一級建築士・二級建築士の学科試験に出る「構造設計・風圧力と積雪荷重」をわかりやすく徹底解説!
建築士の学科試験(構造)において、地震力と並んで重要な「外力(建築物に作用する荷重)」が「風圧力(ふうあつりょく)」と「積雪荷重(せきせつかじゅう)」です。これらは地域や建物の形状、季節によって大きく条件が変わるため、試験ではその「計算ルールの違い」や「特徴的な数値」が非常によく狙われます。
この記事では、構造設計の基本である風圧力と積雪荷重のキホンについて解説します。
- 風圧力が「風速の2乗に比例する」という超重要原則がわかる
- 雪の重さ(積雪荷重)の基本単位と、屋根の傾きによる緩和ルールが身につく
- 一級・二級建築士の学科試験で定番の「数値の引っかけ」を過去問で対策できる
一級建築士・二級建築士ともに、この単元は「数字の決まりごと」と「物理的なイメージ」をセットで覚えておけば、計算を強行しなくても文章題で確実に1点をもぎ取ることができます。ネコマルのイラスト図解と一緒に、楽しく整理していきましょう!
【この記事の読み方】
ネコマル特製・1枚完結図解を見るだけで、公式・要点の意味が直感的にイメージできるようになっています!まずは「風は高さとスピード、雪は厚みと屋根の傾きがポイントなんだな」という全体像を浮かべながら、解説を読み進めてみてください。
構造設計の必須知識「風圧力」と「積雪荷重」の覚え方と基本ルール

現場の感覚では「風も雪も、その時々で強さが違うから予測できない」と思いがちですが、学科試験(構造設計)では「過去のデータに基づき、建築基準法で明確な数値や乗数のルールが定められている」ため、そこを正確に暗記する必要があります。取り違えやすいポイントを整理して解説します。
1. 風圧力(W)の基本ルール
風圧力は、風によって建物が横から押される(または引っ張られる)力のことです。公式は W = q × C_f で表されます。
- 速度圧(q):風そのもののエネルギー(勢い)です。最大のポイントは、速度圧は「設計用基準風速(V_0)の2乗」に比例して大きくなるという点です。風速が2倍になれば、風の破壊力は4倍になります!また、地面付近よりも「高い場所ほど風が強く吹く」ため、建物の高さが高くなるほど速度圧(q)は大きくなります。
- 風力係数(C_f):建物の形(アスペクト比など)や、風が当たる面(見付面・背後面・屋根面)によって決まる、風の受けやすさの係数です。
2. 積雪荷重(S)の基本ルール
積雪荷重は、屋根の上に積もった雪の重さによる下向きの力です。公式は S = d × μ × A(積雪深×単位荷重×勾配係数×面積)のイメージで計算されます。
- 雪の単位荷重:建築基準法の大原則として、「積雪量1cmごとに、1平方メートルあたり20N(ニュートン)以上」の重さ(20N/cm/平方メートル)として計算します。ただし、豪雪地帯などの多雪区域では、実況に応じて地方自治体がこれより重い数値を指定できます。
- 屋根の勾配(傾き)による緩和:屋根の傾きが急であればあるほど、積もった雪は自然と下に滑り落ちていきます。そのため、屋根の勾配に応じて積雪荷重を減らすことができる「勾配係数(μ)」を掛け算します。特に、屋根の勾配が60度以上になると、雪が全く積もらないとみなして積雪荷重を「ゼロ」にすることができます。これがネコマルが驚いていた雪国の知恵にゃ!
一級建築士・二級建築士の過去問に挑戦!「風・雪荷重」の学科試験対策演習
それでは、実際の学科試験でどのように出題されるのか、過去問をベースにした演習問題で知識を定着させましょう。
【演習問題1】二級建築士レベル(文章題・風圧力と積雪荷重)
建築基準法に基づく建築物の構造設計における外力・荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 風圧力の計算において、速度圧は、原則として、構造計算対象部分の地盤面からの高さの平方根(ルート)に比例して大きくなる。
2. 風圧力の計算に用いる設計用基準風速(V_0)は、その地方における過去の台風の記録等に基づき、30m/s〜46m/sの範囲内において国土交通大臣が定める値である。
3. 積雪荷重の計算において、雪の単位荷重は、積雪量1cmごとに1平方メートルあたり20N以上としなければならない。
4. 屋根の積雪荷重は、屋根に雪止めがある場合を除き、屋根の勾配が45度を超え60度未満の場合、勾配に応じて減らすことができる。
【解説】
風の高さ・速度のルールと、雪の基本数値をしっかり思い出すにゃ!
- 選択肢1:不適当。これが超定番の引っかけにゃ!速度圧(q)は、建物の高さに応じて大きくなりますが、その変化は「高さの平方根(ルート)」ではなく、建築基準法で定められた「高さのE(環境)係数などの2乗」や一定の高さごとのプロファイルに基づきます。また、何より試験で重要なのは「風速(V_0)の2乗に比例する」という原則です。文脈として「平方根に比例」は誤りです。
- 選択肢2:正しい。基準風速 V_0 は、地域ごとに30〜46m/sの範囲で細かく大臣が指定しています。
- 選択肢3:正しい。雪の重さの基本は「1cmあたり20N/平方メートル以上」です。この数字は絶対暗記にゃ!
- 選択肢4:正しい。屋根の傾きが急なほど雪は滑り落ちるため、荷重を減らせます(60度以上でゼロ)。ただし、雪止めがあると滑らないので減らせないという注意書きも正しいです。
「風速の2乗に比例」というフレーズを完璧に覚えておくのが、引っかけを見破る最大の武器にゃ!したがって、答えは「1」です。
【演習問題2】一級建築士レベル(文章題・積雪荷重の応用)
建築物の構造設計における積雪荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 屋根の積雪荷重の計算において、屋根勾配が60度の場合、雪止めがないものとすれば、積雪荷重をゼロとすることができる。
2. 多雪区域以外の区域において、短期の積雪荷重は、原則として、常時作用している長期の積雪荷重の2倍とする。
3. 建築物の周りに広いひさしがある場合、屋根の風流し(風によって雪が吹き飛ばされる現象)を考慮して、一様に積もる場合よりも局所的な積雪荷重を増大させて設計する必要がある場合がある。
4. 多雪区域に指定された地域においては、短期の構造計算を行う場合であっても、積雪荷重を地震力(地震時の計算)に常に一律で加算する必要はない。
【解説】
- 選択肢1:正しい。勾配が60度以上の屋根(雪止めなし)は、積雪荷重をゼロにできます。
- 選択肢2:不適当。ここが一級特有の荷重の組み合わせの引っかけにゃ!一般の地域(多雪区域以外)では、雪は一時的にしか積もらないため、「長期(常時)の積雪荷重はゼロ」として設計します。そして、たまにドカ雪が降ったときのために「短期の積雪荷重」を計算します。「長期の2倍」という関係ではなく、一般地域では長期=0、短期=規定の積雪荷重となるんだにゃ!
- 選択肢3:正しい。風の吹き溜まりによって、屋根の一部分だけに雪がものすごく重く積もることがあります(偏心積雪)。これを考慮して局所的に補強する設計実務の説明です。
- 選択肢4:正しい。多雪区域では、地震時の計算に積雪荷重を「加算する」必要がありますが、その割合は地域や条件によって異なるため、「常に一律で最大値を加算する」わけではありません(常時積雪の0.7倍など、組み合わせの基準があります)。
一般の地域では、普段は雪がない(長期=0)けれど、冬の最大積雪を「短期」としてチェックするんだにゃ!したがって、最も不適当なものは「2」になります。
一級建築士・二級建築士の「風圧力と積雪荷重」わかりやすい覚え方まとめ
構造設計に欠かせない「風」と「雪」の荷重について、要点をおさらいしましょう。
- 風圧力(W):風速(V_0)の2乗に比例して破壊力が跳ね上がる!上に行くほど風は強い。
- 積雪荷重(S):基本は「1cmごとに20N/平方メートル以上」。屋根の傾きが60度以上で雪止めがなければゼロにできる。
- 試験での引っかけ対策:「風速の2乗」という乗数の引っかけや、一般地域における「長期積雪荷重は原則ゼロ(常時は積もっていない)」という期間の扱いに注意するにゃ!
自然の脅威である風と雪ですが、試験に出るルールはとてもデジタルでシンプルです。ネコマルの1枚完結図解のイラストを頭にストックして、文章題をスラスラとクリアしていきましょにゃ!
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