一級建築士・二級建築士学科試験でよく出る!S造の「溶接部の欠陥」をわかりやすく解説
建築士の学科試験(構造・施工)において、S造(鉄骨造)の溶接接合は毎年必ずと言っていいほど出題される超重要テーマです。その中でも、溶接がうまくできずに欠陥が生じる「ディフェクト(溶接欠陥)」の問題は、専門用語が多くて混乱しがちですよね。
この記事では、試験に一発で合格するための「溶接部の欠陥の種類と特徴」を、どこよりもわかりやすく整理して解説します。
この記事で学べること
- 試験に必ず出る主要な溶接欠陥(アンダーカット、オーバーラップ、ブローホールなど)の明確な違い
- 構造・施工それぞれの科目で狙われる「正しい形状と原因」の知識
- 一級・二級の学科試験で確実に得点をもぎ取るための実戦力
一級建築士・二級建築士の学科試験出題傾向
本単元は、二級建築士でも「よく出る(共通単元)」に指定されている必須知識です。二級では欠陥の名称と状態を一致させる基本問題が中心ですが、一級では発生原因や非破壊検査との組み合わせなど、より深い実務的な知識まで踏み込んで出紙されます。どちらの試験でも、文字の定義だけでなく「形状のイメージ」を持っておくことが高得点への近道です。
この記事の読み方
記事の冒頭にある「ネコマル特製・1枚完結図解」を見るだけで、それぞれの欠陥がどのような形をしていて、なぜ危険なのか、要点の意味が直感的にイメージできるようになっています!
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溶接欠陥(ディフェクト)の種類と覚え方!試験に出る重要キーワード
一級・二級建築士学科試験の「構造・施工」で落とせない欠陥の分類

まずは根本の仕組みから丁寧に整理します。難しい式を使わず、図解イメージで理解できるように分解すると、溶接欠陥は「表面に現れる欠陥」と「内部に隠れる欠陥」の2つに大きく分けることができます。ネコマルと一緒に、現場で溶接をチェックする気持ちで見ていきましょう!
1. アンダーカット(表面の欠陥)
アンダーカットは、溶接の電流が強すぎたり、溶接速度が速すぎたりすることが原因で発生します。母材(くっつけたい鉄板)のキワが強い熱で溶けすぎてしまい、溶接金属が十分に充填されずに溝(凹み)のまま残ってしまった状態です。
電流が強すぎて「削りすぎてしまった」状態をイメージしてください。エッジがシャープに凹むため、そこに力が集中して破壊の原因(応力集中)になりやすい、非常に危険な欠陥です。
2. オーバーラップ(表面の欠陥)
オーバーラップは、アンダーカットとは真逆の原因で発生します。溶接電流が弱すぎたり、溶接速度が遅すぎたりして、溶けた溶接金属が母材の上にだらんと垂れ下がって乗っかっているだけの状態です。
一見するとしっかり盛られているように見えますが、母材と溶接金属が熱で「融合」していないため、端部がただ重なっているだけです。ペロッと剥がれやすい状態をイメージしてください。
3. ブローホール(内部の欠陥)
ブローホールは、溶接金属の中にガス(空気の泡)が閉じ込められて、そのまま固まってできた空洞(気泡)のことです。溶接作業中にシールドガスが風で吹き飛ばされたり、母材の表面にサビや水分、油分が付着していたりすると発生しやすくなります。
外見からは見えないため、超音波探傷試験(UT)などの非破壊検査で見つけ出す必要があります。
4. スラグ巻き込み(内部の欠陥)
溶接の過程で発生するガラス質のゴミ(スラグ)が、次の溶接金属の中に溶けきらずに残って巻き込まれてしまった状態です。多層盛り溶接(何回も重ねて溶接する手法)の際、前の層のスラグをきれいに清掃(チッピング)しないまま次の層を溶接すると発生します。
★ネコマルのワンポイントアドバイスにゃ!
「アンダー(下に)カット(削れる)」は凹み!「オーバー(上に)ラップ(重なる)」は垂れ下がり!この2つの言葉の意味と形状の引っ掛けは、試験でめちゃくちゃ狙われるから絶対にゴチャ混ぜにしちゃダメにゃ!」
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一級建築士・二級建築士の過去問にチャレンジ!【実戦演習】
ここまでの知識が実際の試験でどのように出題されるか、過去問をベースにした演習問題で実力を確認しましょう。二級出題度「よく出る」の単元のため、二級レベルと一級レベルをそれぞれ1問ずつ用意しました。
【問題1】二級建築士学科試験レベル(施工)
鉄骨工事における溶接接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- アンダーカットは、溶接電流が強すぎること等により、溶接の止端部に沿って母材が掘られたような溝となり、溶接金属が充填されずに残ったものである。
- オーバーラップは、溶接電流が弱すぎること等により、溶接金属が母材に融合しないで重なり合っている状態である。
- ブローホールは、溶接金属の内部に生じた球状などの空洞であり、主な原因としては、溶接部の清掃不良やシールドガスの不足などが挙げられる。
- スラグ巻き込みは、溶接熱によって急激に冷やされた鋼材の内部に、目に見えない微細なひび割れ(クラック)が発生した状態である。
【問題1の解答・解説】
正解(最も不適当なもの):4
解説:選択肢4の記述は誤りです。スラグ巻き込みとは、ひび割れのことではなく、溶接中に発生する非金属のカス(スラグ)が溶接金属内に除去されずに残ってしまった欠陥を指します。なお、ひび割れのことは「割れ(クラック)」と呼びます。選択肢1、2、3は記述の通りで、いずれも試験に出る超重要定義です。
【問題2】一級建築士学科試験レベル(構造)
鋼構造の溶接接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 完全溶込み溶接の突合せ継手において、溶接金属の引張強さは、母材の基準強度の数値と同等以上でなければならない。
- アンダーカットは、溶接の止端部に沿って母材が削られたような溝になる欠陥であり、応力集中を緩和するためには好ましくない形状である。
- オーバーラップは、電流が強すぎることや溶接速度が速すぎることによって、溶接金属が母材の上にだらりと垂れ下がった欠陥である。
- ブローホールなどの内部欠陥の有無を確認する非破壊検査として、一般に超音波探傷試験(UT)が用いられる。
【問題2の解答・解説】
正解(最も不適当なもの):3
解説:選択肢3の記述が誤りです。オーバーラップの原因は「電流が弱すぎること」や「溶接速度が遅すぎること」です。電流が強すぎ・速度が速すぎることによって発生するのは「アンダーカット」です。原因と言葉の組み合わせを逆にする一級ならではの引っかけ問題です。他の1、2、4の選択肢は正しい記述です。
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まとめ:溶接欠陥はビジュアルで覚えれば怖くない!
今回は、S造の溶接部における様々な欠陥(ディフェクト)について解説しました。最後にもう一度、要点を表で復習しておきましょう!
| 欠陥の名称 | 状態・形状の特徴 | 主な原因 |
|---|---|---|
| アンダーカット | 母材のキワが掘られて溝になっている | 電流が強すぎる、速度が速すぎる |
| オーバーラップ | 溶接金属が母材の上に垂れて乗っている | 電流が弱すぎる、速度が遅すぎる |
| ブローホール | 内部にガス(気泡)が閉じ込められている | 水分・サビの付着、風によるガス不足 |
| スラグ巻き込み | 溶接のカス(ゴミ)が中に残っている | 前層の清掃不足(チッピング不足) |
ネコマルサイトでは、このように受験生が間違いやすいポイントを可愛いイラストと一緒にわかりやすく解説しています。何度も見返して、学科試験の貴重な1点をつかみ取りましょうにゃ!
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