一級建築士・二級建築士学科試験でよく出る!S造の「柱脚(ベースプレート)の固定方法」をわかりやすく解説
建築士の学科試験(構造・施工)において、S造(鉄骨造)の「柱脚(ちゅうきゃく)」、つまり柱の根元の固定方法は非常に重要かつ頻出のテーマです。柱に生じる大きな力を基礎コンクリートへスムーズに伝えるため、ベースプレートをどのように固定するかによって建物の強さや変形の仕方が大きく変わります。
この記事では、試験に一発で合格するための「柱脚の固定方法の3つの種類と特徴」を、どこよりもわかりやすく整理して解説します。
この記事で学べること
- 主要な柱脚の固定方法(露出型、根巻き型、埋込み型)の明確な構造的違い
- 学科試験で繰り返し狙われる「コンクリートの寸法や高さ、深さ」の数値基準
- 一級・二級の学科試験で確実に得点をもぎ取るための実戦力
一級建築士・二級建築士の学科試験出題傾向
本単元は、二級建築士でも「よく出る(共通単元)」に指定されている必須知識です。二級では各工法の概要や剛性の大小関係(どれが一番がっちり固定できるか)を問う問題が中心ですが、一級では「柱幅のDに対して何倍か」といった具体的な数値基準や、施工時のグラウト材の注入手順など、より踏み込んだ内容が出題されます。どちらの試験でも、固定度(ピン寄りか剛寄りか)のイメージを持っておくことが大切です。
この記事の読み方
記事の冒頭にある「ネコマル特製・1枚完結図解」を見るだけで、3つの柱脚の特徴や試験によく出る寸法ルールが直感的にイメージできるようになっています!
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柱脚(ベースプレート)の固定方法の種類と覚え方!試験に出る重要キーワード
一級・二級建築士学科試験の「構造・施工」で落とせない3つの工法

まずは根本の仕組みから丁寧に整理します。難しい式を使わず、図解イメージで理解できるように分解すると、柱脚の固定方法は「露出型」「根巻き型」「埋込み型」の3つに分類されます。ネコマルと一緒に、柱の足元を覗き込むイメージでそれぞれの特徴を見ていきましょう!
1. 露出型柱脚(ろしゅつがたちゅうきゃく)
露出型柱脚は、基礎コンクリートの上にベースプレートを載せ、アンカーボルトとナットだけで締め付ける最もシンプルな工法です。柱の根元が文字通り「露出」しています。
特徴としては、3つの工法の中で最も「固定度が低い(回転しやすい=ピン接合に近い)」という点です。主に上部からの鉛直荷重(建物の重さ)を支えるのに適しており、曲げモーメント(回転させようとする力)に抗する力は小さめです。施工時には、ベースプレートの下に「ベースモルタル(まんじゅう)」を作って水平を調整し、その後、無収縮モルタル(グラウト材)を隙間なく圧入します。
2. 根巻き型柱脚(ねまきがたちゅうきゃく)
根巻き型柱脚は、露出型のようにベースプレートをセットした後に、柱の根元周辺にコンクリート(根巻きコンクリート)を打ち込んで、スカートのように包み込む工法です。
特徴は、コンクリートで周囲を固めるため、露出型よりも「固定度が高くなる(剛接合に近くなる)」点です。試験で超重要な数値は、根巻きコンクリートの高さです。原則として「柱形の径(または幅)Dの2.5倍以上」とする必要があります。この高さを確保することで、柱からの曲げモーメントをしっかり基礎へ逃がすことができます。
3. 埋込み型柱脚(うめこみがたちゅうきゃく)
埋込み型柱脚は、基礎コンクリートや地中梁の中に、鉄骨の柱の根元をズボッと深く埋め込んで一体化させる工法です。
特徴は、3つの工法の中で「最も固定度が高い(完全にがっちりした剛接合)」という点です。高層ビルや大型の建物など、根元に強烈な引き抜き力や曲げモーメントがかかる場合に採用されます。試験で狙われる数値は、埋込み深さです。原則として「柱形の径(または幅)Dの2倍以上」埋め込む必要があります。
★ネコマルのワンポイントアドバイスにゃ!
「露出型はピン寄り、根巻きと埋込みは剛寄りだにゃ!そして数字の引っ掛けに要注意にゃ。根巻きの高さは『2.5倍以上』、埋込みの深さは『2倍以上』。根巻きの方が数字が大きい(2.5倍)ってしっかり頭に入れるにゃ!」
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一級建築士・二級建築士の過去問にチャレンジ!【実戦演習】
ここまでの知識が実際の試験でどのように出題されるか、過去問をベースにした演習問題で実力を確認しましょう。二級出題度「よく出る」の単元のため、二級レベルと一級レベルをそれぞれ1問ずつ用意しました。
【問題1】二級建築士学科試験レベル(構造)
鋼構造(S造)の柱脚に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 露出型柱脚は、一般に埋込み型柱脚に比べて、柱脚部の回転に対する剛性(固定度)が小さい。
- 根巻き型柱脚における根巻きコンクリートの高さは、一般に、柱形の径(幅)の1.5倍以上とする。
- 埋込み型柱脚は、柱脚部を基礎コンクリートの内部に深く埋め込むことで、強い剛接合を形成するものである。
- 露出型柱脚の施工において、ベースプレートの下部に充填するモルタルには、一般に乾燥収縮の少ない無収縮モルタルが用いられる。
【問題1の解答・解説】
正解(最も不適当なもの):2
解説:選択肢2の記述が誤りです。根巻き型柱脚の根巻きコンクリートの高さは、柱形の径(幅)の「2.5倍以上」とするのが原則です。1.5倍では高さが足りず、曲げモーメントを十分に伝えることができません。選択肢1、3、4はどれも正しい基本記述です。
【問題2】一級建築士学科試験レベル(施工)
鉄骨工事の柱脚の施工に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 露出型柱脚のベースプレート下部への無収縮モルタルの注入にあたって、モルタルがベースプレートの下面全体に隙間なく充填されたことを確認した。
- 埋込み型柱脚において、鉄骨柱の基礎コンクリートへの埋込み深さは、特に指定がなかったため、柱形の径(幅)の2倍以上とした。
- 根巻き型柱脚において、根巻きコンクリートの上部には雨水が溜まらないよう、外側に向かって下がり勾配の水切りを設けた。
- 露出型柱脚において、アンカーボルトの定着長さ(基礎に埋め込む長さ)を短くする代わりに、根巻きコンクリートの高さを柱幅の2倍とした。
【問題2の解答・解説】
正解(最も不適当なもの):4
解説:選択肢4の記述が誤りです。露出型柱脚と根巻き型柱脚はそもそも異なる工法です。露出型においてアンカーボルトの定着長さは柱脚の安全性を担保する非常に重要な要素であり、勝手に短くして根巻きコンクリートで代用するような仕様変更は認められません。また、仮に根巻き型柱脚だとしてもコンクリートの高さは「2.5倍以上」必要です。選択肢1、2、3は正しい施工手順です。
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まとめ:柱脚の固定方法は数値と固定度で整理!
今回は、S造の柱脚(ベースプレート)の固定方法について解説しました。最後にもう一度、試験に出る重要数値を表で復習しておきましょう!
| 固定方法 | 接合部の性質(固定度) | 試験にでる重要数値ルール |
|---|---|---|
| 露出型柱脚 | 小さい(ピン接合に近い) | 足元に無収縮モルタルを隙間なく充填する |
| 根巻き型柱脚 | 中〜大(剛接合に近い) | 根巻きコンクリートの高さ = 柱幅Dの2.5倍以上 |
| 埋込み型柱脚 | 最大(がっちりした剛接合) | コンクリートへの埋込み深さ = 柱幅Dの2倍以上 |
固定度の「露出 < 根巻き < 埋込み」という順番と、「根巻き=2.5倍」「埋込み=2倍」という数字の組み合わせは、試験直前まで何度も見返して暗記してくださいね。ネコマルサイトの図解を味方につけて、学科試験を突破しましょうにゃ!
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