一級建築士・二級建築士の学科試験で必須の「構造力学・応力度の正体」をわかりやすい覚え方でマスターする!
建築士の学科試験の構造力学において、多くの受験生が「応力(M・Q・N)」と「応力度(σ・τ)」の違いで混乱してしまいます。簡単に言うと、応力は部材全体にかかる「力」そのものですが、応力度は部材の断面の**「1平方ミリメートルあたり(単位面積あたり)にかかるストレスの強さ」**を表します。建物が壊れないように設計するためには、この中身のストレスを計算することが不可欠です。
この記事では、以下のステップで確実に得点源にする知識を学びます。
- 軸応力度・曲げ応力度・せん断応力度のそれぞれの「ストレスの分布形」の違い
- 試験に一発で答えるための重要公式(N/A、M/Zなど)の確実な覚え方
- 過去問の文章題で最も狙われる「最大値がどこに発生するか」の鉄板ルール
【一級建築士・二級建築士の学科試験における出題傾向】
一級建築士・二級建築士の学科試験において、この単元は「よく出る(共通単元)」です。二級建築士では、長方形断面における曲げ応力度やせん断応力度の最大値を計算させる問題が毎年のように出題されます。一級建築士の学科試験では、計算問題として複雑な組み合わせ応力度が出題されるだけでなく、文章題において「許容応力度」や「断面の応力分布」の本質を突く問題が非常によく狙われます。
この記事の読み方:ネコマル特製・1枚完結図解を見るだけで、公式・要点の意味が直感的にイメージできるため、暗記に頼らずスラスラと計算の仕組みが頭に入ってきます!
構造力学の一級建築士・二級建築士の学科試験における覚え方と「3つの応力度」の過去問攻略の基本
まずは根本の仕組みから丁寧に整理します。難しい式を使わず、図解イメージで理解できるように分解すると…

学科試験を突破するために覚えるべき「応力度のキャラクター」は、次の3種類だけです。それぞれの公式と、断面の中でどのような分布(ストレスの形)になるかを完璧にリンクさせて覚えましょうにゃ!
1. 軸応力度(σ:シグマ)は「全員一丸のフラット型」
部材を真っ直ぐ引っ張ったり(引張)、押しつぶしたり(圧縮)するときに発生するストレスです。
- 公式: σ = N ÷ A (軸方向力 N / 断面積 A)
- ストレスの形: 断面のどこを見ても、全員が均等に同じストレスを分担します。そのため、グラフは真っ直ぐな「長方形(均等分布)」になります。
2. 曲げ応力度(σ_m)は「端っこが一番キツい三角形型」
部材が弓なりに曲がるとき、外側は引っ張られ、内側は押しつぶされます。このとき、ど真ん中の線(中立軸)は全く伸び縮みしないため、ストレスはゼロになります。
- 公式: σ_m = M ÷ Z (曲げモーメント M / 断面係数 Z)
- ストレスの形: 真ん中がゼロで、**一番外側の端っこ(縁:へり)にいくほどストレスが最大**になります。グラフは綺麗な「ちょうネクタイ(三角形分布)」の形になります。
3. せん断応力度(τ:タウ)は「真ん中が一番キツい放物線型」
部材をハサミで断ち切るように、すれ違いにズラそうとするストレスです。
- 公式(長方形の最大値): τ_max = 1.5 × (Q ÷ A) (せん断力 Q / 断面積 A の1.5倍)
- ストレスの形: 曲げ応力度とは真逆で、一番外側の端っこはすり抜けてしまうためストレスはゼロになり、**ど真ん中の線(中立軸)でストレスが最大**になります。グラフは「山型の放物線(パラボラ型)」になります。
★試験に出る超重要ひっかけポイント!
・曲げのストレスが最大になるのは:一番外側の端っこ(縁応力度)
・せん断のストレスが最大になるのは:ど真ん中のライン(中立軸)
この「最大値が発生する場所が真逆」という特徴が、文章題や計算問題で最も受験生を翻弄するポイントなんだにゃ!
過去問にチャレンジ!一級建築士・二級建築士学科試験の「応力度の正体」演習問題
それでは、実際の試験でどのように出題されるか、過去問をベースにした問題に挑戦してみましょう。今回は二級出題度が「よく出る」の共通単元ですので、二級レベル1問、一級レベル1問の計2問を用意しました。公式を道具として使って解いてみるにゃ!
【第1問:二級建築士レベル】
幅 100mm、高さ 200mm の長方形断面をもつ片持ち梁に曲げモーメント M = 8 kN・m が作用したとき、この断面に生じる最大曲げ応力度(縁応力度)の値として、最も適当なものはどれか。
- 6 N/mm²
- 12 N/mm²
- 18 N/mm²
- 24 N/mm²
【第2問:一級建築士レベル】
構造力学における材軸方向の応力度及びせん断応力度に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 長方形断面の直線材に軸方向力のみが作用する場合、断面に生じる軸応力度は全断面にわたって均一である。
- 長方形断面の梁に曲げモーメントが作用する場合、断面に生じる曲げ応力度は中立軸で最大となる。
- 長方形断面の梁にせん断力が作用する場合、断面に生じるせん断応力度は中立軸において最大となり、その値は平均せん断応力度の1.5倍である。
- H形鋼の梁にせん断力が作用する場合、せん断力の大半はウェブ部分によって負担される。
解答とわかりやすい解説
【第1問の解答】
正解は 2 です。
【解説】
曲げ応力度の公式は「σ_m = M ÷ Z」です。まずは長方形の断面係数 Z を求めましょう。
Zの公式は「b × h² ÷ 6」です(幅 × 高さの2乗 ÷ 6)。
Z = 100 × 200² ÷ 6 = 100 × 40000 ÷ 6 = 4,000,000 ÷ 6 mm³
次に、曲げモーメント M = 8 kN・m の単位を、応力度の単位である「N」と「mm」に変換します。
8 kN・m = 8,000 N・m = 8,000,000 N・mm(10の6乗を掛け算します)。
公式に代入すると、
σ_m = M ÷ Z = 8,000,000 ÷ (4,000,000 ÷ 6)
わり算の分数をひっくり返して掛け算にすると、
σ_m = (8,000,000 ÷ 4,000,000) × 6 = 2 × 6 = 12 N/mm² となります。したがって、正解は「12 N/mm²」です。
【第2問の解答】
正解は 2 です。(最も不適当なものを選びます)
【解説】
選択肢1、3、4はすべて正しい記述です。選択肢3にある「長方形の最大値は平均(Q/A)の1.5倍」という数値も試験の超定番です。また、選択肢4の「H形鋼のせん断力はウェブ(真ん中の縦プレート)が担う」というのも実務・試験ともに必須の常識です。
誤っているのは選択肢2です。曲げ応力度が最大になるのは「中立軸(真ん中)」ではなく、一番外側の「縁(へり)」です。中立軸における曲げ応力度は「ゼロ」になります。ネコマルがちくわを曲げたときに、一番外側の皮がピンと引っ張られてキツそうにしていたイメージを思い出せば、バッチリ見抜けますにゃ!
まとめ:一級・二級建築士合格に向けた応力度の覚え方
部材の中身のストレスである「応力度」の正体は掴めたでしょうか?
「引っ張りはみんな均等、曲げは端っこが最大(M/Z)、せん断は真ん中が最大(1.5倍)」。この特性とグラフの形は、建築士試験のあらゆる場面で繰り返し問われます。公式の計算だけでなく、どこが一番ストレスで苦しんでいるのかを図面から直感的に読み取れるように、ネコマルのちくわ図解を何度も復習してくださいにゃ!
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