この記事では、一般的な建設業ではあまり触れられない鉄道工事について解説していきます。
また、鉄道工事で必須の資格について合わせて解説していきたいと思います。JR工事に携わるには施工管理技士や技能講習の資格だけでも工事ができるのか?
鉄道工事と言えば夜間で作業してるイメージがありますが、実はJRの特有の資格が必要です。
鉄道工事も他の工事と特に変わりがないので施工管理技士の資格さえあれば大丈夫と思っているのではないかと思います。
今回はこの資格者講習にスポットをあててみます。他にもありますので2回わけてアップしてみます。
- JR工事管理者
- 列車見張員
- 列車見張員
- 線閉責任者
- JR特殊運転者
私もJR工事管理者とJR特殊運転者は受講して、もう更新期限切れましたが保有していました。
そこで、今回はあまり皆さんが知らないJRの資格についてまとめてみました。
JRでの鉄道工事をするときに必要な資格とは?
JRの工事は夜間作業のイメージもありますが、線路脇の昼間での草刈り作業や保守メンテナンス等の作業も当然あります。
鉄道には建築限界といわれる、鉄道建設工事の知識が必要になります。
建築限界とは、簡単にいえば、線路上に建築物を設置してはならないという設定をしている範囲を指す、交通工学用語の一つです。
鉄道工事では、特にこの決まりが細かく、路線ごとにこの建築限界の範囲は違います。
例えばプラットホームいつも駅で利用している。
ホームドアも全てこの建築限界の中で考えられており、プラットホームと電車の隙間など計算された中で施工されています。昼間の作業でも、この建築限界に立ち入らないように防護策を設け駅改良工事等も行われております。
JR工事管理者とは
JR工事管理者とは?
JR工事管理者とは、以下のような方を指します。
工事管理者は、鉄道では現場監督をこのような呼び名で呼びます。
建設工事でいう現場監督のようなものと思ってください。
鉄道工事にはレール(軌道)や架線の保守メンテナンスの工事や電車が走っている側で作業するため感電や接触の危険性があり、作業管理に特に注意を払わないとなりません。
その中で構築物を作るための品質管理等を受け持つ専門的な現場監督になります。
現場の工程会議や電鉄との調整打ち合わせ等が必要になります。
説明の中で、在は在来線と言う意味で略しており、幹は新幹線の意味です。併せて確認してください。
この資格のポイントは在来線と新幹線で区分が分かれるので、在来は在来線のみしか管理できません。新幹線のみ管理できます。両方を管理するには2つ受講しないとならないです。
資格の保有者は、実際の現場では腕章を必ずつけており個々の役割がわかるようにされております。
では、JR工事管理者資格を取得するための受講条件を解説していきます。
工事管理者(在来線)の受講要件
工事管理者在来の受講要件は下記のようになります。
- 土木・建築等の工事経験5年以上(営近工事1年以上を含む)の者。
- 大学等において土木・建築等課程の修了者で土木・建築等の工事経験3年以上 (営近工事1年以上を含む)の者。
- 2級施工管理技士等に合格し、土木・建築等の工事経験2年以上(営近工事1年以上を含む)の者。
- 工事管理者(新幹線)の資格者で営近工事経験1年以上の者。
- 軌道工事管理者(在)または(幹)の資格者で、土木・建築等の工事経験2年以上 (営近工事1年以上を含む)の者
この中のどれかの条件に当てはまるようにしないとなりません。
工事事管理者(新幹線)の受講要件
工事管理者の新幹線の管理者になるには以下の経験が必要です。
- 土木・建築等の工事経験5年以上(営近工事 幹 1年以上を含む)の者。
- 大学等において土木・建築等課程の修了者で土木・建築等の工事経験 3 年以上 (営近工事 幹 1 年以上を含む)の者。
- 2級施工管理技士等に合格し、土木・建築等の工事経験2年以上(営近工事 幹 1 年以上を含む)の者。
- 工事管理者(在来線)の資格者で営近工事 (幹)経験1年以上の者。
- 軌道工事管理者(在)または(幹)の資格者で、土木・建築等の工事経験2年以上 (営近工事 幹 1 年以上を含む)の者。
この中のどれかの条件に当てはまるようにしないとなりません。
JRの作業資格の一つ!列車見張員とは?
列車見張員とは、鉄道工事において列車事故を防ぐ為に配置される資格保持者のことです。
列車見張員経験年数は特になしで受講すれば可能です。
ちなみに、列車接近を作業している方に合図して、一時作業中断させ車両通過確認する大事な仕事を「列見」といいます。
この、列見を行うのには下記のような理由があります。
- 列車運行中に線路内及び線路に近接して作業する場合には、列車見張員を配置して安全を確保してから作業を行うことが必要になっており、警備会社が主に列車見張りの資格をガードマンに受講させ特化した形で、鉄道関係には配置されています。
つまり、安全に作業を進めるためにも必須となる作業員といえます。
列車見張り踏切監視員(ロープ)の受講要件は
さらに経験をあげれば、踏切監視員(ロープ)として活躍可能です。踏切監視員は、踏切の保守等を実施する際、鉄道列車の接近を把握した中で、工事管理者や作業者の安全を守る大切な作業で、踏切を横断する車の誘導などが主な仕事になります。
受講条件は以下の通りになります。
- 列車見張員資格取得後、営近工事経験1年以上の者。
- 列車見張員資格取得後、列車見張員として営近工事で1年間に 20 回以上の従事 経験がある者
この中のどれかの条件に当てはまるようにしないとなりません。
JRの作業資格の一つ:JR線路閉鎖責任者とは?
鉄道工事では主に夜間作業がメインで深夜からその作業に取り掛かります。
その中で始発電車や点検車両等が線路に侵入してこないように、信号を赤にして線路閉鎖を手続きするのが線路閉鎖責任者と呼ばれます。
線閉(せんぺい)と呼ばれており、着手解除はこの責任者が行った後、工事管理者や作業員は線路内にホームから降りることが許され、作業をはじめることができます。
重大事故も引き起こす危険性があるのでこの事故事例は大変な事故を引き起こした内容です
線閉責任者(在来一般)(在来ATOS)とは?
線閉にも在来線と新幹線とでそれぞれ受講するようになっています。
この資格の受講要件は下記のようになります。
- 列車見張員資格を取得後、営近工事経験4年以上かつその間における列車見張員としての従事経験が毎年4回以上の者。
- 大学等における技術系に関する課程の修了者で、列車見張員資格を取得後、営近工事経験2年以上かつその間における列車見張員としての従事経験が毎年4回以上の者。
この中のどれかの条件に当てはまるようにしないとなりません。
2~3分間隔で列車が走る首都圏の高密度線区において、列車の自動進路制御を可能にし、その運行状況をリアルタイムに把握することができる世界最大規模の運行管理システムです。
https://www.jreast.co.jp/newtech/tech06_main.html
線閉責任者(新幹線)
この資格の受講要件は下記のようになります。
- 列車見張員資格を取得後、営近工事又は営近工事 幹経験4年以上かつその間に列車見張 員としての従事経験が毎年4回以上の者。
- 大学等において技術系に関する課程の修了者で、列車見張員資格を取得後、営近工事 又は営近工事 幹経験2年以上かつその間に列車見張員としての従事経験が毎年4回以上の者。
この中のどれかの条件に当てはまるようにしないとなりません。
重機作業資格の一つJR特殊運転者になるには?
特殊運転者とは、線路上を走る車両を運転するための資格です。
線路の上を走るユンボやクレーンなど様々な建設機械が線路の上を走っていますが、通常の電車の貨物列車や客車などとは違い材料を運ぶための特殊車両の受講を受けた人が、この特殊車両運転者になることができます。
- 軌道機械操作者
- 特殊運転者(MC)
- 重機械運転
- 除雪機械操縦者
- 確認車作業責任者
その作業には優劣があり、軌道機械操作者が1番の優位性があります。
下の記事では車両系建設機械の資格をまとめているので、重機の取り扱い資格などが分からなかったら、合わせて読んでみてください。
この記事では、車輌系建設機械の種類や技能講習を取得する方法について解説していきたいと思います。また、ユンボやパワーショベルなどの車両の用途などについても合わせて解説していきたいと思います。一度は乗ってみたい車だけど[…]
軌道機械操作者になるには?
受講条件は以下の通りです。やはり一番難しい、線路の要のレール軌道を触る仕事ですから条件は難しい。
- 「特殊運転者(MC)」資格を所持し、かつMCの運転実務経験を有する者。
- 特殊運転者(MC)
- 自動車運転免許証を有する者。
- JRにおいて、在来線または新幹線の軌道モータカーに よる車両の牽引の実務経験を有する者。
重機械運転者になるには?
受講条件は以下の通りです。現場でおなじみのバックホーや小型移動式クレーンなどをJRでの工事で扱うには受講は必須ですね
工事用重機械に関する運転免許、技能講習修了証、特別教育修了証を有する者になります。
こちらも併せて、講習を受けないとJRにおいては作業できない形になります。
軌道重機とは一覧でチェックしてみる
- 軌陸両用16頭タイタンパー
- 軌陸両用パワーショベル(バックホー)
- 軌陸両用4.9tクローラークレーン
- 軌陸両用ダンプトラック
- 高所作業用軌陸両用ダンプトラック
などが工事車両がありますが、今は様々な重機もあるのでこちらに参考サイトをチェックしてみてください
まとめ
今回は、JRの線路工事を行う際の工事関連資格について解説していきました。
まとめますと、
- JR工事管理者とは、線路工事の現場監督である
- 列車見張員は、工事中の列車走行など工事の安全確認を行う
- 列車見張員を務めると、踏切監視員になれる
- 線閉責任者は、夜間工事での線路閉鎖や安全管理を行う
ですね。
たくさんの資格があるJRの工事に携わるためには講習を受けないとなりません、適性検査や講習を1日受けたりとか夜勤明けで大変だと思いますが、この受講が終わらないと資格を取得することはできません。
資格の取得は日本鉄道施設協会で受講できます。
下記のホームページより申し込みができますので詳細はこちらで確認してください。以上長文になりましたがJRの資格の取得の方法をまとめてみました。