一級建築士・二級建築士の学科試験に出る「構造力学・座屈長さ」をわかりやすく徹底解説!
建築士の学科試験(構造)において、文章問題・計算問題ともに毎年超高確率で出題されるのが「座屈(ざくつ)」です。上からの重みに耐えきれず、柱がぐにゃっと折れ曲がる現象のことですが、丸暗記しようとすると「1.0倍だっけ? 2.0倍だっけ?」と試験本番でパニックになりがちです。
この記事では、構造力学の難所である「座屈長さ(有効座屈長さ)」について解説します。
- 柱の「ピン」や「固定」といった支持条件と座屈長さの関係が完璧にわかる
- 試験でそのまま得点できる座屈長さの数値の覚え方が身につく
- 一級・二級建築士それぞれの過去問パターンを網羅して対策できる
一級建築士・二級建築士の学科試験では、座屈の性質を正しく理解しているだけで確実に1点をもぎ取れるボーナス単元です。しっかりマスターしていきましょう!
【この記事の読み方】
難しい数式を追う必要はありません。ネコマル特製・1枚完結図解を見るだけで、公式・要点の意味が直感的にイメージできるようになっています!まずは全体のイメージを掴んでから、解説を読み進めてみてください。
構造力学の最重要単元「座屈長さ」の覚え方と基本ルール
まずは根本の仕組みから丁寧に整理します。難しい式を使わず、図解イメージで理解できるように分解すると…

座屈とは、細長い柱に対して、上からまっすぐ押し潰すような力(圧縮力)を加えたとき、柱が耐えきれなくなって横に「ぐにゃっ」と飛び出すように折れ曲がる現象のことです。このとき、座屈が起きる瞬間の力の大きさを「座屈荷重(P_k)」と呼びます。
座屈の最も重要な性質は、「柱の長さ(l)が長くなればなるほど、また柱が細ければ細いほど、小さな力であっさりとぐにゃっと曲がってしまう」という点です。ネコマルが細い下敷きを上から押して、簡単にグニャッと曲げて驚いていたのがまさにこの現象にゃ!
外力に抵抗して柱が実際に曲がってしまう範囲の長さを「有効座屈長さ(l_k)」と呼びます。基準となる柱の実際の長さを l としたとき、以下の4つのパターンを絶対に暗記してください。
【超重要:支持条件と座屈長さ(l_k)の倍率】
・両端ピン(ヒンジ):1.0 l (基本の形。柱の長さそのまま全体が綺麗に弓形に曲がります)
・一端固定・他端自由(片持柱):2.0 l (一番弱い!根本だけ固定で上はフリー。ピンの「倍」曲がりやすい)
・一端固定・他端ピン:0.7 l (片方が強固に固定されているため、ピンより少し強くなり曲がる範囲が縮みます)
・両端固定:0.5 l (最強の柱!上下ともガチガチに固定され、中央の「半分の長さ」しか曲がれません)
試験では、この倍率の数字(2.0 > 1.0 > 0.7 > 0.5)をそのまま使って、「どの柱が一番強いか(座屈しにくいか)」や「座屈長さの比を求めよ」という問題が出題されます。数字が小さいほど曲がりにくく、強い柱という意味にゃ!
一級建築士・二級建築士の過去問に挑戦!「座屈長さ」の学科試験対策演習
それでは、実際の建築士試験でどのように出題されるのか、過去問をベースにした演習問題にチャレンジしてみましょう!今回は二級レベルと一級レベルをそれぞれ1問ずつ用意しました。
【演習問題1】二級建築士レベル(文章題・座屈の性質)
構造骨組の圧縮材の座屈に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1. 柱の有効座屈長さは、両端が固定されている場合のほうが、両端がピン(ヒンジ)接合されている場合よりも短くなる。
2. 断面の形状が同じであれば、柱の長さが長いほど、座屈荷重は小さくなる。
3. 細長比(ほそながひ)が大きくなるほど、柱は座屈しやすくなる。
4. 一端が固定され他端が自由な柱(片持柱)の有効座屈長さは、その柱の実際の長さの1.5倍である。
【解説】
支持条件ごとの座屈長さの倍率をしっかり頭に浮かべるのがコツにゃ!
- 選択肢1:正しい。両端固定の座屈長さは 0.5 l、両端ピンは 1.0 l なので、固定のほうが短くなります。
- 選択肢2:正しい。柱は長ければ長いほど、上からの力に対して弱い(小さな力で座屈する)性質があります。
- 選択肢3:正しい。「細長比」とは柱の細長さのランクを表す指標で、この値が大きいほど「細くて長い」ため座屈しやすくなります。
- 選択肢4:不適当。一端固定・他端自由の柱(片持柱)の有効座屈長さは、実際の長さの「2.0倍」です。1.5倍ではありません。
したがって、最も不適当なものは「4」にゃ!
【演習問題2】一級建築士レベル(計算問題・座屈長さの比)
図のような、実際の長さがそれぞれ異なる3本の柱A、B、Cがある。それぞれの有効座屈長さ l_A、l_B、l_C の大小関係として、正しいものはどれか。
・柱A:長さ h、両端ピン
・柱B:長さ 1.5h、一端固定・他端ピン
・柱C:長さ 2h、両端固定
1. l_A < l_B < l_C
2. l_C < l_A < l_B
3. l_A = l_C < l_B
4. l_B < l_A = l_C
【解説】
それぞれの柱の「実際の長さ」に「支持条件の倍率」を掛け算して、有効座屈長さを計算して比較する問題にゃ!
- 柱Aの座屈長さ(l_A):長さは h、両端ピンの倍率は 1.0 なので、
l_A = 1.0 × h = 1.0h - 柱Bの座屈長さ(l_B):長さは 1.5h、一端固定・他端ピンの倍率は 0.7 なので、
l_B = 0.7 × 1.5h = 1.05h - 柱Cの座屈長さ(l_C):長さは 2h、両端固定の倍率は 0.5 なので、
l_C = 0.5 × 2h = 1.0h
計算結果を比べると、l_A = 1.0h、l_B = 1.05h、l_C = 1.0h となり、l_A = l_C < l_B という関係になります。
したがって、正しい選択肢は「3」にゃ!
一級建築士・二級建築士の「座屈長さ」わかりやすい覚え方まとめ
建築士試験の超重要項目である「座屈長さ」のポイントをおさらいしましょう。
- 座屈とは:細長い柱が圧縮力を受けて、ぐにゃっと横に折れ曲がる現象。長いほど・細いほど起きやすい。
- 座屈長さの4つの倍率:両端ピンは「1.0」、片持(自由)は「2.0」、固定・ピンは「0.7」、両端固定は「0.5」。
- 試験での解き方:問題文に提示された実際の柱の長さに、この倍率を掛け算して有効な座屈長さを割り出す。
この4つの数字さえ完璧に覚えておけば、文章題でも計算問題でも迷うことはありません。ネコマルの1枚完結図解のイメージをいつも頭に浮かべて、確実に得点源にしてくださいにゃ!
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