一級建築士・二級建築士の学科試験で必須の「構造力学・力のつり合いとモーメント」をわかりやすい覚え方でマスターする!
建築士の学科試験に合格する上で、絶対に避けて通れないのが「構造力学」です。その中でもすべての計算の土台となるのが「力のつり合いとモーメント」です。数式ばかりを見ると難しく感じてしまうかもしれませんが、本質はとてもシンプルです。
この記事では、以下のステップで確実に得点源にする知識を学びます。
- 力のつり合いの基本3条件(X方向・Y方向・モーメント)の本質
- モーメント(回転する力)の求め方と符号の確実な覚え方
- 実際の試験問題に対応できる反力の計算手順
【一級建築士・二級建築士の学科試験における出題傾向】
一級建築士の学科試験では、この単元の基礎が理解できていないと構造力学の計算問題(全6問程度)のすべてで失点する恐れがあります。二級建築士の学科試験でも「よく出る(共通単元)」であり、毎年必ず1問は反力を求める計算問題や、つり合い条件を問う問題が直接出題されます。両試験において、絶対に落とせない最重要単元です。
この記事の読み方:ネコマル特製・1枚完結図解を見るだけで、公式・要点の意味が直感的にイメージできるため、暗記に頼らずスラスラと計算の仕組みが頭に入ってきます!
構造力学の基本!力のつり合い条件とモーメントの仕組み
まずは根本の仕組みから丁寧に整理します。難しい式を使わず、図解イメージで理解できるように分解すると…

建物がその場にじっと動かずに立っていられるのは、すべての「力」が完璧にバランスを保っているからです。構造力学では、これを「力のつり合い条件」と呼び、次の3つのルール(条件式)だけで表します。
- 横方向(X方向)の力はプラマイゼロ: 右向きの力と左向きの力が同じ大きさ。
- 縦方向(Y方向)の力はプラマイゼロ: 上向きの力(支える力など)と下向きの力(建物の重さなど)が同じ大きさ。
- 回転の力(モーメント:M)はプラマイゼロ: 右まわりの回転パワーと左まわりの回転パワーが同じ大きさ。
ここで多くの受験生が苦戦するのが「モーメント」です。ネコマルがシーソーで悩んでいたように、モーメントとは「物体を回転させるパワー」のことです。数式で表すと以下のようになります。
モーメント(M)= 力(P) × 距離(L)
単位は「kN・m(キロニュートン・メートル)」などが使われます。ポイントは、距離(L)は「支点から力に対して垂直に下ろした距離」であるという点です。斜めの距離をそのまま掛け算してはいけません。
また、モーメントの符号(向き)の覚え方は時計をイメージしてください。
- 時計まわり(右まわり): プラス(+)
- 反時計まわり(左まわり): マイナス(−)
この基本ルールさえ頭に入れておけば、どれだけ複雑な梁の計算問題が出てきても、パズルのように解き明かすことができます!
過去問にチャレンジ!一級建築士・二級建築士の学科試験演習
それでは、実際の試験レベルの問題に挑戦してみましょう。今回は二級出題度が「よく出る」の共通単元ですので、二級レベル1問、一級レベル1問の計2問を用意しました。ネコマルと一緒にノートを開いて計算してみるにゃ!
【第1問:二級建築士レベル】
図のような、スパン(長さ)6mの単純梁の左端(A点)から2mの点に、40kNの垂直集中荷重が作用している。このときの右端(B点)の鉛直反力 R_B の値として、最も適当なものはどれか。ただし、上向きの力をプラスとする。
- 10 kN
- 13.3 kN
- 20 kN
【第2問:一級建築士レベル】
図のような、長さ6mの片持ち梁の先端(B点)に20kNの垂直集中荷重が作用し、さらに梁の全体にわたり等分布荷重 10kN/m が作用している。このとき、固定端(A点)に生じる曲げモーメント M_A の大きさとして、最も不適当なものはどれか。
- 等分布荷重によるA点のモーメントは 180 kN・m である。
- 先端の集中荷重によるA点のモーメントは 120 kN・m である。
- 固定端A点に生じる全曲げモーメント M_A の大きさは 300 kN・m である。
- 固定端A点に生じる全曲げモーメント M_A の大きさは 420 kN・m である。
解答とわかりやすい解説
【第1問の解答】
正解は 2 です。
【解説】
右端B点の反力 R_B を求めるときは、もう一方のサポート点である「A点まわりのモーメントのつり合い(ΣM_A = 0)」を考えます。A点を中心として、回転パワーを書き出してみましょう。
- 40kNの荷重:A点から2mの距離で、時計まわり(プラス)に回そうとする。 ⇒ +40kN × 2m = +80 kN・m
- B点の反力 R_B:A点から6mの距離で、上向き(反時計まわり・マイナス)に回そうとする。 ⇒ −R_B × 6m
この2つのパワーを足すとゼロになるので、
80 − 6 × R_B = 0
6 × R_B = 80
R_B = 80 ÷ 6 = 13.33… kN となり、最も適当な値は「13.3 kN」です。
【第2問の解答】
正解は 3 です。(最も不適当なものを選びます)
【解説】
固定端A点まわりの曲げモーメントを、荷重ごとに分けて計算して足し合わせます。
- 先端の集中荷重(20kN)によるモーメント:
力 × 距離 = 20kN × 6m = 120 kN・m(時計まわり)⇒ 選択肢2は正しい。 - 等分布荷重(10kN/m)によるモーメント:
等分布荷重は「全荷重をその重心(真ん中)に集めた集中荷重」に置き換えて考えます。
全荷重 = 10kN/m × 6m = 60kN
作用位置 = 梁の真ん中なので、A点から 3m の位置です。
モーメント = 60kN × 3m = 180 kN・m(時計まわり)⇒ 選択肢1は正しい。
これらを合計すると、120 + 180 = 300 kN・m となります。したがって、全曲げモーメントの大きさは「300 kN・m」となり、選択肢3(300である)は適当、選択肢4(420である)が不適当(誤り)となります。
まとめ:一級・二級建築士合格に向けた力のつり合いの覚え方
構造力学の基本である「力のつり合いとモーメント」はいかがでしたか?
どんなに複雑そうに見える梁の問題でも、「X方向のつり合い」「Y方向のつり合い」「ある点を中心としたモーメント(回転)のつり合い」の3つを落ち着いて立てれば、必ず答えにたどり着くことができます。ネコマルと一緒に図解を何度も見返して、計算のステップに慣れていきましょうにゃ!
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