一級建築士・二級建築士の学科試験で頻出!「S造・鋼材の種類と降伏点・引張強さ」をわかりやすい図解でマスターする覚え方
鉄骨(S)造の建築物を設計・施工する上で、避けて通れないのが「鋼材の性質」です。試験ではSS材、SM材、SN材といった鋼材の種類や、それぞれの名称に含まれる数値が「降伏点」と「引張強さ」のどちらを表しているかが非常によく問われます。文字の暗記ではなく、性質の仕組みをイメージして得点源にしましょう!
この記事で学べること
- 鋼材の名称(SS400など)の後ろにつく数字の正しい意味
- 「降伏点」と「引張強さ」の違いと応力-ひずみ曲線での位置
- 一級・二級の学科試験(構造・施工)で確実に正解を選ぶためのポイント
一級建築士・二級建築士の学科試験における出題傾向
本単元は、一級建築士および二級建築士の学科試験において、非常に「よく出る(共通単元)」必須知識です。特に「数字が示すのは降伏点か引張強さか」という部分や、「建築構造用として開発されたSN材の特性」については、言葉を入れ替えた引っ掛け問題が何度も繰り返し出題されています。
この記事の読み方
この記事では、ヘルメットをかぶったネコマル特製の「1枚完結図解」を見るだけで、公式や要点の意味が直感的にイメージできるため、文字を追うだけで自然と構造アレルギーが消えていきます!
一級建築士・二級建築士の学科試験で狙われる「鋼材の名称と数値」の基本ルール

まずは根本の仕組みから丁寧に整理します。難しい式を使わず、図解イメージで理解できるように分解すると、鋼材の基本は「名前のアルファベット」と「数字の意味」の2つに集約されます。
試験に出る代表的な鋼材は以下の3種類です。
- SS材(一般構造用圧延鋼材): 最もポピュラーな鋼材。
- SM材(溶接構造用圧延鋼材): 溶接しやすいように成分が調整された鋼材(MはMelt/Weldingのイメージ)。
- SN材(建築構造用圧延鋼材): 地震を受ける建築物のために開発された、最も新しく優秀な鋼材(NはNew/Networkのイメージ)。
そして、ここからが最大の試験ポイントです。例えば「SS400」や「SM400」、「SN400」という名称の「400」という数値は、すべて「引張強さの下限値(400N/mm2)」を表しています。降伏点ではありません!
ただし、例外として「建築構造用高性能圧延鋼材」である「SA700」のように、頭に「SA」がつく高強度鋼材などの場合は、数字の「700」が「基準降伏点」を示すことになります。ネコマルも「普通のSSやSM、SNの400や490は『引張強さ』、特別なSA700は『降伏点』。この違いを整理するのが合格への近道にゃ!」と強調しています。
「降伏点」と「引張強さ」の違いをグラフでイメージする
鋼材に引っ張る力を加えていくと、最初はバネのように元に戻りますが、ある力を超えると元に戻らなくなり(塑性変形)、最終的に耐え切れなくなってちぎれます。この一連の動きを表したのが「応力-ひずみ曲線」です。
- 降伏点(または降伏強度): 鋼材が元に戻らなくなる限界のポイント。ここを超えると、力を加えなくてもググッと伸びるようになります。
- 引張強さ: 鋼材がちぎれる直前、最も強い力に耐えている状態(グラフの最高峰の山のてっぺん)。
建築物の設計では、地震のエネルギーを鋼材が「降伏」した後の粘り強さ(変形能力)で吸収させることが重要になります。そのため、建築専用のSN材では、降伏点が高くなりすぎないように上限値が設定されていたり、引張強さと降伏点の比率(降伏比)を低く抑えて、地震時に急に壊れないような高い安全性が確保されています。
過去問に挑戦!一級建築士・二級建築士の学科試験レベルの演習問題
それでは、実際の学科試験のレベルに合わせた演習問題に挑戦してみましょう。二級出題度「よく出る」に合わせ、二級レベルと一級レベルを1問ずつ用意しました。
【第1問:二級建築士レベル】
鉄骨構造に用いられる鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 一般構造用圧延鋼材(SS400)の「400」という数値は、鋼材の降伏点の下限値を示している。
2. 溶接構造用圧延鋼材(SM材)は、一般構造用圧延鋼材(SS材)に比べて溶接性に優れている。
3. 建築構造用圧延鋼材(SN材)は、地震時の塑性変形能力を確保するため、降伏比(降伏点/引張強さ)の上限などが規定されている。
4. 鋼材のヤング係数は、鋼材の強度(SS400やSS490など)に関わらず、ほぼ一定である。
【第1問の解答・解説】
正解は「1」です。
- 選択肢2、3、4はすべて鋼材の性質として非常に重要な正しい記述です。鋼材の種類が変わっても、ヤング係数(変形のしにくさの係数)が変わらないという点も頻出です。
- 選択肢1:不適当。 先述の通り、SS400の「400」という数値は、降伏点ではなく「引張強さの下限値(400N/mm2)」を示しています。非常によくある典型的な引っ掛けパターンです。ネコマルも「一番引っかかりやすいポイントだから、図解の山のてっぺんを思い出すにゃ!」と言っています。
【第2問:一級建築士レベル】
鉄骨建築物に用いられる構造用鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. SN材(建築構造用圧延鋼材)のうち、SN400BやSN490Bなどは、溶接性の確保のために炭素当量の上限が定められているほか、降伏比の上限も規定されている。
2. 建築構造用高性能圧延鋼材(SA700)の「700」という数値は、設計の基準となる基準降伏点(700N/mm2)を示している。
3. 鋼材を引張試験した際に得られる「応力-ひずみ曲線」において、一般の構造用圧延鋼材は、強度の高い鋼材ほど伸び能力(破断ひずみ)が大きくなる傾向がある。
4. SN材のC種(SN400C、SN490Cなど)は、板厚方向の引張力による板厚裂断(ラメラテア)を防止するため、板厚方向の絞り値の下限や硫黄(S)の含有量の上限が厳しく制限されている。
【第2問の解答・解説】
正解は「3」です。
- 選択肢1、2、4は一級建築士の構造において非常に深い部分まで問われる正しい記述です。SN材のB種・C種の違いや、SA700の数値の意味(基準降伏点)は一級の必須知識です。
- 選択肢3:不適当。 鋼材は、一般に強度の高い鋼材(高張力鋼など)ほど、硬くて脆くなる性質があるため、伸び能力(破断ひずみ)は小さくなる(低下する)傾向があります。「強度の高い鋼材ほど伸び能力が大きくなる」としている本肢の記述は真逆であり、誤りです。
まとめ:鋼材の数字は「引張強さ」が基本!SA700だけが「降伏点」!
S造の鋼材の種類と数値のルール、整理できましたでしょうか?「SS400やSN490などの数字は、すべて引張強さの最低保証値であること」、そして「強くなればなるほど鋼材は伸びにくくなる(破断ひずみが小さくなる)こと」を頭に入れておけば、学科試験の難問も一発で見抜けます。
ネコマルの応力-ひずみ曲線のイメージを大切にしながら、自信を持って過去問を解き進めていきましょうにゃ!
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