的である。
- 溝掘り押土(トレンチ押土)は、ブルドーザの通過によってできた溝の中を押し進むことで、ブレードの側方への土のこぼれを防ぎ、押土量を増加させる方法である。
【解答】3
【解説】
1. 適当。ストレートドーザの基本的な構造と用途です。
2. 適当。アングルドーザの「斜め・横排土」という特徴を正しく説明しています。
3. 不適当。作業効率を最も向上させることができるのは、重力を利用して土を押し下げる「下り勾配押土(10〜15度)」です。「上り勾配」に向かって土を押し上げると、重力と土の抵抗を二重に受けるため、作業量は極端に低下します。現場の物理法則と真逆の引っかけです。
4. 適当。溝掘り押土のメリット(こぼれ防止)に関する正しい記述です。
【第1種機械:ブルドーザの時間当たり作業量(施工能力)計算公式】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
現場の感覚や数字が苦手な方は「計算公式を見ただけでパニックになる」と思いがちですが、検定試験の選択問題では、実際に電卓を叩く計算問題だけでなく、「この数値が大きくなったら、結果はどうなる?」という比例・反比例の法則を問う問題が非常によく出題されます。式の構造を見抜ければ、計算いらずで瞬殺できます。

作業量計算公式の構造(分子と分母の関係)
ブルドーザの1時間当たりの作業量 $Q$(m3/h)は、以下の公式で求められます。
$$Q = \frac{60 \times q \times f \times E}{C_m}$$
- Q(作業量):1時間にこなせる土の量。この数値を大きくしたい。
- 分子グループ(増えればQも増える=比例):・q(1回当たりの押土量):ブレードの大きさに依存します。
- ・f(土量換算係数):土のほぐれ具合などの変化率です。
- ・E(作業効率):現場の段取りやオペレータの熟練度です。効率が良ければ(Eが大きければ)、当然作業量Qも大きくなります。
- 分母グループ(減ればQは増える=反比例):・Cm(サイクルタイム):土を押して運び、バックして元の位置に戻ってくる「1往復にかかる時間」です。
- ※ここが最重要!1回にかかる時間(Cm)が「短い(小さい)」ほど、1時間で何度も往復できるため、作業量(Q)は「大きく」なります。
演習問題
【問題】ブルドーザの時間当たり作業量(Q)を求める計算公式とその要素に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
- 時間当たり作業量(Q)は、1回当たりの押土量(q)が大きいほど増加する。
- 時間当たり作業量(Q)は、現場の作業効率(E)が向上して数値が大きくなるほど増加する。
- サイクルタイム(Cm)は、土の押土時間、後退時間、およびギアチェンジ等のロスタイムの合計で表される。
- 時間当たり作業量(Q)は、1回の作業にかかるサイクルタイム(Cm)が大きくなるほど、それに比例して増加する。
【解答】4
【解説】
1. 適当。1回に運べる量が多ければ、全体の作業量も増えます(比例)。
2. 適当。効率が良ければ作業量は増えます(比例)。
3. 適当。サイクルタイムの内訳として正しい記述です。
4. 不適当。サイクルタイム(Cm)は「1回にかかる時間」です。この時間が「大きく(長く)」なると、1時間でこなせる往復回数が減ってしまうため、時間当たり作業量(Q)は「減少」します(反比例の関係)。公式の分母と分子の性質を真逆にすり替えた、計算問題における定番の引っかけです。
【第1種機械:トラクタショベル・ホイールローダの積込作業法(Vシェープ等)】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
この単元は深追い不要。試験では“キーワード反応型”でOKです。次のポイント(Vシェープはダンプを斜めに置く、一番効率が良い動き)だけ覚えれば得点できます。トラクタショベル(特にタイヤで走るホイールローダ)の機動力を活かした土の積み込みフォーメーションです。

代表的な積込作業法(ローディング)
トラクタショベルが土の山(地山)から土をすくい、ダンプトラックの荷台へ積み込むときの機械の動かし方(軌跡)には、いくつか種類があります。
- Vシェープローディング(V字型積込み):土の山に対して、ダンプトラックを「約60度の角度(斜め)」につけて停車させます。ローダは土をすくって後退し、ハンドルを切ってダンプへ前進して排出、また後退する、という動きを繰り返します。このときのローダのタイヤの軌跡が、上から見るとアルファベットの「Vの字」を描くためこう呼ばれます。移動距離が短く、最も効率が良いため、機動力の高いホイールローダで頻繁に用いられます。
- クロスドライブローディング(直角積込み):ダンプトラックと土の山を直角(90度)に配置し、ローダが前進・後退を繰り返す方法です。
- ステップインローディング:ダンプトラックが、ローダの掘削の進行に合わせて少しずつ後退していく方法です。
演習問題
【問題】トラクタショベル(ホイールローダ等)を用いたダンプトラックへの積込作業方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
- トラクタショベルは、機体前面にバケットを備え、自ら前進して土砂をすくい込み、ダンプトラック等に積み込む機械である。
- Vシェープローディングは、土山に対してダンプトラックを約60度の角度に配置し、ショベルがV字型の軌跡を描いて前進・後退を繰り返す積込方法である。
- Vシェープローディングは、移動距離が短く無駄な動きが少ないため、機動力に優れたホイールローダによる積込作業において最も効率的で標準的な方法である。
- Vシェープローディングは、ダンプトラックとトラクタショベルを完全に平行に並べて並走させながら、横から土を流し込む積込方法である。
【解答】4
【解説】
1. 適当。トラクタショベルの基本的な構造と動作の記述です。
2. 適当。Vシェープ(約60度配置、V字軌跡)の定義として正しいです。
3. 適当。ホイールローダに最も適した高効率なフォーメーションです。
4. 不適当。Vシェープローディングは、ダンプを斜め(約60度)に配置し、ショベルがV字型に往復する方法です。平行に並べて並走しながら積むようなサーカスのような動きではありません。名前と動作の形をでたらめに結びつけた嘘記述です。
【第1種機械:トラクタショベルのサイクルタイムと作業量(Q値)計算】1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士 第一次検定過去問のわかりやすい覚え方
ブルドーザの計算公式とほぼ同じですが、トラクタショベルには「バケット(バケツ)」という土をすくうための入れ物がついているため、計算式の中に「K(バケット係数)」というパラメータが一つ追加されます。

トラクタショベルの作業量公式とバケット係数(K)
トラクタショベルの1時間当たりの作業量 $Q$(m3/h)は、以下の公式で求められます。
$$Q = \frac{60 \times q \times K \times f \times E}{C_m}$$
- q(バケット容量):機械のカタログに載っている、バケットの「平積み(すりきり一杯)」の容量です。
- K(バケット係数):実際に現場で土をすくったとき、カタログ値(q)に対して「どれくらいの割合ですくえたか」を示す数字です。
- 例えば、土がサラサラで山盛りにこんもりとすくえた場合は、カタログ値以上になるため「K > 1.0」となります。逆に、粘土質でバケットにへばりついて半分しかすくえなかった場合は「K < 1.0」となります。このK値が分子にあるため、Kが大きければ作業量Qも大きくなります。
- Cm(サイクルタイム):トラクタショベルの1回の時間は、「掘削(すくう)+ 後退 + 前進(ダンプへ向かう)+ 排出 + 後退」という一連の動作にかかる時間の合計です。
演習問題
【問題】トラクタショベルの時間当たり作業量およびサイクルタイムに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
- トラクタショベルの1回当たりの掘削・すくい込み土量は、カタログ上のバケット容量(q)に、土質や作業条件によって決まるバケット係数(K)を乗じて求められる。
- バケット係数(K)は、すくいやすい土質でバケットに山盛りに積み込めるような良好な条件の場合、1.0よりも大きな値となることがある。
- トラクタショベルのサイクルタイム(Cm)は、掘削・すくい込み、後退、方向転換、前進、ダンプへの排出、および再び後退するまでの一連の動作時間の合計である。
- トラクタショベルの時間当たり作業量(Q)は、バケット係数(K)の値が小さくなるほど、反比例して増加する。
【解答】4
【解説】
1. 適当。実際のすくい量 = q × K という関係性の正しい説明です。
2. 適当。山盛りにすくえれば K > 1.0 になります。
3. 適当。トラクタショベルのサイクルタイムを構成する動作の内訳です。
4. 不適当。バケット係数(K)は計算公式の「分子」にあります。したがって、Kの値が小さくなる(1回にすくえる土の量が減る)と、1時間当たりの作業量(Q)も「比例して減少」します。反比例して増加する、という記述は公式の構造に反した嘘です。
まとめ
今回学んだ建設機械施工・第1種機械(ブルドーザ・ショベル)の重要ポイントをおさらいしましょう!
- アングルドーザはブレードを「斜め」にし、土を「横方向へ」逃がす作業に使う。
- ブルドーザで一番効率が良いのは、重力を利用した「下り勾配押土」。
- 作業量の公式は、分母である「サイクルタイム(Cm)」が短くなれば、作業量Qは増える(反比例)。
- ホイールローダで最も効率が良い積込フォーメーションは、V字に動く「Vシェープローディング」。
- トラクタショベルの「バケット係数(K)」は、山盛りにすくえれば1.0より大きくなる。
作業量計算の公式は、アルファベットの羅列を見ると難しそうに見えますが、「分母と分子のどっちにいるか(増えるか減るか)」の比例関係だけを問う問題がほとんどです。理屈を理解して、計算問題アレルギーを克服しましょう!
